カウンセリングとコーチング|杉本良明(心理カウンセラー)

カウンセリングもコーチングもその目的は結局、自己肯定感を後押ししてもらうことです。これが何よりも一番大切。

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脳はものごとの認知には「省略」「歪曲」「一般化」を行うとされるが、認知行動療法の鼻祖ベックによると認知の歪は以下のパターンに分かれるとされる。

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1.全か無か思考(all-or-nothing thinking)

全ての問題を1か0か黒か白かという二分法で考えてしまう。

2.過度の一般化(over-generalization)

否定的なな経験を、『次もそうなるに違いない』と思い込んで過度に一般化してしまう。

3.心のフィルター(mental filter)

たった一つのよくないことばかり考える。


4.過大評価(拡大解釈)と過小評価(magnification and minimization)


否定的な部分を過大評価(拡大解釈)して、肯定的な部分を過小評価してしまう。

5.感情的決め付け・情動的推論(emotional reasoning)

自分の個人的な感情(気分)の変化によって評価が決まる。

6.マイナス化思考(disqualifying the positive)

よい出来事を無視してしまう。

7.結論の飛躍・飛躍的推論(jumping to conclusions)

論理の飛躍によって悲観的結論を出してしまう。

8.すべき思考(should statements)

『~しなければならない』とする強迫的な義務感に取り付かれてしまう。

9.レッテル貼り(labeling and mislabeling)

自分や他人、事物にレッテルを貼って決め付けをしてしまう。

10.個人化・自責思考(personalization)

否定的なことの原因を全て自分に求めてしまう。
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結局こうした「歪曲」と「一般化」が


「自分の過去を否定する」+「自分の現在を否定する」→「自分の未来を否定する」


と暴走するからうつになるなるわけだ。どこから立て直せばいいだろうか。やはり、


・「現在の自分を不完全だけれど応援する」

・「過去の失敗から学んで現在の自分がある」


から着手するしかないと思う。現在の自分を肯定して応援できない限り、自分の無意識が自分自身を見捨ててしまう。それでは心の免疫は必ずなくなってしまうだろう。


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産業カウンセリングでは受容・共感・自己一致と教えられた。これはこれで大切なのだけれど、カウンセラーと話した結果、クライアントが元気が出てくるか、どうかが一番大切だ。


昔、一時教会に通っていたことがある。若いころは失恋とかずいぶんしたし、説教に何がしかの救いを求めたものだが、大半の説教はゴミだった。失恋した青年がなにがしかでも元気になるような説教はほとんどなかったといっていい。これで献金袋だけは回ってくるのだから、はじめはショバ代と思って入れていたが、だんだん空しくなってくる。力なき説教者に存在意義はない。


カウンセリングだって同じだ。力なきカウンセラーのもとへは通っても空しいだけである。


説教にしてもカウンセリングしてもストレス解消法の一面は絶対にある。というかストレス解消が第一義と言ってもいいぐらいだ。


人生、いろいろ躓いてエンストすることがある。そもそも悩みとは精神エネルギーの大量消費(浪費?)状態だ。だからエンストするのである。とくにカウンセリングを受けたい人は、不安があって自信をなくしているのが通常である。そのときに少量でも良いからガソリン補給、これがカウンセリングの本質だろう。具体的には行き過ぎた不安を軽減し、自信を少しで取り戻す支援ということになる。


カウンセリングで、ふつう問題は解決しないし、クライアントが成長するという保証もどこにもない。しかし、クライアントが元気になると、問題は解決できるかもしれないし、もしかしたら成長できるかもしれない。しかし、それも元気というエネルギーあってのことなのだ。


だから、私個人は、元気をつけることばには少々オマケをつけるようにしている。あ、少々難しいか、と思っても


「なんとかなりそうですね」


と言うし、あ、なんとかなりそうかな、と思ったら


「これは勝てそうですね、いけますよ」


とサービスする。元気を出してもらうサービスもひっくるめて自己一致することが大切なのだ。


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ネガティブな感情、たとえば恐怖感とうまく付き合うのは結構難しい。


ポジティブ・シンキングというが、恐怖感を抑圧したままのポジティブ・シンキングなんぞ百害あって一利なしである。人の無意識は否定形は受け付けない。


「ピンクの象なんて考えてはダメですよ」


と言われたら、いよいよ荒唐無稽な「ピンクの象」を考えてしまう。同様に、


「この恐怖は気にしないこと」


と無意識に命じても全く逆効果、いよいよ気になるのだ。最悪は恐怖をつかんだままの自分を恥じて、


「なんと自分は情けないのだろうか」


と自分責めることである。これでは恐怖感と自責の念のダブルパンチだ。これでは心を病まないわけにはいかないだろう。人間、自分を肯定している間は心にも免疫がある。しかし、自分で自分を否定してしまえば免疫がなくなってしまう。無意識が防衛の必要なし、と思っていまうからだ。やはり、あるがままの自分を肯定することはどうあっても必要なのである。


「この恐怖はこのように考えるようにしよう」


という肯定形ならずいぶんマシになる。しかし、「この恐怖は気にしないこと」という抑圧もゼロではないわけだ。むしろ、


「自分は恐ろしく思うんだよね。それはしかたないよね」


とメタ認知したうえで、


「ま、自分には無意識さん、守護霊さん、宇宙さんがついている。頑張れ頑張れ」


と自分を応援してあげるのが最も上策なのではないだろうか。


恐怖感とは戦ってはダメだ。といって、恐怖感に屈服して悪い妄想を募らせてもなおダメ。恐怖感はあるがままに受け容れる。


人間、精神的に突発的な飛躍はない。こころは一歩一歩しか成長できない。だからムリしてはダメなのである。ムリしてつくった心は偽りの心だからすぐに崩れてしまう。無理な考え方をしないことが、心の負荷を下げるので、それが結局ラクに生きられて、幸せにもなるのではないだろうか

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