「させていただきます」対策委員会書記から「言い換え」のご案内 | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。


$ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう-ほどよい敬語の使い方 目次

『させていただきます』対策委員会」 書記のmeg@ほどよい敬語です。

本来「許可を得て使う」ものである「させていただきます」が、普通の丁寧語のように多用されています。

「今度CDを発表させていただきます
「来月セミナーを開催させていただきます
「○月○日まで休業させていただきます

この言い方で不自然に思わない人も、さすがに
「●●さんのセミナーで講師を務めさせていただきます××からごあいさつさせていただきますという言い方には、すこし違和感を覚えることでしょう。

一体私たちはなぜこうも、『させていただきます』を使ってしまうのでしょう。
本来なら「許可を得て使われる」はずの言葉が「許可の必要が無い」場面でも濫用される背景。おそらくそれは一言でいうなら「謙虚さを示したい」「生意気だと思われたくない」「嫌われたくない」人が増えているからだと思います。現代人は必要以上に、相手との距離を計りすぎている……そんな心理的要因があると思えてなりません。

そして、批判をおそれて必要以上に謙虚にふるまったばかりに、結果として相手から慇懃無礼だと思われてしまうケースもないとはいえません。

とはいえ、頭では理解していてもなかなか駆逐できないのが『させていただきます』という言葉の便利さでもありますね。。「『させていただきます』対策委員会」 書記の私も、油断すると、話し言葉ではついつい使ってしまうことがあります。

そこで、こう言い聞かせることにしています。「させていただきます」に固執するのではなく
『いたします』は立派な敬語(謙譲語)と。

「いたします」を分解すると「いたし+ます」です。「いたし」の原型は「いたす」です。

最新の『広辞苑』にはこう書かれています。
----------------------------------------
【いたす】「する」の謙譲語。
----------------------------------------

つまり「いたします」自体がすでに謙譲語なのです。

謙譲語である「いたします」を堂々と使いましょう。

「今度CDを発表いたします
「来月セミナーを開催いたします
「○月○日まで休業いたします

また、「務めさせていただきます」を「いたします」にすると「お務めいたします」となるわけですが、重複してしつこい感じがします。
ここではあっさりと次のように言い換えてはいかがでしょう。

「●●さんのセミナーで講師を務めます××からごあいさついたします

あるいは後半を言い換えて

「●●さんのセミナーで講師をいたします××からごあいさつ申しあげます。

でもいいでしょう。


【結論】----------------------------------------
ついつい「させていただきます」と言いそうなときには、まず
「『いたします』」は立派な敬語(謙譲語)」とつぶやきましょう。そして、「~いたします」で言い換えてみましょう。

*もちろん「許可を得てその行為を行う」意味の場合には「させていただきます」を使うとよいのです。