選挙たけなわですが、悲しいことに「地球温暖化(温室効果ガス削減)問題」が殆ど争点にあがっていません。

国民全体に、もっと言えば世界に対して影響がある問題であるにも関わらず。


一応、各党のマニュフェストには書かれています。


自民党は、2020年の中期目標で、2005年度比15%削減(1990年度比で行くと、僅か8%削減)を掲げています。経団連に大いに配慮した目標のような気がします。


一方、民主党は同じく中期目標で1990年度比25%削減です。自民党に比べたら遥かに野心的な目標ですが、2050年の目標は60%削減とトーンダウンです。
(IPCCは、2050年半減のためには、先進国(G8)全体で80%削減が必要といっています。)


そして、いずれも2020年であり、2050年の社会がどうなっており、そこで暮らす人々であり、企業はどのような価値基準に基づいて活動し、その総和としての日本は世界の中でどのような役割を果たし、評価を得ているのかまでは、全く持って描かれていません。


こんな状況に業を煮やしたのか、先だって環境省が『2050年80%削減を実現する2つのビジョン』なるものを発表していました。


【ビジョンA】として、【経済発展・技術志向】の世の中を想定したもの(GDP成長率2%、人口9,500万人)を、【ビジョンB】として、【地域重視・自然志向】の世の中を想定したもの(GDP成長率1%、人口1億人)をあげて、そのためには、


発電に占めるCCS(CO2貯留)の割合、

原子力発電の量、

太陽光発電、

風力・中小水力・地熱発電の割合、

鉄鋼生産の方法、

乗用車構成、

輸送機関(鉄道、船舶、航空)のエネルギー効率、

暖房需要に占めるヒートポンプの割合、

電気ヒートポンプの効率


等がどうであれば達成可能かを、数字上明確には示していました。


しかし、全ての項目で掲げる目標が達成された社会を想像すると、どうも今の生活スタイルであり社会システムをそのまま維持した社会の延長線上には、それは見当たらない気がしました。


確かに、こうした“バック・キャスティング”の考え方は極めて大事ですが、もっと大事なことは、2050年の日本のあるべき姿を国民総出で議論することではないでしょうか!


2つのビジョンを併記して、達成のための戦術を明記するだけのプランナーでは、世界はもはや日本を許してはくれなくなってきつつあることを政治家も国民も真に理解し、目指すべきビジョンがAなのかBなのか、はたまたCなのかを真剣に議論し、もはや結論を出さなくてはならないところに来ていると【Mr.環境経営】は思います。


今回の選挙では、目先の政治課題に囚われ、国民に対して安易な迎合をするのではなく、日本のあるべき姿を争点にして欲しかったと思っているのは、【Mr.環境経営】だけでしょうか?!


大勝が予測される民主党も、「2020年、温室効果ガス25%削減」のみを掲げるのではなく、高速道路を無料化すれば温室効果ガスの排出量そのものは間違いなく増加するのですから、単に一律無料ではなく、「電気自動車は無料、ハイブリッドは一律1,000円、その他は燃費に応じて何割引」とかを考えて、環境省の試算である【ビジョンA】の2050年100%電気自動車、【ビジョンB】の同じく電気自動車50%、ハイブリッド50%を、20年早く2030年に達成するための税制面の改革、電力会社のあり方の検討等々を本格的にして欲しいなと強く思いました。


“ビジョンなきところに戦略なし”は、国家においてこそ言えることではないでしょうか!


今回は、あまり熱くならないところで・・・・。



CO2削減ドットコム


【Mr.環境経営】

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