『マンガ嫌韓流』

テーマ:
山野 車輪
マンガ嫌韓流

……読んじゃいました。こういうの、影響されやすい性格なので、どうしようかなあ、と思ってたんですけど。

日韓の問題について検証した本であり、韓国に対して批判的なスタンスで描かれたた本。マンガなので読みやすく、かといって内容も薄くはないので、良いと思います。というか、このボリュームで1000円は安い。出版社の心意気を感じます。

ちょっと……お恥ずかしいんですけど、知らない話がたくさんあってびっくりしました……。これが全て本当のことだとすると、ほとんどホラーだと思います。

もちろん、扱っているものが歴史である以上、この本の記述を鵜呑みにしてはいけないし、これからいろいろと議論しなければならない点はあると思います。論文ではないので、そういうプロセスが専門家たちによってちゃんと踏まれないかもしれないですけど。

とにかく、日本人は勉強不足だなあというのを強く感じました。韓国人の言う事をすべて鵜呑みにしてしまわないためにも、このあたりの勉強はきちんとすべきだなあ、と。本当は学校教育の中でやってもらいたいところですが、それもなかなか難しいみたいだし、自力でやらなければならないので大変なんですけど。

せめて、どこから勉強をはじめればいいのかがわかればいいのに、と思うのですが。とりあえず、導入として、このマンガは悪くなかったと思います。少なくともこれを読んで、どこが問題点なのかははっきりしたし、いかに日韓の関係が歪んでいるか、認識させられたので。

読もうかどうか迷っている人は、ぜひ読んでみるべきだと思います。目次のサブタイトルが「韓国人に汚されたW杯サッカーの歴史」「永遠に要求される金と土下座」など、多少言葉がよろしくないので、大丈夫かよこの本、と感じるかもしれませんが、読んで損はないはず。
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『孫策』

テーマ:
加野 厚志
孫策(そんさく) 呉の基礎を築いた江東の若き英雄


三国志大戦の話題ばかりの今日このごろですが、ひさびさに書評をしたいと思います。

……え? ご紹介するのは『孫策』という本ですが何か。根本的には大戦話と何も変わらないですが何か。

…………ちかごろ三国志のことばっかり考えちゃって困ってるんですよ私も!

まあそれはいいとして。リーマン御用達のPHP文庫から出ている『孫策』という本です。言うまでもなく、三国志の英雄(英雄ですよ、ええ!)孫策を主人公にしています。

ゼミの友達から、えらいテンションの高いメールが来て、孫策の小説が出てるよーと教えてくれました。ので、早速購入。かっこいい表紙に大満足。帯のコピーが、いかにもリーマン向けっぽく「三国一部下から信頼された男」。

……で、読んでみたわけですが。

………………コメントに困るよ、これ。

……………………ぶっちゃけていいかなあ?





…………………………おまえらホモだろ(孫策&周瑜)



いや、作者は六十歳の男性なので、たぶん作者にそんなつもりはないとは思いますが。……それにしたって。

周瑜が花を摘みながら頬を染めてみたり。
周瑜と話してた孫策がなぜか息苦しくなっちゃったり。
周瑜が魯粛を笑顔ひとつでほだして軍資金をせしめてきたり。

どうも、二人を美化しすぎてるなあ、というかんじ。潔癖すぎるっつーか。乱世なんだし、もっと清濁合わせ飲む器量があってもいいんじゃないの、と個人的には思うんですが。

……作者が孫策大好きなのはよくわかりましたけどね。おかげで、孫策と周瑜に付きまとう于吉が、作者自身を描いているような気がしてしまう(笑)


あと、難をあげるとしますと……擬音っていうか、気合いの声? ……が、おもしろすぎる。「うりゃりゃーッ!」っていつの時代の漫画よ? 読みながら恥ずかしくなっちゃったんですけど!


そして、史実考証が怪しすぎる。曹操が巨漢だったり、孫策より二十歳は年上の張昭が若い武将とか言われてたり。……たぶん、検証すればもっといろいろ出てくるでしょう。微妙に演義の話とそうじゃないのが混ざってるっぽいしね?


……まあ、ある意味で面白いので、懐の広い人は読んでみてもいいかも。とりあえず、孫策と周瑜の出会いのシーンがかなりすごいので、立ち読みでそこだけ(P27~32くらい)読んでも。

初めて三国志を読むって人にはおすすめできませんねー。劉備の扱いがひどいし。歪んだ三国志観が形成されることうけあい。
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『聖者の異端書』

テーマ:
内田 響子
聖者の異端書


ひっさびさの書評であります。時間的に余裕がないと、書評はなかなか書けませんのでねー。でも「あ、これは紹介したいなー」という本に出会えましたので。つーわけで、『聖者の異端書』です。中央公論新社のC★NOVELSから出ている本で、新人賞の特別賞受賞作らしいです。

……実は今までね。 C★NOVELSって守備範囲外だったのです。あと太田出版の犬のマークのレーベルとか。…………上下二段になってるのが、なんとなく嫌で。ほんとに、なんとなくなんだけど。……それを言ったら、高校のときの文芸部の部誌だってそうだったんだけど、それは平気だったの。あれはB5サイズでしたしね。

ま、それは置いときまして。なんかいろんなとこで平積みになってるので、気になって買ってみましたらば、私好みです、これ。……どうにもあらすじを説明しづらいので、本の裏の文章をそのまま載せさせていただきます。


──弱きもの。汝の名は女──
わたしの目の前で、夫となるはずだった人が消えた。しかも、結婚式の最中に。「死んだと思え」と言われても、納得などできない。
彼を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い坊主を連れて城を飛び出した──
封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚! 第一回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。


……とのことです。主人公のお姫様がなかなかに現実主義的で、彼女の冷めた語りが地の文になっているのですが、これが楽しい。テンポが良く、共感しやすい。

非ギャグタッチのファンタジーで、わりとしっかりと伏線がひかれているというか、パズルのピースがぱちりとハマるようなストーリー構成は私の大好物なのです。

主人公の語りという体裁だし、叙事詩的というのか……正統派ファンタジー的というのか……ちょっと、主人公以外の人物像が表面的になりがちかなあ、というか、見せ場がないなあという感じなので、最近のキャラクター主義的な風潮とは逆行するところがあるのかな、とも思うのですが。私はむしろ、ギャグタッチになりすぎなかったぶん、好感がもてると感じました。

「そろそろキャラクター主義的なのには食傷気味かも……」って方にはもってこいかと思います。私も、そういうのが嫌いなわけじゃない──というよりわりと好きなのですが、たまにはこういうのが読みたいもんです。うん。
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『天翔けるバカ

テーマ:
須賀 しのぶ
天翔けるバカ flying fools コバルト文庫
須賀 しのぶ
天翔けるバカ―We Are The Champions

コバルト文庫からのご紹介です。第一次世界大戦の航空部隊を、ライトノベルスらしいテンポの良いタッチで描いた作品で、全二巻。実は私の飛行機フェチは、この本を読んだせいだったりするのです……。


主人公・リックは、アメリカの成金の息子。他には一つとしてとりえのない彼だが、飛行機の腕にだけは自信がある。

ところが、婚約者のレイチェルと大喧嘩をした際、飛行機の腕にまでケチをつけられた彼は、勢い余って連合軍の航空部隊へ。エース(撃墜王)になって、見返してやると息巻く彼ですが……。


とまあ、しょっぱなからテンションの高いかんじですが、文章はしっかりしているし、戦争ものとして避けることのできないシリアスな部分も描かれているので、「コバルトはちょっと……」と敬遠しないで、ぜひ読んでみていただきたい作品です。女性だけでなく、少年たちが読んでも楽しいことうけあい。(弟で実証済み)

なにがいいって、リックが入ったのは各国からの志願兵の集まる義勇軍なのですが、一癖ある人物ばかりが集まっていて面白いのです。

凄腕なんだけど、典型的な「嫌みなイギリス人」のロードとか。
ロシア人のくせにやたら陽気で、「被」撃墜王の通称ピロシキとか。
逆に、イタリア人のくせに妙に生真面目で信心深くて、周囲に告解をせまるパードレとか。

そして、カタキ役ですが、かのレッドバロンも登場するのだ! 紳士なんだ……!

どっちが1巻かわかりにくい装丁になっているので、読む際は要注意。「flying fools」が1巻、「We Are The Champions」が2巻です。

『ネバーランド』

テーマ:
恩田 陸
ネバーランド


恩田陸さんの『ネバーランド』を読了したので、ご紹介です。まずは文庫裏掲載のあらすじから……。


「舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。」


……とのことです。事件とか謎とかいう単語がちょっとミステリーものっぽさを感じさせますが、最後に「青春グラフィティ」という言い回しがされているように、もっとほのぼのした作品です。

あとがきで、著者は「高校生がさわやかすぎる」と言われることもある、と言っているけれども、この作品で描かれる4人の友情は、とても「さわやか」で快いものです。確かに、その反面で少年たちの人物像が出来過ぎの感があって、リアリティにかけるところはあるのだけれど、私はむしろ、恩田陸さんのそうした持ち味は、好感の持てるものだと思っています。

この人は私よりずっと年上なのに、どうしてこんなに少年たちを生き生きと書けるのだろう、とも思います。自分が子供として扱われることへの不満とか、友達と過ごす時間の不思議な連帯感とか、実に生き生きと描かれているのです。

忙しい毎日の合間に、読んでみてはいかがでしょうか。きっとなにか懐かしい気持ちになれると思います。

『星を継ぐもの』

テーマ:
ジェイムズ・P・ホーガン, 池 央耿
星を継ぐもの

今週のアメブロのトラックバックステーションのお題が、「一押しSF小説を教えて!」とのことだったので、私の信頼する本屋さんで大絶賛のこちらをご紹介。しかも、小野不由美さんも推薦しているらしい。「これで面白くないはずがあるまい……!」と楽しみに読んだのですが、期待以上の作品でした。

あらすじは、文庫裏のものをそのまま載せさせていただきます。


「月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもなければ、ましてやこの世界の住人でもなかった。彼は五万年前に死亡していたのだ! 一方、木星の衛生ガニメデで、地球の物ではない宇宙船の残骸が発見される。関連は? J・P・ホーガンがこの一作をもって現代ハードSFの巨星となった傑作長編!」


……いかがです。あらすじだけで面白い香りがぷんぷんするでしょ!?

 これは、巨人たちの星シリーズというシリーズの、第一作目です。シリーズはもともと、三部作の予定で、この後に『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』と続きます。が、作者はまだ書くべきことがあると気づいて、しばらくして四作目、『内なる宇宙』を上下巻で発表しました。

 これはさすがSFというかんじで、科学系のけっこう難しい話が出てくるので、読むのは大変かもしれません。私の場合、二作目まではところどころ読み流しながらもわりと理解しているつもりで読んでいたのですが、三作目から、登場人物たちの話がかなりちんぷんかんぷんに……。なので、科学の話はざっと読み流して、ストーリーだけ楽しんでおりました。(管理人は一般教養の科学の授業でさえ単位のとれない文系人間です) でも、そういう読み方も可能です、この本は。

 それでも面白いと思うのは、それだけこの作品がよく出来ているからです。とにかく、読み応えがある! これだけ読んだ後の充実感がある作品って、めずらしいと思うのです。科学だけでなく、社会学や歴史学的な要素まで取り入れて物語が進んでいく。主人公・物理学者のハントや、その他の科学者たちがだんだんと明らかにする歴史の真実。私たちの知っていた歴史物語が、根底から覆る。歴史にロマンを感じる輩には、もうたまりません……!

 書かれたのは古く、70年代後半から80年代くらい。かといって古くさいというかんじもなく、かえって作者の先見の明にびっくりさせられます。しかしさすがにソ連の崩壊は予想できなかったらしく、ソヴィエトが出て来たりして、それも歴史を感じさせて面白いかもしれません。

 ……もう、いろいろ語りたくてもどかしいのですが、うっかりネタバレするのが怖いのでやめておきます。ぶっちゃけた話、全作読まなくても、一作目とか、二作目までだけでも面白いかも。

とにかく読んでください! ほんと面白いから!

……そしてダンチェッカー氏が愛おしいという同志、募集中です。

『黒祠の島』

テーマ:
小野 不由美
黒祠の島

小野不由美さんの作品。「本格推理」小説だそうです。……私は、実は推理ものとしてはなかなか反則気味じゃないかと思うんですが。……どうなのだろう。


作家・葛木志保が失踪した。仕事のパートナーを勤め、失踪の直前に「戻らなかったら部屋を始末してほしい」と頼まれていた主人公・式部は彼女を捜しますが、彼女の経歴はまるで過去を切り捨てたように消し去られています。かろうじて行き着いたのは、夜叉島と呼ばれる小さな島でした。

よそ者を嫌うという島の人々。島に受け継がれている奇妙な因習。異常とも思えるほどに介入を拒絶されながらも、式部は恐ろしい事実を探り当てるのです。

数日前に、島で女の死体が発見されている。顔が判別できないほどに無惨な状態だっというその死体は、まさかかつらぎのなのか? この「黒祠の島」で、いったいなにごとが起こったのか……?


読みごたえがあって面白かったです。東亰異聞もそうだったのですが、小野不由美さんは最後まで主人公の推理がまとまらなくて、「犯人わかんねえ!」というのが上手いのですね。主人公、さっぱり犯人の目星つけらんないじゃん、みたいな。(褒めてます)

結構ホラー的です。本格的にホラーなわけじゃないんで、苦手な私も読めるかんじですが。……いや、むしろサスペンス? ……なにしろ、島の特異性がすごいんですよ。マジ怖い。こんなとこに行ったら絶対泣く。

どんなふうにすごいのかは読んでのお楽しみとさせていただきますが、文庫の折り返しに書かれている「黒祠」の説明文をご紹介させていただきます。

「黒祠とは──
明治政府の採った祭政一致政策によって、神社は信仰の対象ではなく、国民が義務として崇敬する対象とされた。神社は国家の宗祠として社格精度のもとに統合され、国家の施設とされた。全国の神社は位階制によって整然と編成され、行われる祭祀も国家の定めた様式に統一された。この統合に与しないものは迷信として弾圧されなければならなかった。国家神道の中にあって、黒祠とは、統合されなかった神社を言う。それは迷信の産物であり、言わば邪教である。」

……とのこと。

結末には、悔しい気持ちもあるけれど、納得させられてしまう。納得させるだけのものを、小野さんは書いたと思います。読んでない人は「なんのこっちゃ」と思われるでしょうが、読んでいただければきっとそういうふうに思っていただけるハズ。

『The S.O.U.P.』

テーマ:
川端 裕人
The S.O.U.P.

以前ご紹介しました、『夏のロケット』の作者さんの作品です。今回も、まずは文庫裏掲載のあらすじをそのまま載せさせていただきます。


「世界中を熱狂させたゲーム、「S.O.U.P.」の開発から十年。プログラマから一転、セキュリティを護るハッカーとして、FBIの依頼もこなす巧に、経済産業省から、悪質なHP侵入者を突き止めてほしいという依頼が入る。犯人を追いつめた巧が見つけたのは、自分たちの開発した「S.O.U.P.」に巣食う、サイバー・テロリスト集団だった! そして今、世界を巻き込むインターネット戦争が幕を開ける。ネット社会の陥穽(かんせい)を鋭く突いた、エンタテインメント・ノベル!」(文庫裏より)


インターネットの世界はこれからどんなふうに進化するんだろう、っていう、きっと今誰もが持っている期待と不安を、うまく形にした作品だと思います。ネット……というかパーソナルコンピュータには、なにができるんだろう、という期待。そして、ネットに依存する社会がどんな危険をはらむのか、という不安を描いている。

でも、テーマの面白さもさることながら、私が一番気に入っているのは作品の雰囲気というか、文章というか。『夏のロケット』もそうでしたが、作者の川端さんはけっこう青春ものっぽい作品を書く人らしく、登場人物の描き方や作品全編にわたる雰囲気が、さわやかで気持ちがいい。このザ・スープも、主人公の巧は凄腕のハッカーでかっこいいのだけど、ただクールなんじゃなくて彼なりの正義感というものがあって、そのために一生懸命になっている。余談ですが、彼はセキュリティの仕事ではユニックスとかウィンドウズを使ってますが、趣味でマックを二台持ってるのです。

それと、小難しいコンピューター用語がたくさん出てきます……が、たまに「そういうもんか」って読み流してた部分もありましたが、私みたいなのでもストーリーは問題なくわかるように書いてあります。詳しい人が読んだらもっと楽しめるのかもしれないけど。私の場合、今更だけど、「インターネットってそういう仕組みになってたのね~」と納得してしまいました。面白いだけでなく、勉強にもなる。

ぜひともご一読ください。ほんとにおすすめです。

『アルケミスト 夢を旅した少年』

テーマ:
パウロ コエーリョ, Paulo Coelho, 山川 紘矢, 山川 亜希子
アルケミスト―夢を旅した少年

ごめんなさい、すごい有名な作品らしいのですが、寡聞にして知りませんでした……。解説文によれば、作者はブラジルの人気作家であり、この作品も欧米では『星の王子さま』に並び称されるほどの人気作品なのだそうです。古本屋で見かけて、タイトルにひかれて手に取ったら、ストーリーも良さそうだったので購入。

今回は、文庫裏のあらすじをそのまま紹介させていただきます↓


羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。
長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。
「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」
少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。
欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。


……だそうです。読んだかんじでは、「夢」をテーマとした上質な童話という趣き。舞台はアンダルシアやエジプトなど、現実に存在する場所ですが、物語はファンタジーだと思う。

あらすじにも「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」という文句が書かれていますが、この物語の中では錬金術が実在し、夢をあきらめない者は、「すべてを書いた手」が助けてくれる。前兆を読むことで、さまざまなことを知ることもできる。そういう、魔法めいた要素を含んでいます。

さらにキリストともアラーともつかぬ「すべてを書いた手」すなわち神や、輪廻転生に通じるところも感じられる「大いなる魂」など、独特の世界観がつくられています。

ひどく感動するというのでなく、じんわり心に残る作品でした。これは確かに、『星の王子さま』と似通ったところがあるかもしれない。

『聖闘士星矢』

テーマ:
ぎゃー! せっかくランキング二桁突破記念に星矢を紹介しようと思ったのに、また三桁にもどっとるー! ……私に星矢を語らせないつもりなの!?

……いえいえ。予告どおり星矢の紹介をさせていただきます。
こんなことで私の星矢への愛はくじけません。下の画像は、たぶん愛蔵版の表紙。


車田 正美
聖闘士星矢(1)


『聖闘士星矢』は、ジャンプの黄金時代の一翼を担い、美形キャラの活躍と神話を下敷きとしたストーリーとで、女性にも広く支持されました。超人的な力を持つ聖闘士(セイント)たちが活躍するバトル漫画です。


聖闘士とは、古く神話の時代、戦の女神でありながら、武器を嫌ったアテナを守るために超人的な技を修得し、素手で闘った少年たち。彼らは自分の中の小宇宙(コスモ)を燃やすことで力を発揮し、空をひきさき、大地をわることさえできるのです。そして現在もギリシアの聖域を本拠とし、各地の修行地では聖闘士となるための修行が行われている。

主人公・星矢は、聖闘士を目指す少年のひとり。孤児だったところをグラード財団の城戸光政にひきとられ、聖闘士とするべく苛酷な修行をさせられました。

星矢をはじめ多くの少年たちを聖闘士にしようとしたグラード財団。その目的は、銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)という前代未聞のイベントを開催すること。今まで世間にはその存在を秘されてきた聖闘士たちに、射手座の黄金聖衣(ゴールドクロス)をかけて戦わせ、その戦いを銀河戦争のために建設したグラードコロッセオで公開しようというのです。

銀河戦争の勝者に与えられるという射手座の黄金聖衣。聖闘士たちはそれぞれに守護星座を持ち、聖闘士となったあかつきにはその守護星座の「聖衣」と呼ばれる鎧のようなプロテクターを獲得するのですが、銀河戦争の賞品とされたこの聖衣こそ、全88星座の中でも最強の黄道十二星座のひとつ、射手座の黄金聖衣なのです。

しかし、ある男によって銀河戦争は大混乱に……。そしてこの時から、アテナの聖闘士たちの、正義の戦いの日々が始まったのです……。


愛。勇気。正義。人類の存亡をかけた戦い……! これぞ王道バトル漫画といえましょう……! とにかく熱い! 熱血という言葉なくして星矢は語れまい! この車田先生ならではの熱さを、ファンは車田節と呼びます。元気の出ない時、熱血を補給するにはうってつけです。

さらに、この漫画は小学校低学年くらいの少年たちにぜひおすすめしたいと思います。管理人は、「少年の倫理観の基礎をつくるのはヒーローものである」というのが持論でして、少年たちにはぜひとも一生の思い出になるヒーローものに出会っていただきたい。

星矢で正義の心を植え付け、ファーストガンダムで現実には純粋な正義なんかないことを教える。私は、これぞ少年の情操教育の黄金ルートだと信じて疑いません。

お父様、お母様、ぜひお子さんに星矢とファーストガンダムを!
(万が一、ファーストガンダムにうちのめされてお子さんが自力で復活できそうにない場合、さらに『ジョジョの奇妙な冒険』を読ませてあげると良いかもしれません)
(また、お子様が蟹座の場合、聖闘士星矢を読ませるのには注意が必要です。蟹座の聖闘士であるデスマスクのだめっぷりに、お子さんがショックを受ける可能性があります)

それと、車田先生は毎週毎週、とにかく読者を楽しませようと考えておられたそうで、一回一回に意識を集中するあまり、いろいろとつじつまの合わない部分がありますが、それもまた車田節。男臭さ満載なのも、車田節。……こらー! だれだー、「実はギャグ漫画ですか?」とか言ってる不届き者はー!

単行本にして全28巻ですが、銀河戦争編、白銀聖闘士編、黄金聖闘士編、ポセイドン編、ハーデス編など、いくつかの区切りに分かれております。(区切りは、聖闘士星矢大全に準拠) とりあえず、3巻あたりまで読んでみてください。そこまで読んだら、もうクセになることうけあい……!


それでは皆様ご一緒にー!

燃え上がれ俺の小宇宙よ……!