またご無沙汰してしまいましたが連載小説更新しました。

よろしくお願いします。

わが巨人軍・・・交流戦を前に借金生活になってしまいました。

村田を使ってほしいなあ。

交流戦ではなんとか巻き返してほしいものです。


 城戸に真実を告げるとしたら、その場所は、2人の思い出の場所しかない。
「BAR霧笛!」
 2人の声が寸分たがわず一致した。
 すべては横浜、潮の香りが漂う霧笛から始まっている。
「あのとき、俺がちゃんと野球へのけじめをつけて“今”を見ていれば、きゅう子さんへの気持ちに気付けたかもしれん、気づけていればこんなことには・・・」
「いいえ、私が勝手にしたんですもの・・・あなたの気持ちは亡きみーなさんと野球にとりつかれていたのに、なのに勝手に・・・」
 2人の眼から涙が流れ落ちる。
「本来あるべき状態にするにはあまりに年月がかかりすぎたが・・・」
「本当にいいのね?ひょうまさん。もしかしたらあなた、野球を失うかもしれないわよ」
「フッ・・・そうなるだろう。万が一にも城戸先生がこの事実を胸にしまってくれると言わん限りは。だが、野球を失う覚悟は考えてみたら、1回している。君に真実を告げられたあのとき・・・この真実を告げられなかったら、俺は君を三門さんから奪うつもりだったのだから」
 また2人はきつく抱き合った。
「きゅう子さんだって・・・今の地位を失いかねないぜ。君の信頼度はがたおちになるんじゃないのか?」
「もういいの、あなたが野球を捨てる覚悟があるのなら私だって・・・。それに、私のことをわかってくれる人だってゼロでなければ、細々とでもカウンセリングは続けていけると思う・・・」
「そうか。じゃ、しばらくは君に面倒見てもらえるかな。俺、野球バカだからな、ほかのことは何もできん、ああ、また日雇い労働やってもいいか。あれだけは経験があるからな、ははは」
「そうよ、ひょうまさん。三十余年前のあのときだって、私に頼ってくれれば、こんなことには・・・」
「だよな。頼るのも遅すぎッてわけだ。でも、一生やり直さないよりはましだろう」
 
 BAR霧笛は横浜にあり、城戸涼介は信州在住なのだから、どうやって誘うかも考えなければならなかった。
「呼び出すまでは心苦しいがうそをつくしかないな」
「いついうの?」
 今はキャンプ中だしさすがに身動きとれない。
 オープン戦になれば東京での試合も行われるのでそのときか。
「幸い、城戸先生は有坂咲さんと会うために休みの日は上京して会っているらしいから、そのタイミングがあえば」
「そうね・・・そうか、有坂咲さんのお父さんのカウンセリングもうまくいったので、そのお話しでもしたいといえば、さほど不自然でもなく涼介を呼び出せるわね」      
 やはり、城戸に真実を話すときは、もう「城戸先生」と呼ぶことはまずいのだろうなという思いがひょうまの頭をかすめた。 
 
 帰りも当然2人は別々に行動。
 城戸に真実を告げるまでは、絶対2人のことはばれてはまずい。
 おきゅうが先にでて、ひょうまはホテルよりはるか手前でおろしてもらうと、「ほんとに」一人でぶらぶらし始めめた。
 気持ちはまだ高ぶっている。
 こんなままあきこと会ってへんなぼろがでたらひとたまりもない。
 おきゅうは大丈夫だろうか。
 案外、女のほうが肝が据わっているから心配無用か。
 ひょうまは深呼吸を繰り返しながら、平静を取り戻そうと、あてもなく歩き回り、空腹を覚えると、まともな感覚が戻ってきたかなと安心し、眼についた沖縄そば屋に入る。
 そういえば、おきゅうと朝会ってから今まで何も食べていないことに気付いた。
 あっという間だった、おきゅうといると、ほんとに時間が早くたつ。
(だが、次に会うときは、城戸先生に真実を告げるとき・・・)
 そのあと、ひょうま、おきゅう、城戸はどうなってしまうのだろうか。
 つづく


 

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久々に連載小説更新しました。

よろしくお願いします。

巨人もなんとかやっています。

FA選手はどうしたんかい、そして村田をぜひもっと使ってほしいです。

みなさんもよいGWをお過ごしください。

 


 ひょうまとおきゅうが城戸の話をしなきゃいけないのに欲望を抑えきれず解消しているころ・・・。

 三門はホテルの展望ラウンジでひょうまの姉あきこと向かい合っていた。
 本来なら向かい合う相手が違うお互いに。
 おきゅうと向かい合っていたなら、ホテルから見える那覇の景色も光り輝いていただろうが、今は景色も目に入らない。
「星君はどげんしたとですか?」
「・・・今日は一緒にいられる最後の休日だから、どこかへ出かけようかと楽しみにしていたのに、さっさと出かけてしまいましたわ・・・」
 肩を落とすあきこ。
「どこへ!誰かと出かけるとかいいましたっでしょうか!?」
 知らずのうちに詰問している三門。
「・・いいえ、何にも言わず、私にもいい大人なんだからひとりで過ごせよって・・・昔はもっと優しい子だったのに・・・」
 涙ぐみさえするあきこにさすがに三門は引きかけたが、そんなことよりも、今の関心は、ひょうまがどこへいったのかということ。
(まさか・・・)
 ひょうまとおきゅうが脳内で重なろうとしているのを必死で引きはがそうとしている。
「誰かと一緒に行ったとかいいませんでしたっでしょうか?」
 再度質問、いや、警察の取り調べかというような口調。
「・・・ひとりだと思いますわ・・・。確か、誰とも会いたくない、ひとりでぶらぶらしたいんだって・・・そんなに私と一緒にいるのが嫌なのかしら・・・これが最後なのに・・・」
 今生の別れじゃあるまいし。
 ひょうまもこれじゃ大変だ・・・と、人のいい三門はちらっとひょうまに同情する。
 なら、本当にひとりでぶらぶらしているのだろうか?
 おきゅうは世話になった人と会っている。
 誰か名前を聴けばよかった。
(なんかそこまでするのはわしがみじめに思えてできんかった・・・)
そんなちっぽけなプライドなんかかなぐり捨てればよかったがもう遅い。
もし、ひょうまとおきゅうが今日会っているのなら・・・。
(いや・・・最悪会ったって、星君にはなにもできんはずたい・・・)
おきゅうにしたってそうだ。
城戸涼介が横たわっている限り、2人はどうにもなれないはずなのだ。
(わしはすべてを許す覚悟はできているし、もう許しているたい・・・)
とはいえ、このままじゃ何か心もとない気がしてきた。

ひょうまは、おきゅうと思い切り抱き合った。
会ったとたんから、時間を忘れて。
何回求めただろうか・・・。
さすがにもう疲労困憊し、時刻を見るともう昼をとっくに回っていた。
「・・・こんな場面でいうのもなんだが、はあはあ・・・本題はこっちのほうだから・・・はあ・・」
息を整えながらひょうまが切り出す。
「もう、城戸・・・今までの呼び方で言わせてくれ、城戸先生にはちゃんと話すべきだろうと思うのだ」
「そうね・・・もし、いつかどこかからこのことが涼介にわかったとき、間違いなく私は後悔すると思うし」
「俺も・・・。タイミングとしては、2人の結婚前がやはりいいと思うのだ。」
 おきゅうも深くうなずいてくれた。
「場所はやはり・・・」
 おきゅうははっとして目を見開いた。
 つづく 


 

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久々に連載小説更新できました(汗)

よろしくお願いします。

わが巨人調子いいですねー♪

1敗しかしてません。

昨日もマイコラスで勝ったし、その前は内海も勝てたし。

今日は阪神戦途中雨で中止になりました。

残念ですがしょうがないですね。

このまままた連勝していってほしいです。

 


知り合いの宿の場所は聞いていたし、直接行くのではなくその近くで宿の人間と待ち合わせをすることに。
「そうすればもしマスコミに見られてもひょうまさんは男性と会ったということになるでしょう?」
なるほど。
おきゅうも念には念を入れてくれているわけだ。

おきゅうの手筈通り、ひょうまは宿の主人の男と会うふりをして男の運転する車に乗って宿へ。
「うちは見てのとおり、見た目は普通の一軒家なんですよ。でも、中はちゃんと宿として機能してますからね」
これならほんとに男の家に入っていくようにしか見えない。
「きゅう子さんはもう到着してますよ」
「そうですか」
途端心臓がどきどき波打ってきて、男にはばれてないとわかっていても、ひょうまは咳ばらいをしてごまかす。
真剣な話をするにしても、おきゅうと一日2人きりでいられる。
「こちらのお部屋です、私はここまでで失礼します」
ひょうまは礼を言うと、部屋へ入った。
「ひょうまさん!」
かけよってくるおきゅうをひょうまはためらいなく抱きしめていた。
「会いたかった・・・」
「俺も・・・」
だが、今日は城戸涼介の話をしなければならない。
ならないのだけど、ひょうまはおきゅうとキスをし、胸に手がいく・・・。

そのころ、ホテルでは、一人ぼっちにされた三門が展望ラウンジで呆然と座っていた。
一次キャンプ最後の休み。
休みが終わり二次キャンプになったらおきゅうは帰ってしまう。
だから、一緒にいたかった。
なのに、沖縄時代の世話になった人と会うのだと出かけられてしまったのだ。
「私はもうすぐ東京に帰らなきゃいけないし、なかなか沖縄にも来れないから昔お世話になった人に挨拶しておきたいのよ」
「そげんこつ、今日じゃなくても今までもできたじゃなかか」
「だって、まだ私も一緒にいなきゃいけないと思ってたから、いる間でいいかなって・・・」
一緒にいなきゃいけない・・・三門と一緒にいることは義務なのか?
「約束は忘れんでくんしゃい、離れたら毎日メールしてくんしゃい」
「もちろんわかってるわよ。愛してるって書けばいいんでしょ?」
義務で書いてくれるのかと、暗い溜息をつく三門。
でも、義務でも毎日書けば、少しは歯止めにつながるのかもしれない。
歯止め・・・なんの?
ひょうまの顔がちらついている。
(大丈夫たい・・・)
いくらひょうまがけーこと離婚したって、おきゅうとどうにかなることはできないはず。
おきゅうには誰の子かわからないが城戸涼介という子供がいるのだから。
その一点だけで気持ちを保っている三門。

そんな三門の視界にあきこが入ってきた。
「あ・・・あきこさん」
「三門さん・・・おひとり?」
「あきこさんも・・・?星君は?」
あきこは泣きそうな顔になり、首を横に振った。
途端、ぼんやりしていた三門の眼がしっかりとあきこを見る。
つづく

 

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巨人3連勝!!

テーマ:

みなさん

ご無沙汰しています。

連載小説がなかなか更新できずにすみません。

前回更新したときはまだキャンプ中でしたが気が付けばもう開幕3試合終了(汗)

そしてわが巨人軍は中日相手に3連勝!

オープン戦はぶっちぎりの最下位だったのでどうなることかと・・・は思ってませんでした。

オープン戦はあくまで調整練習の場。そう言い聞かせていました(笑)

それに運のいいことに今年はWBCで世の中もそして私自身も盛り上がっており、オープン戦はほとんど注視していませんでした。

 

開幕してふたをあけたら巨人打ちます打ちます。

特に2、3試合目は逆転勝ちですからね。

昨日の阿部のサヨナラ逆転ホームランはしびれました!

サイコーデス!(笑)

 

次は横浜。

いよいよ菅野登場です。

WBCメンバー筒香との勝負も楽しみです。

 

 

 

 

 

またj久々に連載更新しました。

頻度が落ちていてすみません。

そんなことをしているうちに巨人キャンプも終盤に。

侍ジャパンも始動始めましたね。

WBC優勝、巨人も優勝してほしいものです。

よろしくお願いします。


おきゅうと話せそうなタイミングは一度きり。
(一次キャンプ最後の休日・・・)
どうやっておきゅうと会うか。
おきゅう自身はもちろん会ってくれるだろうが、そのためには三門や周囲を撒かなければならない。
もちろん、あきこも。

会う場所も大事になってくる。
一瞬かつておきゅうがともに働いていた桜木のバーを思い浮かべたが、おきゅうを今でも愛している桜木に2人の姿を見せるのは忍びない。
しかも、沖縄は記者たちもうろうろしていて、店などで会うなんかもってのほか。
(会うことはかなわないのか)
電話か。電話でこんな大事な話をしなければならないのか。
ホテルは球団が貸し切っていて一般客はいない。
かえってホテルの中のほうがごまかしやすいかもしれない。
どうしてもその先が考え付かず、もういいやと、おきゅうにメールをする。
メール自体久々で、きゅう子さんと文字を打っただけで指先は震え、肉体も興奮してしまった。
メールして5分もたたないうちにおきゅうから返事が来た。
「会いたいです。場所は大丈夫、オキナワ時代の知り合いがいる宿があります。記者たちは絶対知らない穴場です。
私は何とかして出てきますのでひょうまさんもあきこさんを何とかしてきてください」
宿・・・ひょうまはまたも心臓がどきどきして唾を何回も飲み込んだ。
(そうか、きゅう子さんはオキナワでも慕われていたんだ・・・)
ひょうまの子供、つまり城戸涼介を妊娠しなければ、オキナワに骨をうずめる覚悟だったのだろうから。
あとはあきこか・・・。
最後の休日とあれば、あきこは絶対ひょうまにまつわりついてくる。

最後の休日の朝。
ひょうまは早朝から目が覚めてしまい、もうしたくでもするかと起き上がった。
「ひょうま」
なんと、あきこも目をぱちりとあけている。
「ねえさん・・・起きてたの?」
「今日がひょうまといられる最後のお休みでしょう?そう思ったら眠れなくて」
だろうな・・・ひょうまは舌打ちしたくなる。
「ねえさん、悪いんだが俺は出かけてくる」
「ええっなんで!?」
「いいじゃないかどこへいったって」
ひょうまはいろいろ考えたあげく、小細工はもう無理だとあきらめたのだ。
「姉さんとは今生の別れなわけじゃないだろう、俺は出かけるんだ」
「誰かと会うのね!?」
「いや、誰とも会いたくない、ひとりでぶらぶらしたい、俺だって毎日野球漬けで少しリフレッシュしたいんだ」
パジャマを脱ぎ始める。
「変わったわね・・・昔は野球のことしか頭になかったのにね」
「今更何を・・・」
ひょうまはジャケットを羽織った。
「ひとりなのにおしゃれするのね、外は暑いでしょうに」
「一応顔が知られている、変な恰好はできんだろう」
「私は何してればいいの?ひとりでどう過ごせばいいの!?」
「いい大人なんだから、一日くらいなんとかして過ごせよ」
雑に言い放つと、ひょうまは部屋を飛び出した。
つづく

 

連載小説更新しました。
なかなか更新できずにすみません。
この書かなかった間に大雪が降ったり寒かったりで、大変だったところもあったと思います。
そして、もうすぐ2月。
2月1日はプロ野球キャンプインです。
今季は巨人なんとか優勝してほしいものです。
新戦力もですが、生え抜きの選手ぜひ頑張ってください!!


もし、三門に牧がおきゅうの子供のことを言う、いや、示唆しただけだとしても、好きな女のことには敏感になるのが人の常、三門はもしかしたら城戸涼介が親であることをわかっているかもしれない。
そこまで知ってもおきゅうを愛するというのか、三門は。
(確かにそういった)
すべてを知ってもおきゅうを愛すると。
ひょうまが三門からおきゅうに子供がいる話を告げられたときに。

(子供の・・・城戸涼介の父親は、三門はわかっていない・・・)

仮に牧情報だったとしても、父親はつきとめられなかった。
三門も無論知らなかった。
(本当にすべてを知ってもきゅう子さんを愛するのか)
すべて、イコール、父親はひょうまであることまで。
三門は、ほかの男の子供を産んだおきゅうをひょうまには愛せないだろうと言った。
だが、事実はひょうまの子供をおきゅうは産んだ。
三門はその事実にも耐えられると言うのか。
(じゃあ、耐えられなければどうなる?)
大人しく引き下がる・・・わけはない。
かぶりをふるひょうま。
耐える耐えないでなく、おきゅうを許すのか許さないのか。
(俺は許されんだろうな・・・)
ただ、おきゅうとは合意のもとで関係はしていない。
ぶっちゃけ勝手におきゅうがしたのだ。
(そんなこと言ったって関係ないだろう)
今、ひょうまはおきゅうを愛していることが一番の問題だろうから。
もし、今現在、ひょうまとおきゅうは何の気持ちもないのなら、あるいは、城戸を息子として接するのかもしれない。

ひょうまとおきゅうに気持ちがなければ、しかしながら、こんな事実はひょうまは知らずに済んだはす。
おきゅうが絶対言わないだろうから。
ひょうまを今も愛している、ひょうまも今やおきゅうを愛している、だからおきゅうは真実を告げなければならなかった。

真実を告げるときは、三門とも対峙しなければならない。
一番に告げるべき人間はもちろん城戸涼介。
(いつ、どこで、どうやって?)
城戸が有坂咲と結婚する前が望ましいだろうが・・・。
やっと、本当にひょうまの気持ちは、真実へ向かうしかないと、腹を決めた。
おきゅうから真実を告げられた時点でおきゅうが当時願ったように、すべてをあのとき明るみに出したほうがよかったとは思わない。
ひょうまとおきゅうが親とわかった、つまり、両親の存在が明らかになったから有坂咲の父親が安心して結婚を許したという形をとりたくはなかった。
そうなると、城戸涼介は、自分の幸せのために、三門、けーこが不幸になると思ってしまうし、有坂咲の父も、
「両親の生死がわからない男との結婚では、娘は必ず不幸になる」というあやまった考えをただせぬままになってしまっただろう。
今は、ひょうまやおきゅう関係なく、有坂咲の父はおきゅうのカウンセリングによって、その考えが解消され、結婚の運びになっているから、あのときとは状況が全然違う。
おきゅうと話そう、話さねば・・・。
つづく


 

連載小説更新しました。

 

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします。

今年も不定期ではありますが連載を更新してまいりますので、よろしくお願いします。

今日明日は寒波ですね。

みなさん体調に気を付けてお過ごしください。


本当に返す返すも、野球で生きているうちは実にシンプルだったと思う。
悩みも喜びも悲しみも全部野球。
今は、いろんなものがひょうまにまつわりついている。
もちろん、ひょうまが招いたことであるが。

けーことの日々をすっかりおろそかにしてしまうところだった。
けーこが、ちゃんと鼻形と幸せになってもらわねば・・・。
そして・・・横のベッドで眠るあきこをそっと盗み見る。
(姉ちゃんにも幸せになってもらわねば・・・俺といるのがすべてなんていうことではなく)
いわばひょうまのせいで被害を受けた面々の幸せを見届けなければ、ひょうまは先に進めないのではないかと。

(いくらなんでも寝ないと明日一日身体が持たない)
時刻は午前2時を過ぎている、ひょうまは再び目を閉じて寝るように努める。
「ひょうま、時間よ」
あきこに起こされ、ひょうまは、眠れたんだと少しほっとしながら眼を覚ました。
カーテン越しに日差しが漏れている。
時間的には明らかに寝不足なはずだが、ひょうまは素早くベッドから降りてカーテンを開けた。
(あ・・・!)
朝日の強烈なまぶしさを感じた瞬間、ひょうまは はっとして、閉じかけた眼を見開く。
(幸せは・・・自分で見つけるものなのだ)
沖縄がゆえに真冬でもあたかも夏のごとく照り付ける太陽の光を見て、ひょうまはこの光のように気持ちが強くなっていくのを感じた。
(俺の幸せだってみんなの幸せの後でなくてもいいのではないか)
ひょうまのせいでみんな不幸になった・・・とは限らない。
もしかしたらこれがあるべき姿かもしれないではないか。
(ねえちゃんにしても・・・)
あきこだって、今はひょうまにかまけているが、や鼻形と別れたということは鼻形とはそれまでの関係だったのかもしれない、一生は添い遂げられない関係。
ひょうまが第一といっているが、あきこ自身の真の求める人物が現れていないだけかもしれない。
(俺がすべてをちゃんとすれば・・・)
そうなのかもしれない。
ひょうまがすべきことをする。
何をすべきかは、もうわかりきっているではないか。
ひょうまだって、真実への道を歩めばいい。

(三門さんを不幸にしても?)

最大の難関はそこにある。
ひょうまがすべてを失うのは仕方ないかもしれない。
が、城戸涼介に真実、親であることを告げると同時に、おきゅうとの愛が発覚する。
三門は真実を知ったらどうなるのか。
城戸涼介がおきゅうの子供であることを三門は知っているのか。
(まさか・・・)
三門がなぜ子供がいることを知ったのか・・・。
(牧・・・)
牧は、ひょうまが左腕投手だったころ、速球投手として致命的な欠陥、球質が軽いということを指し示す自らがつけていたスコアを三門に無邪気にしゃべってしまい、結果ひょうまは三門にホームランを打たれ、とどめを刺されてしまったっけ。
牧は、おきゅうの子供が城戸涼介であることをつきとめた人物でもある。 つづく

 

連載小説更新しました。

よろしくお願いします。

年内最後の更新になります。

また来年も不定期ながら更新しますのでよろしくお願いします。

みなさんよいお年をお迎えください。


案の定、ひょうまはなかなか寝付けない。
溜息をつきそうになり、しかしながら、眠れないとあきこに気付かれたら話しかけられたりして面倒だから息を殺して無理やり眼を閉じている。
かといって朝になってほしくもない。

返す返すも、ひょうまが、30余年前、一番最初におきゅうから告白されたときに、素直に応じていればよかったのだ。

 


亡きみーなに、大リーグ2号を打たれたショックに、当時ライバルチームのコーチだった父いっかつを追い越せない呪縛にがんじがらめにされていたひょうまは、新たな何かをしようなんて気持ちになれず、疲労しきっていて、本当にあのころは、毎日寝る前に亡きみーなを思い出すのだけが唯一の安らぎ、いや、現実逃避だったのかもしれない。
だが、思い起こすと、おきゅうへの魅力も感じていたのだしっかりと。
最初は薄汚れた女番長だと思っていたおきゅう、実に周りに好かれている。
席がいっぱいという店にしても、おきゅうが声をかけると、店長はすぐ席を作ってくれるのだ。
脅されているのではない、店長は本当にニコニコしておきゅうを出迎える。
なによりも、三門もおきゅうを好きになったということ、三門は女にはモテないが、世間の辛さを身に染みてわかっていたし、女のこともよく知っていた、女番長なんていう、一見三門が一番かかわりあわないだろうと思われる人物に恋をする、三門はおきゅうが本当は「きれいな」人間であると見抜いたのだろう。
ひょうまも、おきゅうは本当はいろんな意味で美しい人間なのかもしれないと・・・だが、気持ちはそれ以上動かなかったのだ。
だが、チャンスはもう1回あった。
禁断の魔球大リーグ3号によって左腕を破壊され、引退を余儀なくされたひょうまは、おきゅうを好きという三門とおきゅうをなんとか結び付けようと、おきゅうを捜し歩き、横浜、海辺にあるバー霧笛でおきゅうを見つける。
そこでもおきゅうの気持ちは変わっておらず、ひょうまはおきゅうから迫られた。
大人しく迫られていたら、ほんとに今頃、ひょうまはおきゅうと城戸涼介と夫婦親子として生活していたことだろう。
なのに、ひょうまは、左腕崩壊され、将来がまったく見えず、かといってもうできないとわかっている野球にまだとりつかれている状態、女に責任を持つどころではなかったのだ。
だから気持ちと裏腹に、肉体はおきゅうを求めていることをなんとなく感じてはいたが先へ進むことはやばいと恐れ、無理やり肉欲を封じ込めた・・・つもりだったが、結果はおきゅうに関係を持たされていた。
(さらに・・・最後のチャンスはあるにはあった・・・)
もう二度と野球はできぬと承知のうえでまだ野球にとりつかれたままのひょうまは、世間から姿をくらまし、人里離れた山奥にこもって、トレーニングを再開した、その場所におきゅうがやってきていたのだ。
おきゅうはひょうまの子供を妊娠していた、その事実を告げに来たのだ、が、結局ひょうまに声をかけないまま立ち去ってしまった・・・。
これにしても、ひょうまが、野球への未練を断ち切り、当時誘われていた鼻形の会社に勤めているなりしていれば、おきゅうは素直にひょうまに声をかけてきて、ひょうまも事実を知ることができただろう。
おきゅうにも言われたっけ。
ひょうまには声をかけられる雰囲気ではなかった、いや、声をかけたけどまったく気づいてもらえなかった。
もし言ったところで、ひょうまは心の底から妊娠を喜んでくれたのか?と。
(確かに・・・そんな心の余裕は全くなかった・・・)

こうしてひょうまは、真実のまま生きられる3度のチャンスを失い、しかも真実にまったく気づかぬまま、けーこと出会ってしまい、一目ぼれしてしまった。

 

 

けーことの出会いを設定したのは・・・ああ、やはりオーナー牧だった。
ひょうまの人生をはからずも何度も左右してしまう罪作りな、残念な男牧。
ひょうまは、おきゅうと城戸涼介に真実をつげるべきであるという話をしたかった、けーことの過去の愛情を思い出すまでは。
今はまた迷っている。 つづく

 

連載小説更新しました

今日はイブイブですね。

3連休楽しんでください


ひょうまは、おきゅうへの愛に気付くのと比例してけーこへの気持ちが消えていく、そのことばかりにとらわれて、それ以前の、まだ、おきゅうへの愛も、むろん、城戸涼介が子供であることも知らない時代を忘れてしまっていた。
亡きみーなと共通項のあるけーこに一目ぼれして、半もからんで紆余曲折はあったものの、結婚した。
けーことの毎日は楽しかったし幸せだったではないか。
朝起きると愛する女が無防備に眠っている・・・それだけで安心感を得られたのも初めての感情だ。
当時は今みたいに携帯もなかったから、巨○軍一軍投手コーチとして遠征が多いひょうまと、女優だからロケなどで家をあけるけーことはすれ違いも多く、どうやって連絡を取り合うか話し合ったものだ。
ポケベルが登場したときは、若者に交じっていち早く購入したっけ。
けーこはおしゃべりでひょうまはもっぱら聞き役だったが、十分だった。
その後、ひょうまのせいで離婚、半とけーこは結婚そして再びひょうまとけーこは愛し合い、復縁・・・。
復縁への過程で、ひょうまはおきゅうと禁断の再会をして、おきゅうへの愛に気付き、さらに後日、本当の真実、おきゅうとの間に城戸涼介という子供がいることがわかってしまい、けーことはやっていけないと。
(結局は俺のせいでけーこを振り回してしまっただけなんだ、けーこは悪くない)
そもそも、けーこと結婚しなければよかった、ほんとにいまはそういう思いが湧き上がっている。
初恋の女性みーなが亡くなったとき、その亡きがらに
「俺は一生女性を愛さない!」
誓った通りに生きていれば、遅れて気づいたおきゅうへの愛に応えることができたのかも・・・いや、おきゅうが三門と結婚してるからやはりだめなのか。
少なくとも、けーこに悲しい思いをさせずに済んだことだけは確かだ。

けーこは、なにひとつ変わっていないのだから。

ひょうまの涙は止まらない。
「本当に悪かった・・・。本当に、けーこは何も悪くないんだ。俺が何も気づかずにいたのが悪かったんだ、勘弁してほしい・・・」
「何も気づかすに・・・?何に気付かなかったの?」
けーこに問われ、はっとしてひょうまは手で自身の口をふさぐ。
感傷的になりすぎて、つい口がすべってしまった。
「い・・・いや、とにかく、俺が身勝手なだけなのだ・・・。改めて言う、鼻形さんと幸せになってほしい。あきこねえさんのことも気にする必要はない。ほんとに彼女は俺ばかりだから」
ひょうまはごしごしと涙をぬぐった。
「本当のところは教えてもらえなさそうね」
「・・・確かに、亡きみーなのことだけを考えて暮らしていくべきだった・・・それは間違いない」
ひょうまはひとり深くうなずく。

結局、2人の会話はそれで終わり、各々部屋へ戻った。
ひょうまの気持ちはぐじゃぐじゃになっている。
過去のけーこへの愛も思い出してしまったから。
しかも、追い打ちをかけるように、あきこが起きてきて
「どこへ行ってたの?姉さん心配で眠れなかったわ」
軽いいびきすらかいてたのに。
「どこって、ホテルの中のどこかにいるに決まってるだろう、俺ももう寝なきゃ、明日がある」
眠れっこないんだが、あきこから逃れるためには寝るしかない。
「ひょうま、もう勝手に出歩かないでちょうだい、部屋を出るときは姉さんに言って・・・」
いい加減にしてほしい。
怒鳴れればどんなに楽か。
だが、この姉も鼻形から引き裂いてしまったのはひょうまなのだから、いくらあきこが鼻形よりひょうまといったって、けーこと鼻形がくっつかなければあきこは鼻形と暮らしていたのだから、何も言えない。
つづく

 

連載小説更新しました。

寒いのでみなさん風邪ひかないようにしてくださいね

巨人はたくさん補強したけど、なんだか巨人じゃなくなってく感じがします。

もっと純血使ってほしいです。


ひょうまは、はっとして時計を見た。
時刻は深夜1時を回ろうとしている。
明日もあるし、もうお開きにしたい。
「けーこ、悪いが今日はこの辺で・・というか、もういいだろう。俺がどんな理由で離婚したかなんて。君も過去にこだわらず、鼻形さんと未来を歩んだほうが幸せだぜ。俺なんかにはかかわらないほうがいい」
「どうしてかかわらないほうがいいの?どうしていきなりおかしくなっちゃったの?」
おきゅうへの気持ちには最近気づいたけど、おきゅうとの「歴史」は30余年前からあるなんて絶対言えない。
「い・・・いきなりというわけでもないさ・・・亡きみーなへの気持ちは常にあったけど、それよりも君がいいと思う時間が長かった、その時間イコール結婚期間というところかな」
苦し紛れ。
「あなたはすべてかゼロかの人間よ、女性に関してだって、亡きみーなさんへの思いがあったら、私と関係なんか持てなかったと思う」
「昔の俺とは違う!俺だって世間にもまれ野球バカから脱却するのに合わせてテキトーになってきている・・・」
「テキトーになってるかどうか決めるのは周りの人間よ。そうね・・・確かに一見世間ずれしてはきてるわ、でも本質なんかそう簡単に変わらないのよ。だから、私は、ずっとあなたが私だけど見ているって安心できていたのよ。最初の離婚をするまではね。そして、復縁をするときもそうだった」
図星だからなんも言えねえ(笑)
おきゅうとの禁断の再会までは、ほんとにけーこ一筋だと「思って」いたのだから。

30余年前の自分に今会えるなら言ってやりたい。
「おきゅうさんから口説かれたら、気持ちのまま素直に従えよ、亡き恋人や野球になんかとらわれずに」

「ひょうまさん、私はまだ再婚はできないわ、物理的な半年ルールじゃなくて。なぜ私じゃダメだったのかはっきりしなきゃ私、鼻形さんと暮らしてく自信がないわ。またいきなり捨てられるんじゃないかって・・・」
「人聞きの悪いこと言うなよ、いきなり捨ててなんかはいない」
ひょうまはキッとにらまれる。
「私にとってはいきなりよ。ほとんど前触れもなくやられたって感じだわ。いきなり関係もてなくなって、いきなり冷たくなって・・・私何か悪いことした?」
そうだと言ってしまえばどうなるのか。
もちろんこれも嘘だけど。
けーこが原因だと言ってすぐ納得して引き下がってくれるのなら・・・いや、ダメだ。
何がよくなかったか理由も作らねばならないし、そもそもそれなら亡きみーなへの恋なんていう世間ではあきれ返るような理由をでっちあげる必要はないわけで。
それに、もう嘘はつきたくないし、仮にけーこの欠点を見つけて並べたら、本当に鼻形との再婚にしり込みしてしまうかもしれない。
そんなことになったら、鼻形は今度こそ、ひょうまの真実を三門にぶちまけるだろう。
ひょうまとおきゅうの関係を。
(絶対にいかん!)
おきゅうとの関係が明るみにでることもよくないが、とにかく、城戸涼介に知られることは絶対困る。
順番は、城戸涼介にまず真実を伝える。
そこからどうするかなのだ。

「・・・けーこ・・・今はそう呼ばせてくれ。けーこ、ほんとに君が原因じゃないんだ。それだけは間違いないから。すべては俺が悪いんだ・・・君は鼻形さんにはもったいないくらいの女性だ。自信もって付き合ってくれ」
「ならどうしてこんなことに・・・」
「だから・・俺が悪いんだよ。君と結婚もしてはいけなかったのだ、本当に・・・」
夜目に光るひょうまの涙に驚くけーこ。
喜怒哀楽が激しい男ではあるが、ここで泣くとは思わなかったらしい。
つづく