13歳の時に母親からレイ・チャールズとエルヴィスのレコードを貰って音楽の世界にハマっていった三浦さんは、その後サム・クック、忌野清志郎、ロバート・ジョンソン、トム・ウェイツ、吾妻光良等に憧れバンドを組み、今はブギの説教者のごとく3ピース・バンドの夜ストでライヴ・ハウスを揺らしまくっている。
そんな音楽遍歴を持った三浦さんとサム・クックBOTを通じて、好きなサム・クック・フォロワーについて聞かせて頂けた。
自身のバンドではブギを中心にノリのいい楽曲が多いし、好みのアーティストもアクの強いシンガーがいたりしてと、きっと好きなサム・フォロワーもハードな感じのシンガーではないかと想像していたが、意外にも出てきた答えがジェラルド・アルストンがリードをとるマンハッタンズ。
他にもクレイ・ハモンドの名前もあげられ、彼らのソウルフルでありながらも透明感がある歌声が、お好きだとのこと。
中でもマンハッタンズの77年作の"It Feel So Good"は本当に最高なアルバムと言われていて、来日時にそのジャケにジェラルドさんとブルー・ラヴェットさんのサインを貰われたそう。
その時にジェラルドさんが何故だか三浦さんの顔を見つめて、「おっ」みたいなまるで旧知の人間に会ったかのような表情をして握手をかわされたとか。
三浦さん曰く、「あの時俺の中にソウルが注入されて俺は生まれ変わったのだ」と。
そして、「ジェラルドさんは素晴らしい。透明感+ソウルフルな歌声。 ... で進化させた人だと思う。コーラス・グループものは聴かないソウル・ファンは人生損してる」とも。
確かにサム・クック直系でゴスペル・フィールなハードなシンガーは多く、スィートなサムの表現力を持ったシンガーは少なく、爽やかな透明感を持ったシンガーといえばジェラルド・アルストンが最有力だと思うし、僕も納得するところ。
しかしブギ大臣の三浦さんからのマンハッタンズには驚いた(^_^;
ここでもバンドとして自分たちで演ずる楽曲と、好んで聴く曲とは必ずしも一致しないということが改めて分かった。
三浦さんは最近格安で出回っているサム・クックの音源についても危惧されていて、「サムクックさんの音源が格安で出回っているのは版権が切れたからだろうか。だれもが聴くべき音楽ですが、遺族というか家族にちゃんとお金が支払われるといいな。」というようなツィートもされていた。
そんな一見怖そうな外見に秘められた優しさを持つ(笑)三浦さん率いる夜ストのサム・クック・テイストな楽曲をあげるとすればこれ、これしかありません(笑)
夜のストレンジャース(サム・クックで踊ろう).AVI
サムクックで踊ろう 夢みたいだよ
騒々しい地球を 身軽にすべっていこう
サムクックで踊ろう 馬鹿みたいだろ
重たい荷物は 俺が預かるからさ
あなたを愛している そばにいておくれ
窓を開けて出ておいで ベランダでも聴こえるから
サムクックで踊ろう 夢みたいだよ
隣近所の奴らに スイートソウルミュージック・・・
「どの曲も当たり前ですが自分の為だけに創っています。中学生がターゲットの商売作家じゃないですから。俺のターゲットは俺の魂です。日々の生活は煩わしい事の繰り返しで、ガス腹みたいな気分になります。」
そのガス腹な気分の生活に投げつけられた「サム・クックで踊ろう」の歌詞とメロディが、スカッと晴れ晴れしい気分に変えてくれる。
サム・クック調のメロディに乗せ、踊りだしたくなるようなパーティー・チューンの、この曲が聴きたくてライヴに足を運ぶファンも多いほど、彼らの代名詞的な楽曲となっている。
僕のツイッターのフォロワーさんの中には、結婚式でサムのコパのオープニングを入場曲にして、あのファンファーレからサミー・デイヴィスに代わって司会者が新郎新婦を紹介し、"The Best Things In Life Are Free"で幕開けという粋な演出をされてた方がいたが、最近この夜ストの「サム・クックで踊ろう」を結婚式の入場曲として使われていた方もいた(笑)
彼らのニューアルバム「ホームタウンボーイ」が8月8日から発売されていて、それをディスプレイしているタワレコが粋で、三浦さん自身も「センス最高!」と喜んでられた。
←その写真がこれ。
試聴機には夜ストとカンザスシティバンドに踊ろうマチルダが入れられていて、正面の棚には夜ストの横にサム・クックとT字路sのCDが一緒に並べられている。
アーティストの事をよく理解している店員がいるCDショップというのは、そのアーティストの強い味方になるという良い例だ。
メンバーの脱退などの困難を乗り越え新メンバーで再スタートを切った彼らの、種まきのような地道な活動が、各地でファンを増殖させ花開いているようで嬉しい。
ファンというかブギ説教者の信者と言うべきかな?(笑)
そんなアーティストの理解者が作るフライヤーというのもイカしてる。
サム・クックのシングル「ツイストで踊りあかそう」の日本盤のジャケをモチーフに作られた、ユニークな夜ストとT字路sのフライヤーがこれ。。。
三浦さんも気持ち悪いと絶賛でした(爆)