ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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シアタークリエで上演された、マイケル・メイヤー演出、柚希礼音出演の『お気に召すまま』を観てきました。

今回、ブロードウェイの演出家のマイケル・メイヤーさんが演出するシェイクスピア、というのに興味があって、チケットをとりました。

時代設定を変えた部分は、十分楽しめたとは言えませんでしたが、ポップでカラフルな仕上がりで、今まで観たシェイクスピアの作品の中では一番軽やかなシェイクスピアだったかもしれません。


以下、ネタバレありの感想ですので、未見の方はご注意ください!




IMG_2077.JPG


2017年2月1日(水)マチネ

シアタークリエ

作・ウィリアム・シェイクスピア

演出・マイケル・メイヤー

音楽・トム・キット

出演・柚希礼音 ジュリアン 橋本さとし 横田栄司 伊礼彼方 芋洗坂係長 マイコ 小野武彦他



今作品の特徴は、まず、時代と場所の設定を変えたことで、宮廷をワシントンD.C.に、アーデンの森が1967年のサンフランシスコのロックフェスティバルが行われたヒッピーの聖地、ヘイトアシュベリーに変わっています。

あんまり考えずにチケットをとってから設定が変わっていることを知り、あー、これはもうシェイクスピア原作の“別物”と思って観た方がいいのかなー、と思って、「ある種の覚悟」をしていきました(笑)


始まりは、ホワイトハウスを思わせる白い建物に、ワンピースやスーツといった衣裳の人物達が登場しましたが、「宮廷」「公爵」「領地」「姫」といった台詞はそのまま言っていて、この二重構造に、演出家のねらいーおもしろさと、いつの時代も変わらない政治や権力構造への批判などーがあるのかな、と思いました。


また、アーデンの森をヒッピーの聖地にしたことにも、演出家の理想の投影を推測することができましたが、私自身、ヘイトアシュベリーについての知識も思い入れもないし、頭では「そういうことかも・・」と思っても、実感として響いてこなかったのが残念。

美術も、それらしい感じにして人々もヒッピーの格好をしていましたが、そこがヒッピーの聖地であることの必然性が感じられませんでした。


アメリカ人がこの劇を観たら、もっと理屈抜きに感じることができるのかしら?あるいは時代が変わっているからそうでもない?

演出家のねらいも、日本人の観客には届きづらかったのではないかなあ。

私自身は、何か、食べ損なったような感じがあってちょっと悔しい気持ちです。


でも、俳優のみなさんが語るシェイクスピアの台詞は意外とすんなりと耳に入ってきて、

今まで観たシェイクスピアの作品では、熱く語ろうとするあまり力が入ったり、感情表現が過剰になって聞きづらかったり、技術が追いついていなくてよく聞こえなかったり、ということがあったんですが、

今回は、力みがない、というか、とても聞き取りやすくて、「結果的には楽しくシェイクスピアを観た」という感じにはなりました。

この力みのない軽やかさが、マイケル・メイヤー演出の特徴だったのかしら?


以下、印象に残った俳優さんについて記すと、


まず、ロザリンドを演じた柚希礼音さん。

私は、ラミン・カリムルー目当てで通った(笑)『プリンス・オブ・ブロードウェイ』で、柚希さんを始めて拝見したのですが、その時も思ったことは、すごく、明るいオーラがある方だな、と。

天性のものかしら、と思わせる、太陽みたいな存在感。


前半のワンピース姿のロザリンドの時は、少し、演じづらそうにしている感じもあって、これはロザリンドの境遇を考えてのものだったのか、あるいは、娘役に慣れていないこともあるのでしょうか?

でも、男装をしてからのロザリンドは、その明るさとコミカルなキュートさが発揮されていたと思います。くるくると動く瞳が魅力的でした。


オーランドーを演じたジュリアンさんを拝見するのは始めてですが、美しい方ですね。むしろヒッピー達のカリスマ役が似合いそうな風貌。なんか、今回、裸の上半身がすごく印象に残っているんですが(笑)、もう少し、恋をした若者の可愛らしさ、滑稽さなどが出ているとよかった気はします。

男装したロザリンドに恋の指南をされるところは、もっと、もっと、とまどったり、絶望したり、舞い上がったり、と一喜一憂してくれれば、あの場面はもっと弾んだんだろうなあ、と思います。


シーリアを演じたマイコさんも、始めて拝見しましたが、メリハリのある演技で作品全体に明るさを与えていたと思いました。

ジェークイズを演じた橋本さとしさんも、コミカルな人物造形が印象的。


そして、オーランドーの兄のオリヴァーを演じた横田栄司さん。

今回、この作品を観ようと思ったのは、横田さんが出演されている、というのもあったんですが、(横田さんの舞台を観るのは2015年の『トロイラスとクレシダ』以来だからずいぶん久しぶり!)

よく、脇を固める実力者、と評されることの多い横田さんですが、実力があるのなんてそんなことは当然なので(!!!)

最近は、(作品によりますが)横田さん自身がいかに役を崩したり、自由に演じているのかを観るのが楽しみ(笑)


で、今回は、前半の、嫉妬深い兄の時は黒く危険な凄みのある演技の中にもユーモアを交えて客席の笑いをよび、後半、弟に助けられたシーンを再現する一人芝居やシーリアに突然恋するところなどは遊び心十分で楽しめました。

最後、ヒッピーの婚礼衣装(?)を着て踊るところも可愛くてよかったです。


それにしても、今や、シェイクスピアは“フリー素材”という感じて、いろいろな演出家が、自由な演出を競っていますね。

私が観劇ライフに突入するきっかけになったのが、蜷川幸雄さんが演出した『お気に召すまま』で、今思うとオーソドックスな演出だったと思いますが、あの時のアーデンの森の美しさは今も忘れられない。


自由な演出を観るのもまた観客の楽しみではありますが、私自身は、どういう感じのシェイクスピアが好きなのかちょっとわからなくなってきた感もあって、自分の頭が固くなってきたのかしらん、等とも思うのでした。

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