下北沢劇小劇場にて、セロリの会旗上げ公演「寂廖」を観た。家族と姉妹の物語。play unit-fullfullのヒロセエリが新団体で新境地を開いた。
四半世紀前アイドルユニットだった姉妹のその後ということで一見特殊な境遇のように見えるが、実際は普遍的な家族の物語。親子の問題、姉妹の問題、そういった微妙な人間模様を丁寧にそして最終的には前向きに描いている。
コメディタッチなので気軽に見られるが、ときどき、どきっとするような台詞があったりする。女優陣が皆個性的。最初登場したときは、昔アイドルだったというのが信じられないような人もいたが、演じているうちにそれぞれ、きっと昔はかわいかったんだろうなあと思えたからさすがだ。
ほとんどの登場人物が女性の中、芳賀晶がちょっと危ない(しかし愛すべき)フアンを好演した。
私自身3人の娘を持つ父親である。この物語にはとても感情移入できた。ヒロセエリの本はよくできている。父は娘に誤解されやすい。しかし、最終的に誤解が解けてよかったと我がことのようにうれしかった。