産経新聞から一部転載します。
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日本びいきのアイリッシュ 大戦「シンガポール陥落」…首都では日本領事囲み祝賀会
 
日本と3月に外交関係樹立60周年を迎えるアイルランドが第二次大戦中、英連邦下の独立国として中立を守り通し、ひそかに日本を支援していたことはあまり知られていない。日本が1942年2月に開戦70日でマレー半島を攻略、大英帝国の栄華に終止符を打つことになった「シンガポール陥落」の日、首都ダブリンでは駐在の日本領事を囲み盛大な祝賀会が開かれたという。ダブリンに住んで半世紀余りの潮田淑子さん(85)に「日本びいきのアイリッシュ」の思い出などを聞いた。(ダブリン 岡部伸)

 

 ■仇敵を破って喝采

 「マリンズ氏は、自分たちが倒せなかった敵をやっつけて降伏させた日本を味方と思い、喝采をあげて喜んだそうです」

 ダブリンの日本大使館で64年に催された天皇誕生日のレセプションに、ダブリン大名誉教授で夫の哲さんと出席した潮田さんは、同席したアイルランド元上院議長、トム・マリンズ氏から聞いた話を目を細めて振り返った。

 マリンズ氏はアイルランドの独立戦争から内戦に至る20年代、「アイルランド共和軍」(IRA)を率いた元リーダー。アイルランド弾圧を指揮し「最も凶暴な反アイルランド主義者」と忌み嫌われ、懸賞金まで掛けられた英陸軍指導者アーサー・パーシバル・エセックス連隊第1大隊中隊長(当時)の暗殺を何度も試みたことでも知られる。

そのパーシバル氏は約20年後の42年2月、連合軍の司令官として「難攻不落」といわれたシンガポール要塞に立て籠もり、捕虜13万人を出して日本軍に「大英帝国史上最悪の敗北」を喫した人物でもある。「イエスかノーか」と迫る「マレーの虎」山下奉文中将に降伏する写真は世界中の注目を浴びた。

 アイルランドを徹底して弾圧し、苦しめた英国の降伏-。潮田さんは「マリンズ氏はダブリン中の米を買い集め、ダブリン駐在の別府節弥領事と市橋和雄副領事を囲み、日本食で盛大にお祝いをしたそうです」と語った。アイルランド人は一貫して、英国の敵を応援したため、「『敵の敵は味方』で日本びいきだったのです」とも語った。

(ここまで)

http://www.sankei.com/world/news/170205/wor1702050038-n2.html

 

記事中のアーサー・パーシバルという軍人ですが、

 

昨年ヒストリー・トリップで訪れたマイケル・コリンズ(アイルランド独立戦争の英雄で、自由国設立の立役者)の生家を焼き払うよう命令した人物です。

▲マイケル・コリンズの胸像と生家跡

 

“焼き払うよう命令”されたのは地元住民たちで、後日「マイケル・コリンズは支持されるどころか恨まれている」と新聞に書かせたそうです。プロパガンダですね。汗

 

大英帝国戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスを、極東の島国の海軍によって撃沈されたというニュースに、アイリッシュは歓喜したそうです。

そしてシンガポール陥落、戦いを指揮していたアーサー・パーシバルが捕虜となったことに溜飲をさげたアイリッシュも多かったと思います。

なお、大東亜戦争後、日本は戦勝国や戦場となったアジアの国々、さらに宣戦布告はしたけど交戦しなかった国、はたまた永世中立国スイス、戦争当時日本の一部だった韓国・台湾にも賠償金や補償金を払いましたが、アイルランドは請求しておらず、日本はそれに対して謝意を述べたようです。

アイルランドは1990年代に入るまで、西欧の最貧国の一つだったので、色々理由見つけて補償金請求できたと思いますが、日本への恩義、仁義を貫いたのかもしれませんね。それと敗戦してボロボロだったから同情してくれたのでしょう。苦笑い

 

 

記事にあるように今年3月に日本とアイルランドは外交関係樹立60周年を迎えます。

極東の国日本と、ヨーロッパの最西の国アイルランド。遠すぎてお互い意識するのは難しいですが、「70余年前にこんな事があったんだ。きらきら」と記憶に留めていただければ幸いです。

 

 

 


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