貴重なご意見を本当にありがとうございます | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

クレームに対してお礼を言う。
簡単なようでなかなかできないことです。
現実的には、謝罪するいっぽうという事態が多いからです。

例えば、お客様がお買い上げになり

●商品が汚れていた
●電池を入れたけど作動しなかった。

そんな事態があれば、お客様は当然の権利として返品に来られるでしょう。

慣れていないと、クレーム対応はやはりうろたえてしまいますよね。

けれど、これは覚えておく必要があります。
クレームを言うお客様もとても勇気がいる、ということです。

「この値段ならこんなものかしら」
「クレーマーと勘違いされないかしら」

意を決して、お客様も足を運ぶわけです。

となれば、返品や交換に来られたお客様の向こう側には
「当たり前の権利を放棄した気弱なお客様」が
その10倍、100倍はいると考えて対応するべき
でしょう。

1.まずはお詫びです。心をこめて形式的でないお詫びの言葉を。

「大変申し訳ございません」
「お詫びの申し上げようもございません」
「大変ご迷惑をおかけいたしました」


2.共感も大切です。

お客様の不便や不満を、もし自分ならと捉える想像力が要求されます。

以前、コタツを通販で買って、ファンは回れど
温風は全く出ず、暖まらないことがあり、交換のための電話をしました。
すると担当の方はこう言われました。

「お客様は京都にお住まいでいらっしゃいますね。
ああ…今時分、京都はとても冷え込んでお辛いですよね。
それなのに、本当に申し訳ございません」

こう言われると、少しは怒りもおさまろうというものです。

3.最後に、大事なのは感謝の気持です

クレームがあると、一も二もなく謝罪をと慌てて「大変申し訳ございません」を連発するケースがあります。
お客様は何か自分がクレーマー扱いされているようにも思えて「もういいよ、もういいよ」と言ってしまいます。
お客様も勇気を振り絞って窓口に来られたのですから、ご足労をかけてしまったこと、わざわざ教えていただいたことなどに対して感謝するようにしましょう。

「貴重なご意見を本当にありがとうございます」
「貴重なご指摘をいただいて、誠にありがとうございます」
「教えていただきまして、ありがたく存じます」


4.最後の最後に、約束です。

ん、何か足りませんね。
最後はやはり「今後一層気を付けます」ということでしょう。

お客様への感謝を述べた後、
「お気持に背かないよう、精一杯努力して今後このようなことがないようにいたします」

「二度とこうしたことがないように、精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします」


わざわざ返品や交換に来られるのは、会社やお店への「不満」と同時に「期待」もあるからなのです。
「もっと良くなってほしい」「改善してもっとがんばってほしい」という期待に応えていくことが、企業やお店の使命だと思います。

──────ポイント
☆お客様からの苦情には
●謝罪 ●共感 ●感謝 ●約束 の4つで対応。