ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


テーマ:

小劇場へ行ってみよう!シリーズ第1弾、ということで、

劇団鹿殺しの『ランドスライドワールド』を観てきました。


以下、ネタばれを含んでいます。



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2015年1月18日(日)マチネ

本多劇場

作・丸尾丸一郎  

演出・葉月チョビ

音楽・入交星土/オレノグラフィティ

出演・丸尾丸一郎 オレノグラフィティ 木村了 山岸門人 今奈良孝行他


はじめての劇団鹿殺し。

『ランドスライドワールド』は、海外留学をしていた座長の葉月チョビさんの帰国後の本公演で、平成21年初演の『ベルゼゼブ兄弟』のリメイク版だそうです。

演じる側も観る側も、活気にあふれる空間の中で過ごした2時間でした。


とある地方の村で土木業を営む羽根田大地(今奈良孝行)には、四門(オレノグラフィティ)、二生(山岸門人)の二人の男の子がいます。他に、子どもを置いて出て行った姉の子、五郎(丸尾丸一郎)、三太(木村了)の二人も一緒に育てています。


大地は、何かというと子どもに暴力をふるい、特に姉の子の五郎に対して激しい暴力をふるっています。暴力による支配から逃げられない子ども達は、空想の中に逃げ込むことで自分を守っています。時が経ち、四門は家を出て、残った3人のうち、一番暴力を受けている五郎は、家を出ることなく大地と一緒に家業をしています。


ある日、大地が仕事中に落下して死亡します。葬儀の時に、五郎が大地を殺したのではないかと嫌疑がかけられると、五郎はかつての大地のように暴力をふるいはじめます。葬儀に出るために帰ってきた四門を含めて、残酷な争いが起こります。

加えて、喘息を患う俳優志望の三太の、「これは映画なのだ」という妄想が入り込み、現実と妄想が入り乱れるカオスのような状況が繰り広げられます。


虐待を受けていた子が後に虐待をしてしまうという暴力の連鎖、つらい現実から身を守るための空想への逃避、その中で別人格が生まれてくる状況、家族病理の中でおきる喘息の発作。

これらが、時にコミカルに、時に残酷に描写されますが、芝居全体に混沌としたエネルギーがあり、なにかおもちゃ箱をひっくり返したような明るい騒々しさ。

そのおもちゃ箱の中には、ブリキのおもちゃが入っているようなイメージを持ちました。一見、カラフルなんだけど、さわると固くて、冷たい。


妄想パートでは、蠅の扮装をした者たちが出てきて、妄想の世界へ導きつつ、生バンドで演奏します。

この、蠅のバンドの演奏はよかったな。あと、劇の中でキャストが歌う歌やダンスもよかった。


死んだはずの大地が出てきて、落下して死んだ時の真相を語る場面では、子ども達への不器用な愛情が示され、ついほろりとしましたが、物語はそこで終わらず、最後は残酷な幕切れでした。


残酷といえば、去年観た、宮藤官九郎作の『万獣こわい』や、大竹野正典作の『海のホタル』を思い出しますが、前者は残酷さを笑いに昇華していたし、後者は逆に容赦なくリアルな残酷さを描いていて、でもどちらもドライな感触でした。


それに比べて、この『ランドスライドワールド』は、ドライではなく、むしろ湿り気のある残酷さ、という感じで、死体に群がる蠅が出てくることもあって、どこか土の匂いがするような残酷さ・・・・

観客は、この湿り気に惹かれるのかしら、なんて思いました。

私自身の好みから言えば、ドライな感覚の方が自分にはフィットする感じではあります。


終演後、高揚した表情の観客が多いのが印象的でした。

愛情を育む場所ではあるけれど、同時にどうしようもなく傷つけ合ってしまう場所でもある家族。その一員である自分。

閉塞的な状況の中の自分。

そこから出たいけれど、世界は暴力に満ちている。

暴力、抑圧、そして解放。

このお芝居を観た人は、にぎにぎしい展開の中に、カタルシスを見いだすのかな。


私はと言えば、騒々しいエネルギーを楽しみながらも、もうひとつ乗り切れない感じではありました。

印象的だったのは、現実から逃げたいとき、虫めがねを覗いて妄想の世界に入るシーンがよく出てきたのですが、

この、

虫めがねから世界を覗く感じって、

かつて

感じたことがあったかしら、

・・・・・と思ったんですが、思い出せない。


小劇場を観に行くには、私のライフステージからいって、もしかしてもう旬を過ぎているんではないかしら。

もう、私は「そこ」にはいないのではないかしら。

などという思いも頭の中をよぎるのですが、

小劇場をめぐる冒険はまだ始まったばかりなので、

また観に行ってみようと思います!

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