ハナうた写真館オープン!

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皆様、お久しぶりでございます、misatoです。
数か月前に、休止宣言をした私でございますが、
なんとなんと、新しいブログをオープンいたしましたので御報告です。
その名も、『ハナうた写真館』

実はですね、このブログ、
写真ブログをやりたくて既に3年ほど前に立ち上げていたのですが、
どうしたものかとまったく手つかずになっていたものを、
最近になってなんだか急にムズムズと再燃した次第。
ツイッターでは、
情報収集と、
南朋さんが格好良いなー、とか、
直太朗が面白いなー、とか、
サダヲくんがかわいいなー、とか、
そんな他愛もないつぶやきを、
ブログでは、
ハナちゃんと旅とキレイだなーと思う日常の写真に、
少しの文章を添えて、
記事として残していきたいなーと思っております。
目標は、1ヶ月に1枚。ゆるいですねー。

というわけで、この1週間で、
とぎれとぎれになっていた3年分の空白を一気に埋めて、
あたかも何事もなかったかのように時間軸を繋ぎ、
正式オープンの運びと相成りました。
ワー、パチパチパチパチ。
ご興味のある方、どうぞ覗いてみてくださいね。
お待ちしております!
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大事なお知らせ

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皆様、お久しぶりでございます。misatoです。
ブログ更新をパタリと停止して、ちょうど3年、早3年。
突然音沙汰を消してしまい、本当に本当に申し訳ありませんでした。
私は元気です。ハナちゃんも元気です。元気じゃないのは、パソコンのほう。
愛用していたパソコンが、壊れてしまったのですね。
実は今も、壊れたままだったりします。
ですがこの度、新しいパソコンをゲットいたしまして。
ようやく、パソコン生活再び。
つきましては、いろいろ考えた結果、ここにお知らせがございます。

これをもちまして、当ブログを正式に休止させていただきます。
今まで見に来てくださった皆様、温かいコメントを残してくださった皆様、
本当にありがとうございました。
どれだけ言葉を並べても足りないほど、感謝しております。
しかしながら、これ以上放っておくのもしのびなく、
かと言って、夜な夜な励んで書いた映画や観劇レビューを消す気にもならず、
だって、当時の私の思いが濃厚に詰まっているんですもの、
ですから、あれこれブログ内の整理がついたところで、
本当に勝手わがままながら、もう少しここにこのまま留めておこうという、
ま、昨日となんら変わらない、お知らせなわけですけど。

これだけ宣言しておいて、もしかしたら、
明日からここを再開しているかもしれません。
私の気持ちは、秋の空みたいなものですから。
ですが、またその日まで、皆様どうかどうかお元気で。
またお会いできる日を楽しみにしております。
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ついこの間C.C.Lemonホールでツアーファイナルを

終えたばかりだと思っていたのに、

早いですね、もうFCツアーのはじまり、はじまり。

名古屋はツアー初日だから余計に早い。

まだリクエスト曲が決まっていません。

昨晩からMP3で直太朗をオールリピートで聞いているのですが、

これがなかなか一つに絞れない。

直友さんと合流して、時間までシフォンケーキを食べながら、

開演1時間前にようやくリクエスト曲を決定。ふぅ。


森山直太朗アコースティックリクエストFCツアー'08

『Zeppで歌わナイト~ここは俺に任せてお前たちは先に行け~』

at Zepp Nagoya

タイトル長っ!


あのですね、まずは言い訳なんでけど。

"アコースティック"という時点で私は大きな誤解をしてまして。

てっきり直太朗がギター1本で出てくるんだとばっかり想像してたんですよ、

山崎くんみたいに、直太朗もとうとうOne Knightするのね、と。

だから、『いつさら』『星屑』とかリクエストしても

バンドじゃないとそれは無理だろうと、

そうなると必然的にバラードかなっと思ってしまって、

悩んで悩んで悩みぬいた結果、私のリクエストは『手紙』。

だって、ライブで生声で聞きたかったんだもーん。

空気読めずでごめんね、直太朗。


でも、そんな考えの人はどうも私だけじゃなかったようだ。

直太朗がライブの趣旨や進行方法や注意事項を、

リクエスト曲が選ばれなくても恨みっこなし的な、

いくつかの文章をたどたどしく読み上げ、

呼ばれたメンバー、ギターの西海さんとピアノの櫻井さんがご着席。

あれ?すっかりバンドじゃん。

そりゃあ、アコースティックには違いないし、

どこにも一人とは書いてないし、ねぇ。

もう一つ誤解してたんですけど、

今日は最初から最後まで全部リクエストなんですって。

私てっきりセットリストはほぼ決まってて、

リクエストはその一部だけなんだと思ってたんですよ、そしたら直ちゃん、

何を引いても良い様に全曲練習してきたっていうからすごいじゃないですか!

しかしですね、ということは、

ライブ1曲目から私のリクエストとか引いちゃったらまずいんですよ、

『手紙』なんて1曲目で唄う歌じゃないんですから。

やばい・・・とドキドキしながら、

直太朗がリクエストボックスから引いた1曲目は、『シルビア』。

いきなりの熱唱系に流石の直太朗もやっちゃった顔。あはは。

でも、力を抜くことなく唄いきってくれました。素敵。


続いて2曲目は『森の人』。

も、森の人!?わーという歓声、微妙な失笑、戸惑う直太朗。

そりゃそうだよね、こっちだって、うれしいような、かわいそうなような。

あんなにスケールの大きな歌を、直太朗1人でアコギでやっちゃうなんて、

大丈夫かしら、間違えずにちゃんと弾けるかしら。

直ちゃんの緊張がこっちにも伝わるんですけど。

でもこれが想像するよりもずっと良い出来で驚いた。

この曲をリクエストした方はどうやら会場でたった一人だったようですが、

その方に感謝したいほど、とても素晴らしかったんですよ。

それに直太朗、ギター上手くなりましたね。

すっかり安心して聞けるようになりましたよ。うふふ。


『マリア』、『恋』、『小さな恋の夕間暮れ』、

久しぶりに聞きました。とっても良かったんです。

CDで聞いてる分には特別な思い入れはないけれど、

アコースティックで聞くからか、

あれからずいぶん大人になった直太朗が唄うからか、

しっとりとしてて大人な余裕があって、

30も過ぎた直太朗が「オムラーイスを作るよ~♪」なんて、

当時の若かりし直太朗がよみがえるような、なんか、うっとり。


にしてもですね、案の定というか、やっぱりというべきが、

直太朗が引き当てる曲はどれもバラードばかりで、

リハでバンドで練習した曲は一切出てこないという始末、

というか、ギターの西海さんの出番が

このままではないんじゃないかということで、

初日1時間でルール変更の様、

直太朗がリクエストボックスから唄いたい曲を選ぶという斬新な形態に。

もう、好きにしてちょうだい。目の前で聞ければ私はなんでも良いですよ。


やっぱりこういう曲がやりたかったようです、

『スキヤキ』、『ポロシャツ』。

たしかに、これでこそライブ!Zepp!

楽しいやら懐かしいやら、最近、ライブで聴けなくなっちゃいましたからね。

ライブで以前の定番曲が聴けなくなるのは、

しょうがないことなのですが寂しくもある。

昔からのファンの宿命でしょうね。

ですから、こういうFCツアーでやってくれるというのは非常にうれしい。

というか、どんな歌をもアコースティックで対応できてしまう直太朗って、

やっぱりすごい!


最後は、『伝説』、『生きてることが辛いなら』。

どちらもフルで聞いてとても心に沁みました。

『生きてることが辛いなら』、新曲なのに、既にして名曲の体。

ジーンと心が奮えたわ。


脇汗がすごいから私服に着替えてくるね!

と言い残した直太朗はステージを後にして、

これももうお約束ですよね、ハイタッチ。

今年はなんてお話しようか、

好きです!なんて告白しても迷惑がられるし、

などとウキウキ語っていたのも今だけの話、

直ちゃん、まさかのアキバ系ファッションで、

そういえば所々に片鱗があったっけね・・・、

前回は目がキラキっラした直太朗に心打ちのめされたのだけど、

今回は髪がペトッとしてて、直太朗だけどちょっと気味が悪いっていう、

なんとも微妙なハイタッチとなってしまいました。

あんなに唄は素晴らしかったのに、

唯一の心残りができてしまったといえば、これだな。トホホ。

でも、こういう面白が直太朗ならではであって、

そういうところも好きなところなんだけどもねぇ。

直ちゃん、また名古屋に来てねー。


今回のグッズのコレクターズファイル。

ちょうど溜まったOriOri達をどうしたものかと思案していたところ、

専用ファイルを作ってくださってすごくうれしかったんですよ。ありがたい。

物販のお姉さんに色以外に何が違うんですかと尋ねたら、

「これはOri*Ori専用で、こちらはYori*Yori専用なんです!」と力説されて、

それが聞きたかったんじゃないんですけどね、ま、2つとも購入しましたとも。

家に帰って気づいたんですけど、

Ori*OriとYori*Yoriは若干サイズが違うようで、

だからファイルのサイズも微妙に違うんですよ。

Ori*Oriのほう、1冊では入りきりません。

2冊買っておけばよかったわ。

それにしても、会報誌にも歴史ありですね。

ぶどう狩りとか、懐かしいわー。

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時に泣きたくなるお芝居に出会うことがある。

悲しみとか寂しさとか、はたまた感動の涙とかじゃきっとなく、

いっぱいいっぱい胸が詰まってしまって溢れ出そう、

表面張力のように、ちょっとつつくと弾けそう、みたいな。

心の傷を針でこれでもかとつつかれて、いたぶられて、

そして最後の「帰ろう。」がたまらなく胸にぐっと来てしまった。

こんな時一人で来てて良かったと思う。

こんな調子で人と会話しても、

きっと上辺面で済ませてしまいそうですからね。

現実と非現実の折り合いがまだつかない、

ああ、この感覚、『ラストショウ』の帰り道に近い。>>

これだから、私、圭史さんの舞台をもっと観たいと思うのだ。


パルコ・プロデュース、長塚圭史作・演出、『SISTERS』


そう言いながら、前回のパルコ・プロデュース、

『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』を観なかったのは、

日程が合わなかったのもあるが、

マクドナーが私にはあまりに重くのしかかるもので、

やはり観るに耐えられないときがあるのですよ、

圭史さんとマクドナーのコラボは残酷すぎて、結構心に堪える。>>

それが今回は圭史さんが書き下ろした家族シリーズで、

その上キャストがあまりに良いんですよ、

松たかこさん、一度舞台で見たかった!

吉田鋼太郎さん、またお目にかかりたいです!

それからなんと言っても、田中哲司さん、好きですっ!

それにしても随分と評判が良いようで、

東京公演のレポを読みながら、

これはきっと今年なんらかの賞を受賞するのではないかと、

そう私は期待しているのですけど、どうでしょうね。


舞台は少々不気味な重い空気をまとったホテルの一室。

どうやらこのホテルのどこかで女主人が自殺したらしい。

その前置きだけで始終漂う薄気味悪さを感じる。

その空間で成される人々の会話。

ホテルを手伝いにやってきた信助と妻の馨、

10年ほどそこで暮らしている礼二と娘の美鳥、

ほか、経営者の三田村と従業員の稔子。

記憶や過去と対峙している人々が、お互いの会話により、

心の深くにおいておくはずだったものを、

じりじりじりじりと吐露しはじめるのだが、

人間なんて誰しもそれに似た傷とか記憶があるもので、

にこにこ笑っているからといってそれを癒したわけではなく、

蓋をして目に触れないようにしてきただけであり、

それが大人の生きる術、

高校生の美鳥はまだ若かったから、

興味本位で深い傷を持つ大人に近づいてしまい、

自分の傷に気づき、もがく結果になってしまったのでしょう。

その点、あんなホテルにずっといて、

普通の顔して生活していた礼二と三田村はよほど冷酷だ。

馨はきっと、まだ過去の記憶に完全に蓋をしきれていなかったのでしょうね。

壁の傷と共に馨の心の傷がズキンズキンと脈打つたび、

彼女の絶望と苦しみに、私は目を離すことができませんでした。


そんな絶望の中で、

哲司さん演じる信助は唯一の観客側の人間のように見え、

硬派で優しい大人の男、哲司さん格好良いですっ!

深入りしそうな私の思想を所々リセットして慰めてくれる貴重な存在、

圭史さんもちゃんとこういう人を置くところが憎いんだから。

ところで、信助の最後の「家に、帰ろう。」に薫は「はい。」と言ったけれど、

ちゃんと帰れたのだろうか、我が家という、

この世の中、現実、人生、今に辿り着けるのか心配になってしまった。

優しい信助さん、でも、彼もまたあちらに行きかけたわけだし。

人間なんていつでも、ましてや愛する人の為なら余計に、

狂気の世界に行けるもの。

あぁあ、人ってなんて未熟な生き物なのかしら。

とはいえ、救いの手を差し伸べるのもまた人なのだと。

圭史さんの舞台だし、

私は最後は信助まであっちに行ってしまうと思っていただけに、

最後の哲司さんの思いがけない「帰ろう。」という言葉に私は救われた思い、

多少なりともこの先に希望があって、なんかちょっと安心しました。

ぴんと張り詰めていたものがちょっと緩んで、

胸がいっぱいになっちゃったわ。


ホテルの一室が回転するでもなく、情景を変えるでもなく、

はじめ信助と馨の部屋だったのに、

いつしかそこは礼二達の部屋、礼二と美鳥の会話へ、

その見せ方、その妙技が本っ当に素っ晴らしくって感動しました。

最後に交錯する辺りなんてすごい!

二部屋の会話が同じひとつの舞台で入り乱れる様子、

しかもそこには心の傷を露呈した者ばかりがいて、

喪失感や切迫感に満ちた、なんて絶望的で美しい情景なのでしょう。

杏ちゃんってお若いのに舞台女優さんとして確立してらっしゃいますね、

もちろん松たかこさんも、二人のシスターズのパワーが何よりも、

この舞台の最大の魅力でしょうけどね。


大千秋楽のアンコール。

何回カーテンコールがあったか覚えていません。

拍手喝采、ステンディングオベーション、ブラボーブラボーと声が上がり、

その渦中にいて感動してしまいました。

もちろん、待ってました、圭史さん登場。

絶対出てくると思ってたし、

ロンドンに行ってしまう前に絶対生でお会いしておきたかった!

水の中をジャブジャブと、2回目には裾をめくり上げ、

一言二言でしたけどお声を聞けてうれしかったです。

そして、この衝撃を心に残してくれてありがとうございました。

これで、しばらく待っていられそうですもの。

圭史さん、ロンドンへいってらっしゃいませ。

さらに磨きのかかったお芝居を携えて、

帰国されるのを楽しみのお待ちしています。

五右衛門夏祭り

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goemon お盆を過ぎて峠を越したのでしょうか、

幾分涼しく、朝晩はさらに涼しく。

窓を開けてお昼寝したら、

早速私はお腹を壊しました。。。

ap bankと直太朗ファイナルで私の夏も

7月のうちに早々と満喫完了、

8月はもはや残りの夏を静かに過ごす、

はずだったのですけどね、未來くんが見たくなっちゃったし、>>

トミーが絶対オススメって言うし、この夏最後のお祭りに行ってきました。

"豪華キャストのみなさんが、ただ名前を連ねているだけでなく、

余すところなく見せてくれる!これこそお祭りではありませんか!"

とはトミー曰く、演モコラムより。

会場入り口に立ち並ぶ幟が、お祭りっぽい!


古田新太、森山未來出演、新感線☆RX 『五右衛門ロック』


チケットをとるのに本当に苦労しました。

まあ、前もって買っておかなかった上、

2週間くらい前になって急に探し出し始めたのだからしょうがないのですが、

もう無理かと思いましたよ、ギリギリ4日前にゲット。

新感線だし、RXだし、主演は古田新太さんだし、未來くんまで出るし、

つまらないわけがない、面白くないわけがない、超人気公演ですものね。


にしても、相変わらずのド派手さである。

新感線だからこれくらいやってくれないともはや物足りないのだが、

今回会場も厚生年金という普通の会場だったし、

朧のときほどの衝撃はないだろうと思っていたら、>>

ステージ両脇上方のボックスにはなんと生バンドが対でスタンバイしてて、

そこからドラムとギターの音が会場中に放出、

お腹にズシンズシンとくるのが、いやー、楽しい!流石はRX!

だいたい、五右衛門ロックというタイトルが

ワクワクさせてくれるじゃないですか。

石川五右衛門って確か秀吉と共に働いた時期もあったはず、

が、いつしか天下の大泥棒、最後は釜茹、しかし謎に包まれた人物、

その存在が既にロックですよ、だからロックが良く合う。

その五右衛門を古田新太さんが演じるとなれば鬼に金棒、

ふてぶてしくて貫禄満点でとってもチャーミング、

面白くって格好良くって新感線で観る古田新太さんってやっぱり最高ね。

そんな五右衛門が流れ着くのがトロピカルな南国で、

なんという斬新かつ独創的なストーリー、

そこには森山未來くん演じる美しい王子がやって来て、

江口洋介さん演じる左門字も五右衛門を追ってやって来て、

その敵となる王様が北大路欣也さんで、

迫力満点に繰り広げられる殺陣のシーンは圧巻。

ロックな音楽にあわせて彼らが歌う踊る、ロック・ミュージカルもまた。

なるほど、トミーがお祭りのお芝居だと称するだけのことはある豪華さだ。


私にとってはなんてったって、未來くんである。

今回彼の出演がわざわざ大阪に足を運んだ理由でもあるのですからね。

やっぱり未來くんって舞台の人間なんだなとつくづく。

立ち回りの迫力にこそ欠けるものの、

やはりそういうのは古田さんとか橋本じゅんさんとかみたいに、

多少骨太な方のほうが断然格好良いのですよ、

が、あんなに美しい立回りは私、初めて見ました。

爪先立ちでくるっと回転、後ろ回し蹴りなんてぶれない軸がまさにバレエ。

その姿が美しいやら、格好良いやら、かわいいやら。

彼の本業、タップも披露してくれて、それがまた素晴らしく、

彼は絶対生で見た方が良い役者さんですよ。

ああ、やっぱり今日観に来てよかった。


江口洋介さんも、あんまり演劇という印象はないけど、

あ、12人で観たか、観たけど、>>

やっぱりトレンディーの匂いが抜けきれなくて、

それが今回は完全にコメディーよりの落とし役でちょっと驚きました。

初新感線ということだったけど、

これがまたすっとぼけた感じがなかなか良くってですね。

一人コンサートのくだりなんて面白かったな。


奇想天外、サービス満点なこのストーリーに、

因縁とか男と女とかがかかわってくるのがこのお芝居のミソ、

まあ、なんとなくその展開は読めてましたけど、

北大路欣也さん、大御所さんがお一人いると芝居が引き締まります。

王様の冷酷さ、孤独さ、強さ、懐の深さ、

素晴らしいですね、北大路欣也さんって本当に素敵です。

なんてったって生の北大路さんなんですから、なんて贅沢なんでしょう。


最初から最後までたっぷりエンターテイメント、

笑いあり、涙あり、歌あり、ダンスあり、

魅せるところはバッチリ決めポーズで、うーん、皆さん格好良い!

アンコールではキャストの皆さん勢ぞろい跪いて北大路さんをお出迎え、

そういうところが私は新感線が大好きなんですよね。


なんやかんや言って、実に3ヶ月ぶりの観劇。

特に避けていたわけでも飢えていたわけでもありませんが、

こういう素っ晴らしい舞台を見ると、

急に観劇熱がムクムクと湧いてくるから困ったものだ。

やっぱりお芝居って良いですよねー。

明日の圭史さんも楽しみ~。

[cdb] #178 赤い風船/白い馬

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leballonrouge

ちょっとしたお盆休みを頂きまして、

きっとみなさん帰省に忙しく、

ついでに今日はレディースデイと出かけてみたら、

まあすごい人で賑わう映画館。

想定外の行列にびっくり!

おばさまがいっぱいだったけど、

お墓参りとか親戚の接待とか、

良いのでしょうか、余計なお世話ですけど。

siroiuma ということでぎゅうぎゅう詰めで観てきましたよ。

日本選手もご活躍ということだし、

ここはオリンピック記念ということで、

映画もワールドワイドに行きましょうか、

『赤い風船/白い馬』>>

アルベール・ラモリス監督の不朽の名作が、

50年のときを経て、

スクリーンに戻ってきましたよ。


ある朝パスカル少年は、

街灯に引っかかる赤い風船を見つける。

よじ登って風船を手にした少年の後ろを、

まるで意思があるかのようについてくる赤い風船。

家に居るときはベランダの外、授業中は校庭で、ふたりはいつも一緒。

そんな仲良しな様子を見たいたずらっ子たちが、

風船を自分たちのものにしようと追いかけてくる。


1956年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、

他、当時の各映画賞を受賞し、世界的大ヒットを記録しながらも、

権利の問題で日本では上映が制限され、

その存在だけが語り継がれる伝説の作品、『赤い風船』。

が『白い馬』とともに半世紀ぶりに日本で公開される。

ということなのだが、この『赤い風船』、

私にとってちょっとした思い入れのある作品なのです。


実は私の頭の片隅にはこんな記憶がずっとあった。

小学生の頃、家でこの映画を観た気がするのですよ。

ちょっとした上映会で、小さいけどスクリーンで、

初めて見る外国映画、しかもそれはモノクロ無声っていう、

それが子供ながらにカルチャーショックでね、

そんな中で風船の赤がものすごく鮮烈で、

少年の後ろをついてまわる風船が不思議で不思議でたまらなく、

ものすごく魅了されてしまったのですよね。

映画ってすごいって多分初めて知ったきっかけの作品。

とはいえ、なにぶん幼い頃の記憶ですからいろいろあやふやで、

もしかしたら夢かもしれないなどと心の奥に秘めたまま、

先日、復活情報を目にしてびっくり!これってあの時の映画じゃないの!

で、親に事実確認をしたところ、

なんと父親が映写の資格を持っていることが発覚してびっくり!

当時、父は子供会などで映画をかけていたとかで、

そのたびに事前準備として家で映画をかけていたんだそうだ。

どうやら私はそれを観ていたらしいですね。

全然知りませんでしたわ。でも、この衝撃の出会いが、

もしかしたら今の私に至るのかなと思うと我ながらちょっと納得。


たった30分ちょっとの非常にシンプルなストーリー、

台詞だってほぼ無いに等しく、

パスカル少年が時折指を立てて「バルーン!」と風船に指示するそんな程度、

モノクロだと思っていた当時の石畳の風景は、

デジタルリマスターで色でもついたのかしら、

それとも記憶が色をそぎ落としていたのかしら、

トーンの落ち着いた淡い色合いのパリの街並み、

グレーの服に身を包んだパスカル少年がとってもモダン、流石はおフランス。

そこにポワンと浮かぶ赤い風船がまず見た目に芸術的に素晴らしい。

犬に吠えられたり、少女の青い風船を追いかけたり、

断片的な記憶が時を超えて目の前のスクリーンに映し出されるっていうのは、

万感胸に来るものがありますね。


ところで、街中から風船が集まるラストシーン。

色とりどりの風船と共に空に舞い上がる少年を、

大人になった私は一瞬でもメルヘンと思ったのだけど、

当時私は幼心にその少年は後に死んでしまうんだと感じていて、

ほら、風船おじさんが海に消えるってニュースをよく聞くじゃないですか、

だからこの映画は悲劇なんだと記憶していたことを急に思い出しました。

確かに、少年と赤い風船だなんて一見ファンタジーな要素であるが、

だいたいこういうファンタジーには寓意が込められているもので、

実際、少年と赤い風船の健気な絆とは裏腹に、

大人たちはたびたびこの赤い風船を排除しようとするし、

友達はよってたかって赤い風船という異物に攻撃をしかけてくるし、

だからあのラストシーンは、こんな排他的な世の中から、

自由とか希望とかが満ちた桃源郷へ飛んでいってしまいましたとさ、

そういう大人な解釈が見て取れないでもない。

が、それはじっくり解釈そてみたらのお話で、

飛んでいく少年のうれしそうな顔を今回まじまじと確認して、

希望が見えたような、とても清々しい思いがしましたよ。


あ、そういえば、『白い馬』についてまったく語っていませんでしたね。

同じくほぼ無声、色は『赤い風船』以上にモノクロで、

少年と野生の白い馬の友情を描いた作品、

物語としてはこちらもものすごくシンプルなのに、

思わず手に汗握る思いで見入ってしまいました。

やだ、なに、あのラストシーン、とっても切ないんですけど。

少年がとてもかわいく、少年の弟がまたとびっきりかわいく、

ちなみにこの弟、後の『赤い風船』のパスカル少年で

このパスカル少年はアルベール・ラモリス監督の息子さんというのは、

豆知識ということで。


上映後、お隣に座っていたご婦人が、

なにもかもが懐かしいわーとご主人とお話されていたのが印象的でした。

シンプルで叙情的、だから人々の心に住み着いている様な気がします。

きっとこういうのを本物の映画っていうでしょうね。

それを今回しみじみと実感しました。

これを家でスクリーンで観るという、

普通ならありえない思い出を作ってくれた親に感謝したいものですね。

[cdb] #177 あの子を探して

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始まりましたね、北京オリンピック。

オリンピック自体への興味はほどほどですが、

チャン・イーモウ監督が手がけた開会式の模様は、

非常に期待していて楽しみにしていて、

4時間しっかり見てしまいましたよ。

5千年の歴史とロマン溢れる神秘的で雄大な演出、

カラフルで濃淡のえも言われぬ色使いは、

それはそれは美しく素晴らしいの一言、

まるで1本の映画を見ているような気さえしました。

眠い目をこすりながら待ちに待った聖火の点灯。

おお!ワイヤーアクション!おもわず画面に食いついてしまいました。

流石チャン・イーモウ監督、魅せてくれますね。

今日は北京オリンピックを記念して、『あの子を探して』

世界の三大映画祭を制し世界の頂点に立ったチャン・イーモウ監督の、

ヴェネチア映画祭2度目の金獅子賞受賞作品。


中国、河北省。

1ヶ月学校を空けるカオ先生の代用教員として、

13歳のウェイ・ミンジが水泉小学校にやってくる。

一人も生徒が減らなかったら報奨金をあげる、

カオ先生の言葉を信じたウェイは懸命に生徒たちを見張るのだが、

ある日、やんちゃな少年ホエクーが都会へ出稼ぎに行ってしまい、

ウェイは街へチャンを探しに行く。

しかい、チャンは街で行方不明になっていた。


HEROやLOVERS([cdb]#48 )で今や

ハリウッドばりのワイヤーアクション作品が有名な監督ですが、

それは近年の話、実はこんな素朴な中国らしい作品も数多く残していて、

というかこっちの方が監督らしいのかもしれませんが、

『初恋がきた道』然り、少女のひたむきで健気な姿を描いたら、

やっぱりこの人の右に出る人はいませんね。

特に、本作のウェイ先生ははっきり言ってほとんど無表情なんですよ。

なんだか映画というよりドキュメントを見てるみたいなほど素の表情。

でもそれ故に一生懸命さとか困惑が伺えて私には良かったように思います。

生徒とさほど歳も変わらないウェイ先生に何ができるのか、

そう思ったのは村長さんだけではない、私だって思いましたとも。

でも街に行くためのバス代をみんなで考えながら、

いつしかしっかり算数の授業になっているところなんてなかなかお見事。

レンガ積みで稼いだお金でコーラを生徒に与えているところなんて、

先生の顔してましたからね。

決して彼女は良き先生として変貌したわけではないのですよ、

すべてはホエクーを探しに行くため、

それも自分の報奨金のためだったと思うのですよね、最初は。

それがどこではっきり変わったと言わずにして、

「今何処にいるの?とても心配しています。」

ようやく現した彼女の表情、涙の訴えは、

先生として以上のものを感じ胸が熱くなってしまいました。

『初恋~』も良い作品ですが、私はこっちのほうが好きかな。


オリンピックで見せてくれたような、

多彩な色使いはこの作品にはありません。

が、どこまでも広がる乾いた台地、

ボロボロの石造りの学校、傾いた木の机と椅子、

都会はカラフルだが決して洗練されたものではなく、

そんな中でウェイ先生の活躍のおかげで届けられたカラフルな色チョークで、

色とりどりに書かれた漢字の1字1字がとても美しいのですよね。

添えて、子供たちの無邪気な笑顔。

やっぱり色に関するチャン監督のセンスが私はとても好きなようです。


ちなみに、チャン・イーモウ監督の作品の主演女優さんといえば、

コン・リーとかチャン・ツィイーとか、

後に世界的な女優さんになっていくことで有名ですが、

本作で主役を演じたウェイ・ミンジはもともと素人の中学生で、

撮影後田舎に帰っていったそうだ。

ホエクー他生徒も実際の小学生、村長もカオ先生も実際の職業の方、

つまり一人もプロの俳優さんを使わなかったんですって。

なるほど、このリアルさは本物が醸し出すもの、というわけなのですね。


というわけでは、始まったばかりではありますが、

今から閉会式が楽しみな私なんですよ。うふふ。

日本のみなさん、がんばってくださーい。

[cdb] #176 百万円と苦虫女

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nigamushi 土曜日、いつものレッスンを終え、

さっき先生に素晴らしい!と、

お褒めの言葉を頂いたのはうれしいが、

実は今週はダラけてサボっていて、

前日30分しか練習しておらず、なのに、

よく練習されてますね!などと言われると、

非常に恐縮というか、申し訳ないというか。

先生、来週は真面目に練習してきますから、

そう決意しながら、トボトボ映画館に向かう。

ちなみに、私は"芋虫女"だとばっかり思っていて、

チケットカウンターでそう言ってしまったよ!恥ずかし!

『百万円と苦虫女』>>


短大を卒業しても就職できずにいる鈴子は、

バイト先の友達とルームシェアすることにしたのだが、

引っ越したら友達の彼氏も同伴、別れたからと友達は来ない、

しかも、大事にしていた子猫を勝手に捨てられ逆上した彼女は、

同居人の荷物を全部捨てて警察の厄介になる。

再び実家に戻り、々の家族団らん、のはずが、

弟には受験に響くと言われるわ、父と母は言い争うわ、

ついに鈴子は「百万円貯まったら出て行きます!」と宣言する。

海へ、山へ、地方の町へと、百万円を貯めては次の土地へ。

鈴子は自分を探さない旅に出る。


この映画、すっごく良くってすっごく大好きで、もう一回見たい!

ということで、もう一回見てきちゃいました。うふふ♪

だって、蒼井優ちゃんがとってもかわいいんだもの、

森山未來くんがすごく引き付けるんですもの。

色合いとしては『人のセックス~』([cdb]#164 )に近いかな。

まず、この映画で泣かされるとは思ってなかったんですよ。

想定外の弟の伏線のストーリー、出て行けと言っておきながら、

鈴子の服をギュッと握り締める弟の心の内、どこに行くの?手紙頂戴よ、

まだ鈴子が旅に出る前から泣かされましたからね、

もう、胸がきゅんとしっぱなし、館内みんなポロリ泣いてましたから。

以来、ずっと心の奥がギュッと締め付けられっぱなしで、

桃娘会議では私までもが心苦しくなってしまったほどですから、

いかに作品に入りこんでしまったことか。

淡い色彩も、原田郁子さんの音楽も、なにもかもが琴線に触れっぱなし、

久々にこういう映画に出会えて私はすごくうれしかったのですよ。


いきなり警察沙汰の鈴子の印象は風変わりなところから始まったのだが、

弟や子供に非常に優しく、真面目で、礼儀正しくて、

自分の考えをただ上手く相手に伝えられないだけ、

それは鈴子だけでなく、海辺のユウキも、桃畑の春夫も、

ショッピングセンターの亮平も、強いては、弟の拓也も父親も母親も、

みんなみんな本当は不器用なんですよ、人間なんてさ。

同じ顔した人間とただつるんでいるだけの人に比べたら、

よっぽど強くてたくましくて魅力的ですよ、鈴子は。

彼女は気付いていないようだが、彼女が去った後には、

鈴子の魅力にひかれた人々が残されていましたからね。

そんな中で出会ったバイトの先輩亮平くん。

優しくって不器用で、まるで鈴子の男の子版じゃないの。

森山未來くんがまた亮平にぴったりでね。

不器用な二人が手をつないで歩くシーンはとても心温かく。

そんな亮平くんのことですから、

彼の魂胆など私ははじめからお見通しでしたよ。

だからこそラストシーンはもう一歩先が見たかったというのが正直なところ。

あとは観客のご想像にお任せしますっていう、

ああいう結末、多いですよね、最近。

良いんですけどね、たまには、ズバっと見せてほしいというのもある。

ま、私は、亮平は鈴子を見つけてもう一回走り出したと、

そういうことにしておこうと思います。


蒼井優ちゃんって本当に台詞を台詞じゃないようにしゃべりますよね。

なんとも言いがたい困惑顔、苦虫女っぷりもどこか魅力的。

蒼井優ちゃんは女優さんとしてやっぱり素敵なものを持ってます。

未來くんも、さりげなく登場して、さりげなくしゃべって、

二人が会話をするシーンは台詞じゃないみたいでしたね、逸品。

「むしろ自分を探したくないんです。嫌でもここにいますから。」

もっと若々しいガーリーなロードムービーだと思っていたんだけど、

ところどころにほろ苦いさも際立つから余計に、

鈴子たちのもがきや戸惑いが心に染みるってもの。

ドーナツ咥えて立ち上がった姿に、勇気付けられるような気がしましたよ。


ということで、がぜん未來くんが見たくなった私。

五右衛門、やっぱり行きたいな、

今からチケット手に入るのかしら・・・。

[cdb] #175 純喫茶磯辺

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7月はこんな映画も見てきましたよ。

忙しいとか言って、

結構映画館行ってるじゃん、私。

春に見た公式サイトではもうちょっと、

猫ちゃんとかいるような

のどかな喫茶の雰囲気だったように、

記憶してたんですけどね、

『純喫茶磯辺』>>


高校生の一人娘・咲子と二人で暮らす磯部裕次郎は、

父の急死により多額の遺産を手にし、

その金を元手に喫茶店を経営することを思いつく。

しかし、ど素人の裕次郎に咲子は大反対。

それでも裕次郎は着々と準備を進め、

地元の商店街に純喫茶磯辺をオープンする。

店名だけでなく内装もださい店内にお客の入りはさっぱり。

しかし美人の素子をバイトに雇って状況は一変、

店は常連客がつくほど繁盛する。

咲子も夏休みの間、嫌々店の手伝いをするのだが、

どうも父親の咲子に対する下心ミエミエの態度が気に入らず・・・。

一方、咲子も常連客の一人小説家の安田に弾かれていく・・・。


てっきり、和風喫茶のほっこり癒されムービーかと思っていたんですよ。

それがいきなりの工事現場、土っぽくて男臭くって、

ものすごくダサい磯部さん登場にちょっとびっくり。

喫茶店を開こうと決めたのも遺産が転がり込んできたからとか、

女の子と知り合えそうだからっていう打算的な発想、

喫茶店にバイトとしてやってきたモコさんは、

麻生さんのイメージを覆す男性的性格にちょっとイラっと感じるし、

常連客の安田の素性はあんなだし、

要するに、いろんな意味で裏切られっぱなしだったわけですね。

決して悪い意味ではありませんよ、

クセ者たちのオンパレードのようなこの喫茶はある意味コント、

濱田マリさん、斉藤洋介さん、ハリセンボン近藤春菜などなど、

個性の強いキャラクターたちが毎回すっとぼけていて、

クスクスと笑わせてもらいましたとも、

こんな喫茶店があったらちょっと覗いてみたいかな、

いや、やっぱり遠慮しとこうかな、ピラフ冷凍だし。

クレイジーケンバンドの曲がとてもよく似合う、

チョイ悪親父たちのひと夏の青春ムービー、なのですね。


主役の二人がなによりも、愛すべき父娘なんですよ。

宮迫さんは予想以上に磯部さんにはまりすぎてて、

面白味以上にリアルという感想。

やっぱりこの人って非常に芸達者ですね、

適当さ、無謀さ、なのにどこか憎めないのは、

宮迫さんがかもし出す味、空気なのでしょうか。

中年男たちの夢とか青春とかをぎゅっと凝縮した、

そういうのをかわいらしいと思ってしまうのは私だけかしら。

そんな父親の暴走に呆れながらも放っておけない娘、

咲子がまたすごく良いんですよね。

父がカフェをやると友達に自慢してみたり、

出来上がった喫茶に愕然としてみたり、

でもなんやかんや文句を言いながらも父を手伝い、

バカじゃないと言いながらモコさんに父をとられそうだとイラだち、

くるくる変わる素直な表情が非常にかわいい。

爪を切りながら椅子から転げ落ちるくだりとか良いんですよ。

宮迫さんと仲里依紗さんの父娘コンビが、

この映画で一番良く出来てるなと私は感心したんですよ。


純喫茶というからにはそこはおしゃれでいていはダメ、

常連さんがこぞってやってきて家族的安心感があるような、

そんな純喫茶磯辺がそれなりに街の片隅で、

続いていてくれたらよかったのだけどね。

でも、夢と化してしまったひと夏の思い出を笑いあう二人は、

本当に良い親子だこと。

お店はともかく、あの親子になら会いに行ってみたいものだわーと、

エンディングをみながらしみじみ感じたのでした。

[cdb] #174 ぐるりのこと。

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気がついたら、

とっくに上映が始まっていたのだが、

その時は南朋さんを優先して、>>

そうこうしてるうちに、

上映映画館が縮小されるとかで、

あわてて駆け込みセーフ。

そういえば映画柄なのか、

お客さんは大人の方が多かったような。

良い映画なのに、縮小ってちょっと寂しいよね、『ぐるりのこと。』>>


靴修理屋のカナオと出版社で働く翔子は学生時代からの付き合いで結婚。

どこにでもある夫婦、部屋のカレンダーには「×」の書き込み、

これは翔子が決めたふたりがする日の印だ。

しばらくして彼女は妊娠、喜びと幸せに満ちた二人だったが、

彼らは初めての子供を亡くしてしまう。

悲しみから少しずつ精神の均衡を崩していった翔子は診療内科に通いはじめ、

カナオは法廷画家としての仕事が起動に乗り始めていた。

「どうして私と一緒にいるの?」

「好きだから、一緒にいたいと思っているよ。」

夫婦の10年の再生の物語。


このポスターの、映画を見る前と後での印象はまるで違う。

普段着で金屏風前なんて、鑑賞前私はそう思っていたんですよ、本当に。

でもこれは、夫婦として成熟の粋に入った姿、

一山も二山も二人で乗り越えたという実感の微笑み、

温かくて深みがあって安定した、なんて素敵な夫婦の姿なんでしょう、

今ではこのポスターを見るだけで胸がキュッとする思いがする。


結婚したばかりの二人は私には学生の同棲の延長に見え、

こういう若い夫婦っていっぱいいるだろうが、

とくにカナオ、今がよければ良いじゃんみたいな、

精神性の若さがリリーさん、とてもよく似合っていましてね、

ベストキャスティングだわと感心したのだが、

このカナオ、不器用で口下手でしょうがないのだが、

本当はとてつもなく日本人らしいのでしょう。

翔子とカナオの二人の会話はまるでドキュメンタリーのような息遣い、

しかも時代背景がまたリアルだし、

木村多江さんとリリーさんがいつしか本物の夫婦のように見てくるのが、

この映画のすごいところだと思う。


木村多江さんが非常に素晴らしく、

翔子が徐々に壊れていく様子、壊れるって言ったって、

それは日常的に潜んでいるもの、とても徐々に進行し、

周りはあらっ様子がおかしいなと思う程度、

本人だってこんな自分がとてつもなく嫌だと思う心を持っていて、

だけども感情を爆発させずにはおれない苦しみ、葛藤、

平常とうつ状態のはざまがものすごくリアルで、

私は胸が苦しくってしょうがなかった。

真面目に生きてきた人間ほど、どうしてと思うとそれは果てしない闇、

そんな時に、ただ側にいるだけの夫、でも絶対側にいる夫、

カナオのただ好きだからそばに居るんだよという、

当たり前の一言が翔子にとってどれだけ慰めになったことか、

考えるといくばくもなく、子供のように翔子を包み込むシーン、

私は泣けて泣けてしょうがなかったんですよね。


監督自身がうつを乗り越えた経験を踏まえただけあって、

この映画の説得力はその後の再生の物語にあると私は思う。

二人が縁側でトマトに水をやっているシーン、

こんななにげないシーンがとても慈愛に満ちていて、

翔子が描いた天井画をふたりで並んで寝転ぶシーン、

何があっても一緒に生きる、ようやく夫婦として確立したのかな、二人は、

10年たって母がカナオに翔子を頼みますと頭を下げるシーン、

10年かかるのか、夫婦って、10年・・・。


私は夫婦というものを経験していないから、

この映画の真意はもしかしたら伝わりきれていないと思っているのだけど、

これをみてちょっとだけ夫婦っていいなって、

そんなことを飄々と唄うエンディングを聞きながら、

考えていたんですよ。