連載小説「マッキーS湖ナチュラルズの男たち」その242(サプライズ復縁へその2)
テーマ:マッキー連続小説 今日は天気がいいですね。![]()
次回更新は週半ばの予定です。
扉の向こうが人生を決めてしまう場所になろうとは、ひょうまは夢にも思っていない。
とにかく変だなということだけはわかっているも、パレードのあとのサプライズパーティ、チームがらみのイベント以外考えられないでいる。
(なぜ俺だけが一人でここにいるんだろうか)
首脳陣がタキシードを着ているのなら、首脳陣全員がここで待機して、開けたら選手スタッフにお祝いしてもらうというパターンが自然なのではないか。
合図があったらしい、従業員が扉をさっと開けた。
まずライトのまぶしさにひょうまは目を細める。
赤いカーペットが敷かれ、その両脇に丸テーブルが並べられてあって、スタッフ選手らはその場に立ち上がってひょうまに向かって一礼。
つられてひょうまも頭をさげる。
「私が誘導しますのでご心配なく」
従業員にささやかれ、ひょうまはちょっと不安になった。
(何が起ころうとしているのか・・・)
「では、これから、サプライズパーティを開始したいと思います」
司会はチームの宴会部長と呼ばれる投手北島。
「では最初に鼻形監督から簡単にご挨拶を。監督、あとでもう一度挨拶があるので超短めにお願いしまーす」
おどけた口調で周囲から笑いが漏れる。
「はい。そうですね。今日は二重におめでたい日になるわけで、ここではわがマッキーS湖ナチュラルズが発足わずかで日本一にのしあがったことに改めて選手諸君、すたっふーのみなさんに、はい、ここ笑いどころね、感謝しつつ、また来季も日本一を取れるよう頑張りましょう。はい、北島くん。これでいいかな?」
ここでも笑いをとり、鼻形は満足そうにマイクから退いた。
(・・・・鼻形さん、タキシードじゃない!)
普通のスーツ姿だった・・・石川の言うことはうそだった・・・。
(二重のおめでたい日・・・って、あとは何がおめでたいんだ!?)
ライトのまぶしさに慣れたひょうまはすばやくみんなの格好をチェック、果たして、ひょうま以外は全員普通のスーツ姿であった。
(俺だけがタキシード・・・おめでたい日・・・って俺に関係あること?)
一瞬、誕生パーティでもやってくれるのかと、だが、ひょうまの誕生日は今日でも今月でもない。
「はい、では日本一のコメントはここまででーす。パレードはまだあるし、日本一のお祝いはまだ続きますが、今日はこれから、わが投手陣の面倒を見てくれました、星コーチと・・・」
ひょうまの目が思い切り見開かれた。
北島の言葉に合わせ、ウエディングドレスに身を包んだけーこが立ち上がり、レッドカーペット延長上に歩を進めるではないか!
(・・・これは・・・!)
何が起ころうとしているのか、はっきりわかったと同時に、けーこがくるりとひょうまの方を向いた。
おそらく、今、2人は対極的な表情をしているだろう。
とびきりの笑顔を見せるけーこと、とびきり困惑の色を強めるひょうま。
けーこは、ひょうまの顔を見てとびきりの笑顔が凍りつきそうになった。
(・・・でも、だからこそ、サプライズ復縁が必要だったのよ・・・)
つい、最近までは、ひょうまの気持ちを全く疑ってもいなかった。
今年の初め、ひょうまの気持ちを確認し、以後、半がデブ専と再婚してからは非公式ながらも、自由にひょうまと会ってきたが、ひょうまは結婚していたときよりもさらに、けーこを愛してくれてるように感じていた。
メールも毎日何回となく交換し、ひょうまが東京遠征のときは、ずっとけーこのマンションに滞在、試合に勝っても負けても、滞在中のひょうまは優しかった・・・いつのころからか・・・けーこに牧が言い寄ってきたときからなのか・・・美波復活パーティの前あたりから様子がおかしかったと思う。
つづく






