世界の超セレブがご指名 ニューヨーク神業メークと新聞にある。僕は誰だかサッパリだが、さてどんな人なんだろう。

いつものように顔がドッと画面に出た。失礼ながら出川を10倍ハンサムにした感じだ。

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ヒラリー・クリントンがTIME紙の表紙を飾ったときのメイク担当。彼女はすごく感謝したという。

吉川は49歳。斬新な仕上がりで、評判が高く、予約は取れない状態。「世界ビューティ」を手に入れた男と言われる。顔はアートのようになってしまう。

その道具の中で、50種類もあるファンデーションが秘密なのだという。そのファンデーションの上にしかメイクを施さない。カトリーヌ・ドヌーブや吉永小百合も顧客。口癖は「さあ、メイクを始めよう。」

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フォトグラファーやファッションコーディネーターなどのスタッフも世界中からトップが集まる雑誌の表紙撮影。決まっているのは衣装が黒だけで、あとはモデルを見てからということでまるで即興演奏のよう。

インビディブルなメイクが彼のメイクの愛称。まずモデルの顔にファンデーションを施し、茶色を出すために吉川が色を調合。そのメイクにフォトグラファーが合わせる。しかし吉川は閃きで黒を選択し、結局「黒」のメイクが採用された。

仕事が終われば、サヨナラ。ギャラは100ドルだという。オカネではない。これがあるから仕事が舞い込む。

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自宅はブルックリン。妻はフォトグラファーだった。仕事で知り合った。一粒種のはなちゃん5歳の三人暮らし。

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彼の発想の源は現代美術などのたくさんある本棚。日本のバイクや、熱帯魚、子供の絵本など、なんでもヒントになるという。

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新潟の極一般的なサラリーマンの家庭に生まれ、18歳で美容学校に入学。試験が無かったからという理由。日本でもそれなりの成功を収めたものの、何か飽き足らずに35歳で単身ニューヨークに渡った。チャンスは突然やってきた。アンバランスなまつげが有名フォトグラファーの目に留まったことが転機になった。

アメリカの競争社会が吉川の腕により磨きをかけていった。

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そんな吉川を取材していて、フランスの雑誌の仕事が舞い込んだ。しかし空港で荷物が止められてしまったらしくモデルと衣装が到着しない。モデルを見てから判断する吉川にとって、メイク時間が短くなるピンチだ。

ようやく着いたモデルにファンデーションを施しながらインスピレーションを膨らませる。モデルの雰囲気は吉川のイメージに近く、目の周囲をピンクにするが、フォトグラファーは濃いので薄くするよう要望。これも織り込み済みだったらしく、OKが出て、時間も短く済んだ。

撮影が始まり、微調整が始まった。撮影中、片時もジッとしていないで、モデルの手を温めたりと動き回る。「水着なんだけどセクシーじゃない線を狙った」日本では5月に発売されるという。

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今、吉川は東京で仕事。50歳代の女性に対するメイクを化粧品会社とタイアップした仕事。しろうとの女性に対してメイクしている姿が取材された。「可愛いといわれて嫌な女性はいないでしょう。」と彼。

自分はメーキャップアーチストじゃないよ。メイクが好きなのさ。

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今夜の感想:ちょっとイメージが変わった。オネエマンズっぽいのかなと思ってたけど、ちょっと骨太のかっこいい仕事マンだった。