本日は、最近日本で“ポテトグラタン”の名で親しまれだしたお料理の原点を、このブログでご紹介したいと思います。


シェパーズパイ

和・美・Savvy Cooking

数日前、2キロ以上あるラム肉の塊をローストしブログで紹介したら、その大きさにたくさんの方が驚かれた様子でした。


あのラム肉の塊は、食べ物が安いアメリカででも30ドル(日本円に換算すると2500円程度)もするし、お金より何より、あれを夫婦二人で一晩に食べるるのかと想像されたら、驚かれても無理はありません。


しかし実際は、あの2キロ以上ある肉を何食にも分け、さまざまな料理にリメイクして日数をかけて食べたので、決して高い買い物ではないし、一晩に無茶食いし、翌日からお腹を壊して夫婦で寝込んだわけでもありません。(笑)


ローストした当日は一番美味しいそうに焼けた部分を切り分け、トラディショナルにグレービーをかけ、同様にローストしたポテトやボイル野菜、それに手作りのミントジェリーと共にいただきました。


その晩の内に食事が終わったら即、肉に刺したローズマリーを丁寧に全部抜き取り、食べやすい大きさに切り分けてタッパーに入れ冷蔵保存。


翌日の旦那のお弁当はその残ったラムをパンに挟んだラムサンドイッチ。ローストした日から1日あけ翌々日の晩御飯には、温めなおしたラム肉をピタパンで手巻き寿司風に巻く、シャワルマにしていただきました。


そうして数回に分けて食べたローストラムも、最後は肉をカービングした時の切れ端や、外側のちょっと焦げた硬い部分だけとなり、シリアル用ボール1杯分程残ったその肉を、こうして細かく5mm角ほどに刻んでしまいました。

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ローストラムやローストビーフの残り肉の最後の最後のリメイク料理に、この細かく刻んだ残りの肉を使います。


そのリメイク料理が、今日のブログでご紹介するシェパーズパイであったり、同様にして作るコッテージパイなのです。パイと言ってもペイストリーで包むのではなく、マッシュしたじゃがいもで包んで焼くパイです。


日本のカレーライス同様に、シェパーズパイやコッテージパイは料理が全く出来ない子でも作れるってくらいに、とても簡単に作れて、とても美味しく、みんなが大好きな家庭料理なんです。


以前コッテージパイをミンチ肉から作りブログで紹介したことがありますが(その時の記事 )、ローストした肉の残りに限った料理ではなくミンチ肉から炒めて作ったって良いんです。牛ミンチをラムミンチに変えるだけで、作り方は全く同じでシェパーズパイも作れます。


日本でポテトグラタンと呼ばれているのは、このミンチ肉から作るコッテージパイのことのようです。それなら、私のコッテージパイのレシピでぜひ一度ポテトグラタンを作って見て下さい。スパイシーなグレービーがじゃがいもにまで染みてとても美味しいです。


今日はポテトグラタンの原点をご紹介するのがブログの趣旨ですから、昔のイギリス人やアイルランド人がしたと同様に、ローストしたラム肉の最後の最後に残ったくず肉ばかりを集め、それを使ってシェパーズパイを作ってみたいと思います。


じゃがいもはバターだけを使う代わりに、たっぷりのバターで炒めた刻みねぎを、フライパンに残ったバターごと加えてマッシュしています。それだけではちょっとクリーミーにはならないので、牛乳も少し加えゆるくしています。


コッテージパイでは牛ミンチにハンバーグ同様シナモンやナツメグを加えましたが、ラムの肉にはあのちょっとエキゾチックな風味のスパイス・オールスパイスを使ってみることにしました。

 
また、ミンチ肉から作る時には使うにんにくやミックスハーブは、今回はにんにくとローズマリーをふんだん刺しこんで焼いた肉なのでレシピから除外しました。


ちなみにこうした古い英愛料理のレシピには、にんにくは通常使われてはいません。にんにくは比較的現代になってからイギリスやアイルランドに伝わり広まったようです。私は好きだから伝統レシピを無視して使っていますが。


<材料 4人分>

(トッピング)
じゃがいも...700g程度
バター...30~40g(多めが美味しく作るコツ!)
ねぎ、小口切り...1本(今回は味噌汁に使った残りの刻みねぎ1カップ程度を使用)
塩こしょう...少々
牛乳...適宜(じゃがいもの固さにより調整)

(フィリング)
オリーブオイル...適宜
たまねぎ、粗みじん切り...1個
ローストラムの残り、5mm角程度に細かく刻む...2カップ程度
人参、皮を剥き細かく刻む...小1本
オールスパイス...小さじ1/2~1(量は好みで。シナモンやナツメグでも良し。)
小麦粉...大さじ山盛り1
コンソメスープ、固形コンソメ1個を熱湯に溶いたもの...300ml
トマトペースト...大さじ1
リー&ペリンウスターシャーソース...5~6振り
パセリのみじん切り...1/2カップ
塩こしょう...適宜
味の素...適宜

(その他)
ピザ用チーズ...120~130g
オールスパイス...適宜

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<作り方>

1.
フライパンにバターを熱しねぎをしんなりするまで2、3分炒める。

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2.じゃがいもを柔らかくなるまで茹でしっかり水切りした後マッシャーでマッシュする。1を加え、へらでよく混ぜ合わせる。じゃがいもの固さに応じ牛乳を適宜加え、後ほどフィリングの上に延ばし易い程度のやわらかさにする。塩こしょうで軽く味を調える。

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3.フィリングを作る。フライパンにオリーブオイルを熱したまねぎをしんなりするまで炒める。人参を加え更に2、3分炒める。

4.3に細かく刻んだラム肉を加える。2、3分炒め肉に火が通ったら、オールスパイス、小麦を加え、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜ合わせる。

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5.4にコンソメスープ、トマトピューレ、ウスターソースを加え、煮たってとろみがついたらパセリを加えて調味料で味を整え火から下ろす。

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リーペリンのラベルは日本で売っているものはこれとは少し違います。
黒い瓶にオレンジ色のラベルです。


6.5をオーブン調理可能なパイレックス容器などに移し、2のじゃがいもで表面をすっぽり包む。へらで表面を平らに整える。

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7.6のじゃがいもの上にチーズをまんべんなくまぶし、好みでオールスパイスを軽くふりかける。200度で予熱を済ませたオーブンで約30分、表面に焦げ目がつくまで焼く。

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そうして焼きあがったのがこのシェパーズパイです!フィリングにちょっと多めにスープを加えているので、セルフ・グレイビー・ソースィングとでも表現すればよいのか、まるでグレービーソースを上からかけたようになっています。

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実際、イギリスやアイルランドでは、コッテージパイやシェパーズパイに別途グレービーを作りかけて食べる人も居ます。私の作り方はパイと同時そのグレービーも作れちゃう、一石二鳥のシェパーズパイなのです。(笑)


この晩はローストラムを作った日に付け合せにしたロマネスコが、やっぱりちょっと余っていたので、それをさっと茹でてサラダの具にしちゃいました。ドレッシングはフランボワーズドレッシング。フレンチで呼ぶとラズベリーと言うよりずっとオサレラブラブ!

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クリーミーなじゃがいもを、とろ~~りとしたフィリングに絡ませて食べます。英語でよくhearty dishと言う表現を使いますが、まさにこのシェパーズパイやコッテージパイが、その母ちゃんの心のこもった家庭料理の代表格なんです。


これがローストラムのリメイク料理だなんて、誰が想像するだろうか...旨い!


こうして2キロ以上あった大きなラム肉は、数日かけて無駄にすることなくすっかり完食されたのでした。

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