今日はブーガと時間のほとりで余儀なくお散歩。
「今日は何だなぁ。なにもかもがチグハグで足労もいいとこだ。」
ブーガが独り言ちた。
「まったく、はたしてこの無駄な時間は自分が造り出してしまっているのか、それともそれが私の元々の運命なのかなんて考えてしまうほどだね。」
二人で自分達の人生について思い巡らしていると、いつの間にかだんだん頭の中が飽和状態化してきて、またいつもの居心地の悪い場所で心が落ち着いてしまった。
その内、ロサンゼルスの夜を独りで運転しながらThe Bandの『I Shall Be Released』を聴いてると、少しだけ目蓋が熱くなったんだけど、まだ全然そんな域に達していない自分に気付いて、なんとなく我に返った。
そして、退化していく脳味噌を搾り出すと一体何ができるのかについて真剣に考えていたら、眠りかけのブーガがこともなげに答えた。
「ピノキオだよ。」