今日の発会式からスタート。晴れ着のお嬢さんも並ぶ画面。

しかし2008年は王者トヨタも営業赤字になり、ホンダも赤字予定を発表。この状況が派遣労働者に真っ先に現れた。100年に一度といわれる大不況に日本企業は対応できるのか。

今夜のゲストは日産自動車のカルロス・ゴーン社長。この不況をどう乗り切るのか!カメラは150日間取材。

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スタジオから

龍さん:非常にシリアスな話をしなければなりません。メディアは危機を把握していないのではないか。

社長:日本では20%、欧州では25%も下がっている。他の国も同様で金融危機は大規模な経済危機を引き起こしている。

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日産栃木工場、16万人を抱える巨大企業。その工場を視察する社長。GTRのラインを見て周り、社員を祝福するが、その後の訓示で「減産」を行なうことを表明し、この逆境を乗り越えよう!と檄を飛ばす。

1933年自動車製造株式会社として創立したのが日産の前身。ブルーバードでマイカー時代を築き、サニーvsカローラが普及に働き、スカイラインは若者の心を捉えた。

しかし80年代になると、ライバルトヨタに水をあけられて行く。販売力の差が大きいと評論家は語る。そして日産は2兆円の赤字を抱えて破綻寸前だった。

この危機に際しルノーと資本提携した。そのルノーから再建のために送り込まれたのがゴーンだった。ミシュランからヘッドハントされてルノーの再建に当った手腕を買われての抜擢だった。

ゴーンは現場の声に耳を傾け、どこに問題があるかを見極めていった。そして半年をかけて再建計画を作成、コスト削減1兆円を超える徹底したリストラが柱であり、1年での黒字化を目指した。不可能とも思える計画だったが、不退転の決意で臨み、武蔵村山工場の閉鎖を決断、部品のより易い供給をも実現し、見事に1年で黒字化。

その後は、攻めに転じて、マーチのヒット、軽への参入、GTRの製造などで見事に復活を遂げた。

そのゴーンがこの未曾有の不況にどう取り組むのか。

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龍さん:コストカットはオーソドックスなことだったんですね。

社長:結果を出すと周囲は変ってくる。それまで批判を受けたことも無駄ではなかった。

龍さん:コミットメントを日本で定着させるのは難しいのでは。

社長:公約するというのは日本文化のひとつでもあるから特に外国の方式ではない。

小池:不安はなかったですか。

社長:若干の不安は必要。

龍さん:この会社は再建可能、この会社は不可能という線引きはあるか。

社長:再建不可能ということは無い。人が起こした問題なので解決できないものは無い

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アメリカ議会にビッグ3の経営者が集められた。この時GMの債務超過だけでも5兆円以上。政府支援を必要としていた。ブッシュ大統領は政府のつなぎ融資による延命措置を決定した。

この自動車不況の嵐は日本にも吹き荒れて、トヨタが1500億円の赤字、ホンダが1900億円の赤字予測。日産も大幅減産を発表。

ゴーンは社員に向かって「戦わねばならない。社員ひとりひとりが戦わねばならない。」と激を飛ばした。

龍さん:ビッグ3をアメリカ政府は救済すべきか?

社長:個人的には救済すべきと思う。国家にとって極めて重要な産業であり、良い決断だと思う。

龍さん:アメリカの道路や駐車場の状況から、あまり細かい性能を求めていない。

龍さん:GMの経営を頼むといわれたら再建する自信はありますか?

社長:実際に依頼されたことはないのでなんとも言えないが、何をすべきか最初からわかっているわけではないので社員とともに考えていけば、解決の糸口がつかめて結果が出せる。

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自動車業界で始まった派遣労働者の契約切り、1万7千人にも及ぶという。不利益を被る労働者も出てくるが何を軸にしていくのか。国内メーカーの人員削減状況をフリップで示しながら

小池:派遣労働者を切ることにはどう思われますか?

社長:残念ながら選択肢はありません。才能を減らすことになるため人員削減は最後の手段となるが、1年以上も2年も続く不況においては企業にとってはもったいないが、やらざるを得ない。

龍さん:一部のマスコミや政治家がいうように、正社員にしろというのは逆に企業が採用しずらくなったり、海外に工場を移したりしてしまうのではないか。

社長:同感だが柔軟にやるのも程度がある。日本の現場は世界一だ。日本の現場を守らなければならない。しかし大きな問題に直面していて厳しい状況であり、雇用を継続するのは難しい。

龍さん:共産党や一部マスコミがいうように雇用継続したらどうなりますか?

社長:雇用維持に努めると当面は痛みから解放されるが、十分な投資ができずにライバルにとって変られる。

龍さん:売れないのに生産が継続されれば、在庫が積みあがってしまうということですか。

社長:まさにそのとおりです。経済縮小・大不況も円高も同時に起きてきている。大きな嵐に直面しているため、会社の存続がまず大事。

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1円円高になるとトヨタは400億円の損失になる。

さて円高を庶民はどう捕らえているのか?街頭インタビューでは「(影響は)あまりわからない。」と比較的軽く考えている。しかし輸出メーカーは大打撃だ。10円円高だと1台で30万円の損失になる。

龍さん:日本で暮らして日本でモノを買っている限りはその影響度合いを実感することは難しいが?

社長:1ドル110円が88円になったのでは対処のしようが無い。円高は雇用に響く。韓国・中国・タイなどに基盤を置く企業との競争に勝てなくなって競争力を失い、雇用できなくなるからだ。

小池:円高をどうにかできないのか?

社長:企業では解決できない。国の手にかかること。この今の円の水準は今まで経験したことの無いこと。

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2008年10月パリ、2年ぶりにモーターショーが開かれた。

ルノーの社長も兼任しているため、「電気自動車Z.E.」を展示発表。

同じ日に日産も電気自動車を発表していた。

三菱自動車は今年の発売を予定。慶応大学がその開発に当った。

インフラの整備も進み、スタンドもできた。ショッピングモールにも充電スタンドが設置されている。

ゴーンは昨年、私の公約として電気自動車の量産に取り組んでいる。

コストカットの最中でも電気自動車開発費は落とさずに「世界トップレベル」の実用化を目指した。
龍さん、テストカーに試乗。EV-01だ。静かな音、加速も速く、レスポンスがいい。と実感を語る。

龍さん「おとなしいクルマを想像したが速い。」

社長「わが社の電気自動車がそうなんです。」

小池「カタチはどんなデザインなんですか?」

社長「一目でわかるカタチです。」

小池「お値段は?」

社長「バッテリーを除けば今のガソリン車と同じ水準にしようと取り組んでいる。」「駆動が静かで排気ゼロのクルマに乗れる。」

社長「日産は世界で最初に量産する。世界の関心は今は'量産’に集まっている。」

龍さん「ビッグ3への政府援助はゴーンさんには迷惑な話では?フェアじゃないと思いませんか?」

社長「アメリカの政府がそうすれば、欧州もメーカーが政府に圧力をかける。私がヨーロッパ自動車工業業界の会長になるため、政府へ圧力をかけるつもり。」

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日産のブースに新型フェアレディZが登場。同じ頃栃木の工場に200台のZが並んだ。全国からZファンが集う年1回の祭りだ。ファンクラブの会員は1万人を越える。湯川伸二郎がサイン攻めにあっていた。

Zはスポーツカーとしての地位をゆるぎなくしていたが、経営悪化で生産中止していた。しかし2002年にゴーンが復活させて5代目を製造。そして今6代目がお目見えした。

「私のとってZはシンボル。今の状況がいつまでも続くわけではない。刺激的な優れたZのような車が貢献する。」と挨拶。

Zの発売日、ファンは雨の中を店舗に訪れ、予想の倍以上の予約だという。

湯川も「根っこのところは’楽しいこと’でなければならない。まだ日本は大丈夫だ。」と語る。

龍さん「遠くからもZとわかる。」

社長「復活させることができたのは本当に誇らしい。」

龍さん「T型フォードが売れたときは、車を運転する楽しさだったといわれる。」

社長「クルマは合理性だけではなく情緒的なものがある。私も乗ったらうれしくなるし笑顔になる。クルマだからこそできる楽しさがあるので、それは永遠だ。」

龍さん「車離れが若者に広がっているというが」

社長「まだまだ憧れは若い人にある。先進国の若者は別に興味を持っている人もいるが、電気自動車などこれまでにないクルマを提案して惹きつけてみせます。」

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終わってから・・・龍さん「コストカットなどは’非情’というイメージがつきまとうが合理的なことなんだ。それに帰り際にオーディエンスに向かって’辛抱強く聴いてくださってありがとう’と礼を言って帰った。そんなのは初めてだ。クルマが好きで好きで実はシアワセな人なんじゃないかな。」

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