『硫黄島からの手紙』

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今日の日記は長文なうえに興奮気味で内容が重いです。重いの嫌な人は読まないことをおすすめします。

えーと、昨日、毋と二人で「硫黄島からの手紙」を見てきました。
辛かった……。すごくいい映画だけど辛かった……。

伊原剛志さんが出てるので、もう、すごーく楽しみにしてたんだけどさ。 「かっこいいといいなー」とかわくわくして見に行ったんだけどさ。

かっこよかった。かっこよかったけど、ミーハーして喜んでられる映画では無かった orz すげーかっこよかったけど! っていうかもう、かっこいいな伊原さんは! 辛かったけど!(なんかもうよくわからなくなってきた)

渡辺謙も相変わらず上手かったです。私、あの人が喋るだけでもう泣けてくるんですが……(笑)

あと、二宮くんという嵐の人。見る前は、ジャニーズだなんて知らなかったので、後から嵐の子だと知ってびっくりしました。演技上手いよあの人。


でもホントに辛かった。見た後へこみました。たんたんとして、それだけにかえって怖い映画だった。

戦争ものだけど、戦術とか政治的な要素は抑えられていて、ヒューマンドラマなんだけど、でも観客を泣かせようっていう意図がない。観客を泣かせたければ、もっと撮影方法とか描き方でいくらでも小細工できるんだろうけど。

戦争ものらしく、残酷なシーンもある。でも、他の映画にありがちな、映像美にこだわってやたら血が飛び散ったり、「実は監督楽しんで作ってるだろ……サドめ……」みたいな嗜虐趣味に走った感じはなかった。

戦争が人間に与えたものを、真摯に描こうとした映画だと思った。すごいよ。クリント・イーストウッド。


見ていて、私たちは戦争がどんなものだか知っているんだな、と思った。実際に体験したのとは全然違うけど、それでも、戦争がどんなに酷いものか、映画とか、小説とか、色々な方法で表現されてきて、私たちはそれを知っている。

それは、世界大戦の時に人類は初めて国家総動員の戦争というものを体験して、その恐ろしさに初めて気がついて、やってはいけないことだったと、一生懸命、伝えて来たからだ。

でも、それにも関わらず、実際には人間はまだ戦争をしている。国連を作って、国際法を作って、一見進歩したように見えるけど、実際には戦争のやり方が狡猾になっただけだ。どうすれば自国を危険にさらさずに戦争できるか、っていう。

それって恐ろしいことだと思う。人間は救いようがなく馬鹿だなぁと思った。クリント・イーストウッドみたいな表現者がいるうちにどうにかしないと、いつか戦争映画も本当にただの娯楽になって、人間は戦争がどんなものかさえ忘れて、同じ過ちを犯すんだろう。

日本でも、ベトナム戦争の時には大きな反対運動が起こったのに、イラク戦争の時には知らんぷりだったし。自衛隊まで派遣して。


……と、いうような事を考えて、たいへんへこみました。いろいろね……難しいですよね……。だったら自分に何ができるのかって言われてもわかんないしさ……。

硫黄島二部作ってことで、アメリカサイドから描いた「父親たちの星条旗」っていう作品もあるそうなので、そちらも見たいです。でももう一作スクリーンで見る元気はないので(笑)、DVDになったら借りて見ようと思います。

ほんとは、「父親たちの星条旗」だけ作る予定だったんだけど、調べものをするうちに日本サイドも描かなきゃだめだー、と思って「硫黄島からの手紙」を作ることになったらしいですね。

外国人なのに日本サイドもすごくしっかり描けていて、ほんとにすごいと思いました。クリント・イーストウッド。日本人の私が見てもぜんぜん違和感がない。


へこみますが、とてもいい作品なので、ご興味がおありの方はぜひ見てください。すごいです。
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