欧米・中国他、大半の諸外国には、個人の所有者が決まっている器は無いのです。
(日本の他には朝鮮半島。日本の理由とは違い、儒教の影響。)
日本では、「和碗」「汁椀」「箸」「湯呑」は各自、持ち主が居ます。
世界的に見ると、とても珍しい事です。
【なぜ、持ち主が居る器が有るの?】
①箱膳の存在
箱膳には箸・和碗・汁碗・小皿が入っていて、箱も含めて全てが個人の物。
食事の時は蓋を開けて裏返しにして、その上に食器を出して並べて使います。
箱膳の管理方法は、一回の食事ごとに食器を洗うことはせず、食事が終わったあと碗に番茶か白湯を注ぎ、器面についた食べかすを箸を使って落とし、それを一緒に飲むか、食後に布で食器を拭くだけでした。(当時、不衛生という感覚はありませんでした。湧水や流水を汲んで運ばなくてはならなかった家では、洗い水を倹約する必要があったのです。)
②「ケガレ」の意識
汚れは勿論、他人が使用した物に対する「ケガレ」を感じる人種。
③日本人特有の未完成に美を感じる美意識
欧米の完成美のみに美を感じる感性に対し、歪みや色彩の染み方、使い込んで行くうちに変化する色、更には金継の様に手をかけて修繕した物に美しさや美を感じる、繊細な感性を持った日本人。
1つ1つ、違う表情の和碗や湯呑が珍重され愛されてきたのでしょう。
④食事の作法
食器を持ち上げて、細いお箸だけで食事をするので、手の大きさや食べる量などの違いから、使い易い物がそれぞれ違う為、各道具をカスタマイズの必要が有るのだ思います。
※奈良時代には既に、自分の和碗の深さや大きさを指定したオーダーの文書があるそうです。
「さあ!世界に1つのOnly和碗で、美味しい新米をいただきましよう~♪」