タロット占いで『死神』のカードが出ると、白馬に乗ってやってくる死神の絵柄にドキッとしますが、あのカードは実は怖いカードではなく物事の終わりを意味し、ことの流れに逆らわず素直に終わらせさえすれば、新しいことが生まれるという暗示なのです。


死神のカードの他にも引いてしまうと、あぁ、なんでタロット占いなんかしたんやろう...と後悔するカードは何枚かありますが、その中でも私が一番引きたくないのが、『塔』のカードです。


たかが占い。されど女はペテン師占いの言葉でも信じてしまう!(苦笑)『塔』のカードが出た瞬間に、何もかもが崩壊し、破滅してしまうようで気になって仕方がないのです。(笑)


さて、今日私がご紹介するお料理は、その私が最も恐れるタロットカードの、絵柄のモデルになっている塔の名前がついた、“恐怖の料理”です!ドクロドクロドクロ


バブル&スクイークバーガー
~バベルの塔~

和・美・Savvy Cooking
実は、私、独身時代の一時期、えらくタロット占いに凝っておりました。と言っても、占ってもらうよりも、人を占うことに夢中だったのです。どこに行くにも、別注特製の木箱に入ったカードを持ってましたよん。(笑)


私の占い、捨てたものじゃなくてよく当たったのね。仲間内では結構人気者の占い師だった。(爆)


と言うか、占いに頼る人ってのは、心のどこかに人に言えない悩みや不安を抱いているわけで、テーブルの上に並んだカードをきっかけに、どうやってその悩みや不安を打ち明けさせ、相談相手になって上げれるかってのが、優秀な占い師なんだと思う。


そういう意味で私は優秀な占い師だったと言うのか、悩める人達の良き相談相手だったようです。


子育てに嫁に母にと悩む上司の相談相手ににもなって上げたし、旦那さんを裏切って元彼と駆け落ちしようとしていた同僚を思いとどまらせたり、深い傷を負って嫌いじゃないのに分かれたカップルに復縁のチャンスを与えてたりと...


自分もタロット仲間に占ってもらっていました。その当時私もかなり悩める子羊ちゃんだったから。(笑)


どっぷりタロットに浸かってしまっていた私。その内すごく怖くなって来ました。『運命の輪』と言うカードがあるんだけど、その輪の中に吸い込まれてしまいそうな錯覚を覚え、それ以降、別注特製の木箱は一度も開けたことがない。今でも怖くて開けれない!マジ!(怖)


そんな私が、なんでタロットカードの、しかもよりによって一番怖いカードを連想する料理を作ったかと言うと、きっかけは、先週末ダックファットで焼いたローストポテトのリメイク料理を考えることからでした。


バブル&スクイークにしようと思ったのだけど、ソーセージもビーンズもないので、ハンバーグを作って載せようかと思いつきました。


旦那にそれを言うとえらく乗り気で、ハンバーグの上にはベーコン、チーズ、ついでに目玉焼きも載せて欲しいと言い出しました。


バブル&スクイークってつなぎが入っていないからもろいのに、そんなに載せたら潰れてしまう。ブログのネタにも出来ない崩壊した“バベルの塔”を作って、どないすんのん?と私が反論したことで、旦那はそのネーミングが最高だとますます食べたがった。(笑)


まぁさぁ、料理なんて遊び心がないと楽しく作れないし、新しい料理も生まれない。楽しそうだし、なら、せっかくバベルの塔にするなら、ダブルバブル&スクイークで、バンズの代わりにして芋でバーガーを作ろうってことになりました。


<材料 3人分>

ロースポテトやマッシュポテトの残り...カップ6杯分くらい(皮の付いた生のじゃがいも600g程度)
キャベツ...小1/4個
顆粒チキンスープの素...小さじ1程度
オリーブオイル...適宜
たまねぎ、みじん切り...1/2個
にんにく、みじん切り...1~2かけ
パセリのみじん切り...大さじ2程度
塩ブラックペッパー...適宜
ガラムマサラ...小さじ1/4
卵...1個
牛乳...大さじ1

(その他)
ハンバーグ...3個
ベーコン、2つに切って焼く...3枚
スライスチーズ...3枚
目玉焼き、ベーコンファットで焼く...3個


<作り方>

1.ローストポテトをリメイクする場合は、マッシュしやすいようにレンジで3~4分温めてからマッシャーでマッシュする。マッシュポテトをリメイクする場合は温める必要なし。新たにじゃがいも(約600g)を茹でてマッシュを準備しても良し。

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2.キャベツは芯を付けたまま綺麗に洗い、チキンスープの素を加えた十分な湯で柔らかくなるまで茹でる。茹で上がったらざるにとり、手で触れる温度になったら水分を絞り、芯ごと細かく刻む。

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3.フライパンにオリーブオイルを熱し、たまねぎとにんにくをしんなりするまで炒める。

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4.マッシュポテトのボウルにキャベツ、たまねぎ、にんにく、パセリのみじん切りを加えよく混ぜ合わせる。塩、ブラックペッパー、ガラムマサラを加え味を調える。

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5.卵と牛乳を合わせてよく溶き、4に加えてよく混ぜ合わせる。6等分し、ハンバーグが挟める大きさの円形に形成し、パーチメントペーパー(クッキングシート)を敷いたオーブントレーに並べる。

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6.ラップを被せ、30分程度冷蔵庫で冷やす。

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7.200度で予熱を済ませたオーブンで、20~30分、全体に焼き目が付くまで焼く。


ベーコンはカリカリにならないように注意しながら焼き、ハンバーグがほぼ焼きあがったらその上に載せて、更にチーズも重ね。蓋をして1分くらい、チーズが溶けるまで蒸し焼きします。

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ベーコンのファットで半熟目玉焼きを焼き、バブル&スクイークが焼けたら、バブル&スクイーク、ベーコンとチーズを載せたハンバーグ、もう1枚のバブル&スクイーク、そして最後に目玉焼きと重ねてお皿に盛り付けます。

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旦那と私の遊び心が生んだバーガー。その名も“バベルの塔”!(笑)その塔の上にアメリカの旗を立てたのには、意味があってしたことではありませんので誤解のないよいうに。(滝汗)たまたまキッチンショップで見つけて買った旗が星条旗だっただけです。f^_^;

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バブル&スクイークってのはエゲレスの生んだ利口なリメイク料理の1つ。通常はつなぎの卵などは入れず、マッシュポテトに野菜を加え、フライパンで形をつけながら、お好み焼きの様な形にして焼くものです。こんな 感じ!


でも、それでは本当もろくてすぐ潰れちゃうし、ハンバーグやベーコンや卵とフライパンで焼くものがたくさんあるのに、バブル&スクイークまでフライパンでは焼けんと思い、つなぎを加えオーブンでポテトスコーン風に焼きました。


卵1個でバンズの代わりになるポテトケーキが作れました。でも中は柔らかくて、いつものバブル&スクイークと全く味の違わない、とっても美味しい出来でしたよん。


子供の頃、ある日、近所の電気屋さんの前に人だかりが出来ていました。なんじゃらほいと、大人達の目線を追うと、ショーウインドウの中の売り物のテレビに、月に着陸したアポロ11号から、アームストロング船長が宇宙服を着て降りてきて、月面を歩く映像が映っていました。


昨日このバーガーに星条旗を立てた瞬間、その子供の頃の最大イベントの1つが鮮明に思い出されました。バーガーに旗を立てながら、あの時のアームストロング船長な気分で興奮しちゃったワン。(爆)

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その旗を抜き、半熟卵の黄身の上に立てます。すると黄身はとろ~~りと滴り始め、バブル&スクイークバーガーのソースと化すのです。

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好みでケチャップやブラウンソースなどをかけ、それではいただきますとナイフとフォークを入れると、バーガーはその名の通り、バベルの塔の様にもろく崩れてゆきます...汗

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可愛いかった幼少時代の私も、あれから40数年の月日が経ち、人生につかれかけた50のオバンになりました。どこもここもこのバーガータワーのように崩れてゆく...(涙)


そう言えば、40になったばかりの頃、私の人生の内で、こんなに男性からもてたことがないっつうほど、年下も年上も関係なく、男と言う男はみな私を振り向いた有り難い時期がありました。正直、私って、そんなにいい女...とうぬぼれてもおりました。


祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ...


私はこの平家物語の冒頭の文面を、今、つくづく身にしみて感じておりますです。今では裸で外を歩いても、80越えた爺さんでさえ振り向いてくれないでしょう。(滝汗)


まるでバベルの塔化した今の私が作った、バベルの塔バーガーです。でも、美味しいよん!(爆)