「明日から中国へ参ります」という場合、行為が向う先は相手ではありませんが、「行く」の代わりに「参る」を使うことで相手に対して改まった丁重な印象を与えます。従来は3種類の分類で「謙譲語」と呼ばれてきましたが、本来の謙譲語Iと区別し、5種類の分類では謙譲語 II(丁重語)と分類されるようになりました。
【謙譲語 II(丁重語を使う場合】
自分の行為を、話や文章の相手に対して改まった言い方で表現する。
【 例 】
●自分の行為についての謙譲語 II
参る、申す、いたす、おる
●第三者についての謙譲語 II
(園児達があちらから)参りました
●ものごとについての謙譲語 II
(バスが)参りました
●状態についての謙譲語 II
(日が暮れて)参りました、(花が咲いて)おりました
●ものごとについての謙譲語 II
拙著、小社
*謙譲語 Iの場合は、「ます」を伴わずに表現できます。
例:「明日、(得意先の)N社へうかがうよ」と、同僚に対して話すことができます。
しかし、謙譲語 IIの場合は「ます」を伴います。
例:◯(バスが)参りました → ×「(バスが)参るよ」
つまり謙譲語 Iは、自分の行為が向う先に対しての敬語、謙譲語 II は相手に対する敬語であると言えます。
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