私のリカちゃん

テーマ:

子供の頃、友達とリカちゃんごっこをして遊んだ。

それぞれのお人形とアイテムを持ち寄って

その日の気分でキャラクターの設定をして

ドラマを作り上げるのだ。


私は前髪の短い旧リカちゃんと薔薇の髪飾り付きの新リカちゃんを

持っていたが、一番のお気に入りは

リカちゃんのお友達のはるみちゃんだった。

なぜって、私と同じ名前だったから。


そして実際、私の友達にリカという名前の子がいたのだ。

そのリアルリカちゃんはリカちゃんハウスやダイニングセットという

豪華なアイテムを持っていた。

リカちゃんハウスは当時、お金持ちの家の象徴であったシャンデリア付き。

もちろん本当にコンセントにつないで、灯りがともる。

子供の私のココロの中は羨望でいっぱいだった。


私が持っているアイテムといえば

母がハギレで作ってくれたスカートや

子供の私が自己流で編んだリカちゃん用のマフラーや手袋など。


それでも楽しかった。

私たちはリカちゃんであり、はるみちゃんだった。


当時のお人形たちはもうなくなってしまったが

今は私の娘たちが娘たちのリカちゃんを持っている。


私も私の新しいリカちゃんを持っている。

時々箱から出して、漫然と眺めている時間は

ちょっとシアワセ。


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おはよう

テーマ:

朝6時。携帯電話のアラームで起きる

今日のメロディは「人生のメリーゴーラウンド」

さあ、ダンナさまのお弁当を作らなくっちゃ。

あらご飯を炊くの忘れてるわ

パンにしよう。

食パンにチーズを挟んでチーズサンド

おかずはツナ入りオムレツにかにクリームコロッケ

コロッケは冷凍食品

水筒にコーヒーを入れて。

はい、いってらっしゃい。気をつけてね



朝7時。今日は土曜日

子供たちはまだ眠ってる

私ももう少しだけ眠ろうかしら

もう少し、あと一時間だけ

おやすみなさい
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ピカピカのこどもたち

テーマ:

もうすぐ小学校に入学するこどもたちは

今準備に忙しい

机やランドセル、文房具

それに新しい洋服や運動靴も揃えなくちゃ

学校はどんなだろう

楽しいかしら

つまんないかも

勉強はムズカシイのかな

みんなと仲良くなれるかな

みんなの速さについていけるだろうか

期待と不安が交錯する

その小さな輝く瞳の奥で

一生懸命おとなになろうとしている

あなたたちのココロが震えているのがわかるよ

大丈夫だよと言ってあげるのが

本当のおとなの役目だとわかっているけれど

本心で言えるかどうか

実は自信がないのがウソっこのおとなのわたしたち
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チ・ヨ・コ・レ・イ・ト

テーマ:

甘い匂いでふくらんだキッチンの空気

玄関先まではみだしている。

オーブンをあけると

チョコレートたっぷりのブラウニー

あまーいチョコレートの他に

あれもこれもいろんなものを詰め込んで

焼き上げたの。

私の大好きなチョコレートのお菓子

たまには誰かのために作るのも

いいかもしれない

そういう口実があるのも

いいかもしれない

甘いものはとりあえず

幸せな気持ちになれるからね。

教えて。

テーマ:

口笛はなぜ遠くまで聞こえるの

あの空はなぜ青く澄んでいるの



そんなことは、どうでもいい。

もっともっともっともっともっと

知りたいことがある。

知らなければならないことがある。



教えて。

おじいさんでもおばあさんでも

通りすがりのおじさんでも

だれでもいいから。



私の本当に知りたいことを教えて。

牛丼

テーマ:

昨日、ダンナが吉野家の牛丼を買ってきてくれた。

一日限りの復活

人々がその味を求めて狂ったように殺到し

心から味わった、らしい。

ダンナも大盛り3杯食べてきたそうだ。

そんなに好きなのですか。

私より吉牛を愛してる?

そんなわけないけどね

アメリカ生まれの牛肉達よ

早く日本の地に来たれ

きみらを愛して止まない日本人が待っている。




私は、近所のお肉屋さんの牛丼のほうが好きだ。

毎日のおかず

テーマ:

毎日のご飯のおかずを考えるのは苦痛を伴う。

主婦(主夫)なら誰でもわかるよね。

いや、料理大好きな人はいい

それだけで、毎日しあわせ

でも、私ははっきり言って好きじゃない。

凝った料理も作ったことがあるけれど

そんなのは長続きしない。

自分の食べたいものを食べたい時に食べたいだけ

食べる

そんなことに憧れる私は

それでもやっぱり主婦なのだ。


簡単な定番料理を毎日作り

たまには家族の為のご馳走もつくってあげるよ。

さあ、リクエストはなあに?

不安の予感

テーマ:

それは不意にやってくる。

私のお腹の奥の方から

ねずみ色の雨雲がもくもくと湧いてくるように

それは「不安」だ。

死に対するの恐怖、生きていくことへの絶望

取り留めのない、漠然とした不安

その湿った冷たい雲は少しずつカラダに広がり

私の手の指先の体温を奪う。

気が付くと手のひらは、冷たい汗でじっとりと濡れているのだ。


私は心臓と喉を圧迫する雲の塊に耐えられず

立ち上がって早足で洗面所に向かう。

微かに震える手で常にそこに置いてある

白い錠剤を取り出すと、冷たい水で喉に流し込むのだ。

白い太陽

カラダの中いっぱいに広がった雨雲を晴らす

ゆっくりと

大丈夫、力を抜いて

呼吸が楽になってくるから


不安の塊に押しつぶされてしまう前に

私は自分を守る


バーチャルからの離脱

テーマ:

一度パソコンの前に座り込むと

次に立ち上がるのに相当の勇気を必要とする。

デジタルな画面の向こう側に広がる

バーチャルな世界から抜け出せなくなるので。

それはちょっとマズイ、と思う。

たださえ自分の立っている位置がどこなのか

わからない人間にとっては。

そこにいるのは、私

本当の私

ここに座っているのは、私のカラダ

呼び寄せて。

私のカラダに戻っておいで。

その度に少なくない痛みを感じるとしても。

思い出という名の。

テーマ:

家族の成長を撮りつづけた8ミリビデオを整理している。

黒い箱の中で10年も前の自分が動いているのを見るのは

不思議な気分だ。

自分自身をそこここに置き去りにして

今の私があるのだろうか。

まだまだ幼い子どもたちが

レンズの向こう側からとびきりの笑顔で語りかけているよ。