腕時計のムーブメント | Photograph to Life ~生活に写真を~

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100均のアナログウォッチをカスタムしたことと、息子の進学祝いで買ったDIESELの腕時計のムーブメントが気になったので、腕時計のクォーツムーブメントについてちょっと調べてみました。

 

自分の持っているクォーツ式腕時計で、最も高精度な物は以下の物かと思うのですが、使っているムーブメントはセイコーグループの「SII(セイコーインスツル)」の物になります。

 

・天賞堂 JALクロノグラフ

 

このクロノグラフで使われているムーブメントの写真が以下のもの。

 

・ムーブメント全景

 

比較的大柄なムーブメントですが、これはクロノグラフ機能が付いているためです。

1/10sec.クロノグラフなので結構使い勝手は良い物です。

 

・V657B2

 

ムーブメントの型番は「V657B」となっていますが、これは「VD57系」のムーブメントの様です。このムーブメント、意外と多くのクロノグラフで使われているようで、セイコー以外にも採用例が見られます。

 

例えばコレ。つまりは汎用ムーブメントと言うわけですね。

 

 

DIESELの時計は基本的にFOSSILが製造らしいのですが、ムーブメントはFOSSILも他社からの購入です。例えば、1万5000円位のものでクロノグラフでなければセイコーエプソン製「Y121E」が使われていたりするようです。このY121Eはムーブメント単体で購入できるのですが、1個単位で購入しても600円くらいです。

 

もちろん、デザイン費やケースの加工費、さらにDIESELやFOSSILの多くは最低でも日常生活防水になっているのでその辺りのコストと流通コストを加えると1万数千円でも高いとはいえない訳です。むしろ、ブランドウォッチとしては安価な方ですね。

 

で、上記のMEGA CHIFEについてはフェイスをみていて、私の持っているJAL銘のクロノグラフに酷似していることに気が付きました。

 

まず、クロノメーターの配置、それぞれのダイヤメーターが同一です。12時の位置に1/10sec.計、6時位置に1秒計、9時位置に1分計です。また、カレンダー表示位置も全く同一。これだけ一致するというのも異るムーブメントを使っていればまずありえないでしょう。

 

 

他にも、DIESELだと上記のデザインの物はVD57系のムーブメントを使っているようです。上記のDZ7250だと右側のクロノグラフの部分。このデザインのモデルは、実はムーブメントが4つ使われています。クロノグラフにVD57系、2つのアナログ部分がCITIZEN系と以前のモデルだとETA系が使われて、更に下部にはデジタル表示のムーブメント...。しかもそれぞれに電池が必要。ちなみに、左側のムーブメントは通常は6時の位置を12時として使う、上下を逆さにしている配置ですね。なので、竜頭が左側です。随分と大胆な発想をしていますが、私もカスタムで2時の位置に12時を配置したりしてますから、まぁ有りな発送では有りますね。

 

さらに言えばDZ7250はベゼル口径が6cmも有って、スクリューバックもほぼ6cm弱なので普通のオープナーでは開けられないらしい。半ば使い捨て感覚で買う時計と言ったほうが良いだろうが、この価格ではそうも行かないだろう。

 

その点、MEGA CHIFEはそこまで大きくない上に、スクリューバックもさほど大きくないので大抵の時計店で電池交換が可能だろうと思う。そういう意味では、DIESELのビッグフェイスウォッチを選ぶならMEGA CHIFEはお薦めですね。

 

ちなみに、先に「以前のモデルだと」と書いたのはETA製ムーブメントの供給は基本的にSwatchグループに属するメーカーにしか供給されなくなっているらしいからです。

DIESEL(FOSSIL)は、時計としてはアメリカのブランドですが、アメリカのメーカーでもハミルトンはSwatchグループに属しているのでクオーツも機械式もETAのムーブメントを使えます。例えば、機械式ならばETA2824やETA2842ですね。

 

・ETA2842使用のSwatch

 

上記写真のSwatchは樹脂ケースの自動巻きですが、ムーブメントはETA2842が使われています。カレンダー機能付きはETA2824になるのですが、最近の自動巻き版ハミルトンカーキに使われているのは基本的にETA2824です。

 

 

上記のモデルなどはETA2824を採用しているはずです。最も、同じムーブメントでも全く同一ではなく、ハミルトンは自社用にチューニングしています。要は、完成品のムーブメントではなく「半完成品を納入してもらい自社で完成させる」ということですね。まぁ、Swatchの価格と比較すると、ケースが樹脂か金属かという点を差し引いても10倍位の価格差が有るわけで、その差はどこに行くのだろうと思うことはありますね。

 

ちなみに、カーキの元になった手巻きムーブメントのフィールドウォッチは米軍向けを再現したハミルトン製レプリカでも2万円位から買えましたし、私の所有するL.L.Beanロゴ入りは「64ドル」に送料というものでした(現在は扱いなし)

 

・ハミルトンフィールドウォッチ

 

このL.L.Beanの物と米軍用レプリカの違いは「ラジウム入り塗料」の使用の有無と、ラジウムマークの有無と言っていいものです。日本向けは本国向けよりもラジウム入り塗料の放射線濃度を下げてあったということで、まさに純正レプリカというものだったようです。

個人的には同じムーブメントで同じデザインと細部の違い以外は同一なのでむしろL.L.Beanの物のほうがお買い得だったと思っています。まぁ、保証に関しては正規輸入でないので使えませんが...。

何にしても、自動巻きのカーキは随分と価格が上がったものです。

 

このように、時計のムーブメントは意外と種類が無いのが現実です。10万円を越える高級腕時計でもムーブメントがセイコーのY121Eだったりするのが現代の時計事情のようです。まぁ、壊れさえしなければムーブメントがなんであれ構わないというのも有りなのかもしれないですが、やはり安いムーブメントは壊れやすいのも事実としてあるので分かる範囲でも調べてから買った方が良いかもしれないですね。

 

ちなみに、息子のDIESELで使われているのは私のクロノグラフと同じV657Bと思われますが、これも購入後に調べて判ったこと(最も、まだ開けてみてはいない) 多くの販売店ではムーブメントについてまではわからないようです。電池交換を頻繁にしているとか、修理やクリーニングを受けている店でないとムーブメントの知識までは無いかもしれません。