作者は40代の帰国子女かなと思って読んでいて最後の略歴見てビックリした。

今年70歳の女性。ほんとに驚いた。凄い新人だね。

モノガタリは聡子という離婚して日本に子供連れで帰ってきている女性の一人称でほぼ進むが、文章はこなれてて読みやすい。

構音障害、しかも英語のということで、専門的なことなので図で示されてもサッパリだったけど、暗号のようにほどけていくのが目新しくて面白かった。

過去の事件なので緊迫感はないが、ニーナの自分探し・アメリカの人種差別事情・バイリンガルの悩みなど、興味深い要素もいろいろ。

なんとなく真犯人はニーナのお父さんじゃないの!というのはミエミエなんだけど、最後の離婚の理由がうーむ、そこに持ち込むかという感じはしたが、希望のある終わり方にも好感が持てた。

★★★★☆

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アメリカの大学都市で30年前に起きた母娘誘拐事件。
日本で暮らす聡子を被害者少女・ニーナが訪れ、解決したはずの事件が30年の時を経て衝撃の真相を見せる!
島田荘司選 第5回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。

バイリンガル