CoRich手塚の小劇場応援ブログ!-harapeko


下北沢OFFOFFシアターにてはらぺこペンギンを観た。


はらぺこペンギンは現在大学演劇の頂点にいる学生劇団のひとつ早稲田大学演劇倶楽部(通称エンクラ)出身の劇団である。カムカムミニキーナやポツドールの後輩に当たる。


毎回作風は変わっているが、主宰白坂英晃の作品力と魅力的な男優が揃い、どの公演を観ても水準以上の作品を見せてくれる劇団だ。



今回の作品はチラシを見ただけで気合いの入った公演だとわかる。それにしても凄いチラシだ。思わず惹かれて劇場に駆けつけた。チラシの派手さに反して舞台美術はシンプルでちょっと気合いをそがれたが、それを凌ぐキャスト陣の豪華さで思わずうなってしまった。



前半はこの劇団には珍しく台詞の噛みなどが目立ち、少し練習不足?と心配したが後半はぐいぐい引き込まれた。オカマを主人公に一見ハチャメチャなストーリー展開ながら最後には見事に感動させられる。白坂英晃の演出力だ。



今回、劇団員以外はイケメンとアイドルという面白い組み合わせ。特に、眼鏡アイドル時東ぁみが普通に参加し、普通に(←ほめ言葉)演技をしていた。そのことに感動。


しかし好感が持てるのはそういったアイドルやイケメンを客寄せパンダとして使っていないこと。時東ぁみが出ていることなど、劇場に行くまで私は知らなかった。元ミスマガジン、眼鏡アイドルの時東ぁみは私のような世代でも知っている有名アイドル。彼女が出ているだけでも、OFFOFFシアターは入りきれなくなるくらいフアンが集まるだろうに、それを宣伝にほとんど使っていない。「はらぺこペンギンwith時東ぁみ」というプロモートをしてもいいくらいなのに。


あくまで物語の必然性として彼女を使い、彼女も演技の勉強として真剣に作品に取り組んでいた。その姿勢がいい。そして、その結果として女優としてもさすがの演技だったと言っておこう。マイケルジャクソンの踊りなど、サービス精神も満点、それだけでチケット代は安いと感じさせるものだった。



そういったうれしいサプライズもあり、お得感満載のステージ。はらぺこペンギンはまたまた新しいチャレンジをしていると感じさせる作品。



俳優では園田裕樹が相変わらずいい。人間性を感じられる役者だ。今回立浪伸一がオカマ役にチャレンジしていたが見事だった。普段はまじめな役所が多いので、びっくりした。三原一太、川本喬介、村田康二、魅力的な役者がこの劇団には揃っている。