2006-09-15 20:02:40

消費者心理とマーケティング-購買前の情報の探索(Information search)No7-

テーマ:購買前の情報探索

消費者心理とマーケティング-購買前の情報の探索(Information searchNo7-として時間的余裕と情報探索の関係を取り上げます。消費者は商品を購買する際に情報の探索を行うことで購買意図を形成します。

1.購買前(Pre-purchase)の情報の探索(Information search

消費者は商品を購買する際に情報の探索を行うことで購買意図を形成します

2.情報探索の種類

(1)内部探索(Internal search

・過去の消費経験など記憶からの情報の探索

(2)外部探索(External search

・マスメディアや口コミなど記憶以外の情報源からの情報の探索

3.順序

初めに(1)内部探索(Internal search)、不十分な場合は、(2)外部探索(External search

4.外部探索(External search)の頻度

外部探索(External search)を行うことは消費者の時間や労力などを消費しますので、内部探索(Internal search)で充分なときは内部探索で済ます傾向にあります

5.情報探索の程度と時間的余裕

時間的な余裕がない場合は情報探索の程度が少なく内部探索に頼りがちだが、時間的余裕が増えるに連れて情報探索の程度が増えることを多くの研究が示しています(e.g., Betty, & Smith, 1987)。

6.他の研究との関係

(1)衝動買いとの関係

衝動買いは必要性・品質・値段などを経済合理性で判断しない消費行為とも言えます。つまり入手できる限りの情報を分析することなく(衝動的に)買い物をする行為です。この点、多くの衝動買いは内部探索に頼った意思決定が原因となっていると思われます

(2)ヒューリスティックな判断との関係

以前紹介したように 、消費者は時間的余裕がない場合は簡便的なヒューリスティックな判断を行う傾向があります(Petty, Cacioppo, & Schumann, 1983)。具体的には、(1)ブランドネームによって品質を推定する(Nowlis, 1995, sited in Suri, & Monroe, 2003)、(2)値段によって品質を推定する(Suri, & Monroe, 2003)などです。

この関係も内部探索に頼った意思決定の結果だと思われます。つまり記憶内に「ブランド・値段が高い=高品質」という関係が刻み込まれているためです。

7.マーケティングへの応用

(1)時間的余裕がない消費者を対象にマーケティング戦略を構築する際のポイントは、如何に消費者の記憶内に自社・自社ブランドへのポジティブなイメージ・態度を構築するかだと思われます(外部探索は重視されないため)。

(2)記憶の構築に関して重要な観点は下記通り

A)記憶

記憶されやすい情報は(1)既存の知識(スキーマ)に一致する情報と(2)既存の知識(スキーマ)に一致しない情報(詳細はこちら )。

態度の形成は、(最近得られた情報よりも)初期に得た情報を基に行われる傾向が高い(第一印象は変わりにくい)(詳細はこちら )。

B)記憶の取り出し

・既存知識(スキーマ)は、それが直前に作動された場合に、より作動され(思い出され)やすくなる(プライミング効果)詳細はこちら )。

・不安定(不正確)な判断であってもバイアスのかかった簡便な意思決定Judgement heuristics)をする傾向がある(詳細はこちら )。

C)まとめ

時間的余裕のない消費者は記憶内の情報を使って意思決定する傾向があります。そのため販売側は如何に良いトータルの消費経験を消費者に提供するかが重要になります。そのため既存顧客に如何に真摯な態度で接するかが当然のごとく重要となるでしょう。

ただし人間に記憶にはバイアスが掛かりやすい傾向があります。そのためどのようなバイアスが掛かりやすいかと理解し、より自社・自社ブランドにポジティブな記憶が構築され・思い出されやすくするかが決定的に重要です。ポイントは(1)第一印象が非常に重要あること、(2)頭の中の記憶から取り出しやすいように刺激を与え続けるCMだけが手段ではありません)ことだと思います。

主な参考論文

Betty,S.E., & Smith,S. (1987). External search effort: A instigation across several product categories. Journal of Consumer Research, 14, 83-95.

Petty,R.E., Cacioppo,J.T., & Schumann,D. (1983). Central and peripheral routes to advertising effectiveness: The moderating role of involvement. Journal of consumer research, 10, 135-146.

Suri,R., & Monroe,K.B. (2003). The effects of time constraints on consumer’ judgements of prices and products. Journal of consumer research, 30, 91-104.

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コメント

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1 ■気を緩める事はできません。

第一印象は、私たちが想像している以上に潜在意識に残るのだと思います。面接などでも、最初の20秒が大切、とよく言いますね。
今の仕事先に初めて面接したときのことですが、店長は私が以前、働いていたお店に偶然客とて訪れたことがあったそうです。そのとき、私がすぐに声をかけて、接客したことを覚えていて、面接中にポジションをオファーされました。気がつかないところでも、しっかり見られているのですね。何処で、どんなチャンスが訪れるかわからないものです。

2 ■lこんにちわ

とても勉強になりました。
どう印象づけ、さらによいイメージをつくり、思い出してもらうかが重要なんですね。

そのひとつに印象的なキャッチコピーや歌をつくる、というのもあると思いますが、
スーパーやドラッグストアで流れている、
なかば洗脳?チックなあの歌は好きになれません…

3 ■せつこさん

引越し、日本への一時帰国のため返事が遅くなりました。引越しは予想通り最後の晩に詰め込みになってしまい2時間ほどしか寝られない羽目になりました。グラスゴーに関しては想像以上に大きな大都市で衝動買いをしてしまいそうな誘惑が非常にある街でした。日本は非常に暑い。グラスゴーではセントラルヒーティングを夜使って寝ていたのが信じられないほど暑いです。正確に言うと日差しはイギリスと比べて非常に弱いが、信じられないほど蒸し暑いです。これからは迅速にしっかりと返答をしていきます。せつこさんのコメントにあるようにどこで誰が見ているか分からないですもんね!

4 ■apparel-oem さん

仰るように印象的なキャッチコピーや歌は頻繁に使われています。確かにこれらの方法は消費者の態度形成に影響を与えると思いますが、それ以外にも実際の消費経験なども大きな影響を与えるし、逆に印象的なキャッチコピーや歌に反感を一部の消費者にもたれることもありえると思います。たとえば英会話のNOVAのCMが流行りましたが(私は面白いと思いましたが)一部の英会話を真面目に勉強したい人には自分の(流行の英会話学校で)探しているものではないと思われたかもしれません。

5 ■安心しました。

無事、引越しが終わり本当に良かったですね!
引越しの前夜は2時間ほどしか睡眠がとれなかったそうですが、大変でしたね。
グラスゴーは、大きな街なので、衝動買いの究明にぴったりだと思います。今度は、真さん、ひとみさん独自の衝動買いの経験についてお聞かせくださいね!今日、エクセターはとても寒いです。

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