このところチョコQの新作もさっぱり出ないし、生物関係のフィギュアはすっかり下火になってしまったかと思っていたら、エフトイズから「世界昆虫大百科」という商品が出ました。第1弾は「日本のカブトムシ&クワガタ」だそうで、ラインナップはカブトムシ(♂)、カブトムシ(♀)、オオクワガタ、ヒラタクワガタ(ツシマヒラタクワガタ)、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタのノーマル6種+シークレット(カブトムシ♂赤褐色固体バージョン)の全7種です。もちろんブラインドボックスでガム入りの食玩ですが、価格は1個税込み231円と最近の食玩としては安い部類に入ります。見かけたホビーショップでは大箱から既に3つほど買われた後だったので、カブトムシの♀以外の5種を狙って5つ買ったところ、ミヤマクワガタ以外のノーマル5種でした。ブリスター入りで、本物の写真と特徴、飼い方などが書かれたカードが付属しています。大きさはほぼリアルサイズ。それでこの価格帯とくれば、ライバルはもちろんユージンの「原色日本昆虫図鑑」でしょう。ということで、カブトムシ♂(手前左)、ノコギリクワガタ(同右)、ヒラタクワガタ(奥)の3種について、大百科と原色を比べてみました。それぞれ左が原色、右が大百科です。
原色の昆虫図鑑はすでにこのブログでも何度も取り上げているように、非常に出来がいいのは周知のところ。そこに敢えて挑むのですから、エフトイズとしても何らかの“売り”が必要と考えたのでしょう。その“売り”が「可動」です。具体的には胴と胸、胸と頭、角、前脚などが動きますが、前脚は付け根がボールジョイントになっていてかなり動くものの、ほかの部分は期待したほど可動範囲が大きいわけではなく、ノコギリクワガタとオオクワガタ以外は申し訳程度と考えた方が無難です。従って取れるポーズも限られており、前脚のボールジョイントも個体によっては緩めで、長時間かっちりしたポーズを決めるのはつらいものもあります。具体的に両者を比べると、造形的にはどちらもよく出来ていると思います。となると肝心なのは塗装なのですが、これは原色に分があります。確かに原色の昆虫は1弾で出たカブトムシとかに「目が茶色」という欠点はあるのですが、そこを除けば黒とこげ茶色の微妙なグラデーションの入り方、まるで産毛が生えているかのような関節部、足先まで手抜きなしで細部まで塗装してある点など、大百科よりも明らかに一歩上手です。しかし大百科が手抜きだというよりも、むしろ原色がすごすぎるのだという感じもします。それと、触った際に結構重要なのは素材の違いです。原色は硬質のABSが中心ですが、大百科は軟質のPVCが主体。従って角などがフニャっという感じで曲がってしまいます。可動との絡みなのでしょうが、これが気になる人はいるでしょう。筆者もかなり違和感を持ちました。
確かに可動というのは今までにないポイントなのですが、こと今回に関してはそれほどのアドバンテージを稼いだとも言えません。昆虫といえば別に甲虫に限ったわけでもないのですから、これからさまざまな種類(それこそ「世界」なのだから)が出てくれば、可動がものをいうケースも出てくるでしょう。あくまでまだ1弾だし、2弾以降に大きく期待しましょう。ユージンといい意味で競り合ってほしいものです。それにしても今回、個人的にはミヤマクワガタも見たかったのですが、さすがに5個買って雄が5種類そろう、というのはムシの良すぎる話でしたね。お後がよろしいようで…。