日々の思いを短歌に・・・・
忘れられし白いワイシャツ罪人のごとく西陽にさらされている
踏み越えてきたはずなのに今もまだ背につきまとう思想というは
「幸せの歌」いまは歌わぬ駅頭に君との距離を確かめている
菜の花の溢るる写真雪の夜に燦々と季節の扉をひらく
透明な獣のごとく駆けぬけて夜の疾風(はやち)は荒く息づく
いつの日かおもねておりし体制という大きなる河暗きなる河
うっすらと血の臭いする日の記憶保ちしままに切られるトマト
すべなくて悲しみグッと飲みほせば海の臭いが満ちてくる朝
思想などいらぬ少女ら声高に晴れと雨とのさかいを歩く
さりげなく無言の想い行間にこめて書きゆく雨の夜の文