手紙を差し上げます | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

以前の記事で「お声をおかけいたします」は「声をおかけいたします」が正しいと書きました。

するとこんな疑問がわいてくると思います。

「お電話を差し上げます」「お手紙を差し上げます」も、相手からの手紙や電話の場合には「お電話」「お手紙」で、自分からの手紙や電話の場合には「電話」「手紙」が正しい言い方なのですか?……と。

手紙と電話の場合には、どちらも「お」を付けるのが通例です。

1 相手から自分へ「お電話(お手紙)をいただく
2 自分から相手へ「お電話(お手紙)を差し上げる

細かく見ていくと、電話も手紙も「いただく」「差し上げる」と謙譲の表現です。
1の場合、電話をかけるのは相手ですが、それをいただく主体は自分です。
また2の場合、電話をかける主体は自分です。

しかし、「声をかける」場合には

1 相手から自分へ「お声をおかけになる
2 自分から相手へ「声をおかけいたします

となります。1の場合は「かける」の尊敬表現で、2の場合は謙譲の表現です。
1の行動の主体はあくまで、相手です。

「声をかける」についての敬語表現が、電話や手紙と違うのは、その点です。


──────ポイント

☆電話や手紙は、相手からでも自分からでも「お電話」「お手紙」で問題ありません。
「ご連絡」も、いただく場合、差し上げる場合があり、同様です。