250.妄想 金の斧 | かたくりのつれづれのままに

250.妄想 金の斧

なかなか新しい記事が書けません。滝やホタルやら蝶やらの撮影はいろいろしているのですが毎回似たような紹介になってしまいます。それならばいっそ古い記事の紹介の方が面白いかも

最近はテレがあって最近書けない意欲作。

 

2008-06-19 19:08:35 original wrote

ネマガリダケのハンティングについては書き続けると失敗談やら反省などいろいろあってきりがありません。記事の締めはこれ

今年もネマガリダケを採っている最中にいろいろ落としましたが探し出すことはできませんでした。

 

追記 2012-06-xx

先日ネマガリダケを採っている最中にうっかり愛用の長柄の鎌をなくしてしまいました。

ぎっくり腰をやった時には杖がわりに、キノコ狩りで急斜面を転げ落ちそうになった時にとっさに鎌で傍の木にひっかけて難を逃れたりいろいろ思い出深い山の友でした。

何度か探してみていますが、まだみつかりません。

というわけで、以前別の場所で「根堀り」を落とした時に創作した妄想ストーリーを思い出しました。

 

<<オリジナル 2008-06-19 19:08:35>>

 

6月15日に妙高高原杉の原スキー場にタケノコ取りに行きました。

密集したネマガリダケの藪の中から出て山菜リックにタケノコを詰めていると、愛用の根堀りがない!

お守りに手をあて見つかるように念じながら、もう一度タケノコを採った藪の中を繰り返しさがしまわりました。

 

nehori gokubuto
3箇所を2回ずつ探して見つけ出しました!!!

うれしかったぁ~♪

一人で山歩きや山菜取りをしているときにいろんなことを思索するのですが、今回は一気に妄想モードにスイッチが入りました(笑)。

 

 

 

艶話”根堀り”の舞台を少し紹介します。


かたくりのつれづれのままに-myoukou

 

 

 

 

妙高2446m, 南に黒姫山2053m, 飯縄山1917mと三山ならぶ火山の中で最も高く麓に自衛隊の演習場あるほど裾野が広い山である。

 

舞台となる杉の沢スキー場あたりでは、午後には霧につつまれやすく、雲海が一面に広がることがある。

 

このへんは今がタケノコ採りの一番いい時期です。

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親指ぐらいの太さで背丈を越えるほどのチシマザサの中を這うようにして藪の中に入りタケノコを採るのですが、藪から出てリックにタケノコを詰めているときに、前掛けの中にいれていた根堀りが見当たらない。

以前、タケノコ採りで失くして懲りたので、ヒモを通して前掛けと繋げていたが、どこかの藪に引っ掛けて結び目が解けて落としてしまったらしい。

 

最後に使った場所から、這い回った藪の中をもう一度タケノコをとりながら探し始めた。

 

いつの間にかあたりに霧がでてきてきたようだ。

 

未練は残るが、愛用の根堀りのことを諦めて帰り支度を始めていると

 

 

こちらを呼び止める女性の声がする。

 

 

振り返ると、透き通るような薄衣をまとった女神が立っていた。

 

若く、色白の若くて美しい女形であった。

柳眉でふっくらとした頬、切れ長でまつげが長く口に差した紅がまぶしい。

 

「そなたはここで何を探していたのです?」

 

「タケノコを採りに来ましたが落し物をして探していました。」

 

「そなたの落し物とはこれのことですか?」

 

女神がそこにはタケノコがぎっしりとつまったリックを示した。

「違います」

「なれば、これのことですか?」
もろ刃のサバイバルナイフを示した。

首をふった。

「では、これのことですか?」

今度は、かたくり愛用の根堀りを示した。

答える前に、うれしさに笑みがこぼれた。

 

「探し物は、これですね?」

 

「はい」

 

「他の落し物はいらぬのですか?」

 

「はい」

 

「タケノコを取りにきたのに、タケノコはいらぬのですか?」

 

「探し物がみつかればそれでいいのです。」

 

女神が微笑み根堀りを手渡たすと、風が吹き女神の薄衣がゆれた。

 

 

風は、女神の衣をなでるように腹・胸と順に巻き上げて吹き去った。

 

薄衣と肌が密着し一瞬透けて垣間見た肌がなまめかしい。

形の良い乳房だった。

 

「どこをみているのですか?」

 

こちらの心を見透かしたように云った。

「べ、べつにどこも見ていませぬ。」

 

「先ほどは正直者と思ったが、今嘘をつきましたね。」

 

「そなたの腹の下にもタケノコがふくらみ始めましたよ」

女神にそういわれ、顔を赤らめた。

 

「失礼しました。女神様の肌に一瞬みとれていました。」

 

「落したものは根堀りだけでなく理性も落としてしまったようです。」

「それは、そなたが自分で探して拾いなさい」

女神は微笑んだ。頬にほんのりと赤味がさした。

 

女神に丁重に礼を述べ引きさがった。

 

 

遠ざかる男を見送るといつの間にかかたわらに立ったもう一人の女神に云った。

 

容姿が鏡に写した様に瓜二つの女神であった。

「先ほどの風は、姉上のいたずらですね。」

「赤倉、気づいていたか」

 

「あのものがあまりに馬鹿正直ゆえ、からかってみたくなった。」

 

「今度は私が逢いたいものじゃな。」
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注:赤倉山 2141m、妙高岳の外輪山 

 

=>250.2 妄想 金の斧 ❤続編❤

June 19 2008