ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。


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「お気軽にお申し付けください」

お店からお客様に対して言う言葉です。

「お~ください」の用法は、正しい敬語表現です。
この場合気になるのは「申し付け」でしょう。

「『申す』はもともと謙譲語なので、相手の行為に付けることは、相手を見下すことになりはしないか?」
そんな疑問を持つ方は多いと思います。

同様のものに、以下のものがあります。
・申し付け  (お申し付けください)
・申し越し  (お申し越しの件)
・申し込み  (お申し込みください)

「お」を取って、動作主の立場で考えてみます。

・申し付ける
・申し越す
・申し込む


いすれもへりくだった意味はなく、目上から目下に対して、あるいは対等の立場で使う言葉です。

この場合には「申す」の謙譲の意味はほぼ失われており、改まった気持を表現する丁重語に変化しています。
「申し」の後に動詞を続けたものに「お」を付けることで、1セットの敬語表現としての性格を持たせるようになったものと考えられます。

「申し渡す」なども、目上から目下に対して使われています。
「申す」にはこのように敬語としての意味合いが弱まって使われている場合があり必ずしも間違いではありません。

そうは言っても「申す=謙譲では」疑問に感じる方の率は多いものと思われます。
例えば、中には「お申し出」のように、「申し出る」と動作主から考えるとへりくだった意味がとれていないものもあるわけです。
「お」を取ってみて、自分の動作として一度吟味してみる必要があります。

敬語として間違いとは言えませんが、もしもお客様に誤解を与えたくない場合には、

お申し付けください→ おっしゃってください
お申し越しの件→ ご指摘の件、ご教示いただいた件


など言い換えを考えるのもいいでしょう。
接客上の機転という意味においてのことです。
それでも「お申し込み」のようにすっかり定着しているものはそのままでよいでしょう。

─────────ポイント

☆「お申し付けください」「お申し越しの件」などは
「申し」の謙譲の性格が失われたものに「お」をつけて
目下から目上に対し使うようになったもの。
間違いとは言えません。
「お」を取ってみて、言葉によりひとつずつ吟味して使うのがいいでしょう。
それでも気になる場合は言い換えを考えるのも方法です。



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