NFLのレギュラー・シーズンが始まってからというもの、すっかり頭はアメフトで侵されてしまい、ブログの更新が出来ぬままずるずると(^_^;)

更新がなくとも心配される方はおられないと思いつつ、そろそろ何か記事を書かないといけないと久しぶりの投稿に。

ちなみにトップ画像はセインツのブランディン・クックスという選手。

今回の記事には関係ないものの、クックという文字を見るだけでも嬉しく、応援したくなるものでトップ画像にしてみた。チームはカウボーイズとブロンコス推しだけど(笑)

 

で、そんなアメフト脳からサム・クック脳に切り替えて久しぶりに投稿しようと思い立ったのは、あるツイートからだった。

 

それはコピーライター、糸井重里さんの68歳の誕生日を祝うツイートで、同時に作詞が糸井さんで作曲が忌野清志郎の『パパの歌』も紹介されていた。

その最後の文面に「サム・クックのオマージュ曲」と付け加えられていたのが引っかかった。

 

 

 

清志郎がサム・クックを好きなのも知っているし、カバーしていたり、オマージュしてきた曲は今まででも取り上げてきた。

しかしこのCMにまでも使われた清志郎のヒット曲がサム・クックのオマージュであることは一度たりとも考えたことがなかったので驚いた。

「ときどきプーっとやらかして♪」なんて、いかにも子供ウケとファミリー層を狙った清志郎にしては似合わない曲に違和感を感じていたのが当時の印象だった。

それでも清志郎という存在がロック・ファン以外にも知れ渡るきっかけとなった曲だっただけに、このヒットは嬉しくも思っていた。

その異質とも思えたこの曲が、実はサム・クックをオマージュしてた?

何の曲のオマージュなのかと、何度も『パパの歌』を脳内再生してみる。

 

スローに始まる序章は家ではぐーたらでダメは父親を歌う優しいメロディー、そしてテンポアップして家族の為に必死に働く父親へと変わる快活なサビのメロディー。。。。。。

 

そこで思わず膝を打った。ここだ。

 

そのサビのメロディーから導き出されたサム・クックの曲は『チェイン・ギャング』。

 

 

『パパの歌』のサビから続けて『チェイン・ギャング』に脳内で切り替えてもすんなりとハマった。

しかも歌詞の内容をよくよく考えてみればビリー・ジョエルが『アレン・タウン』で『チェイン・ギャング』をオマージュしたときと同じように、働くパパの労働歌になっているじゃないか。

『労働』をキーワードにすれば簡単に分かりそうなことだったのに、今まで気づけなかったことを悔やんだ。

間違いない。

洒落好きな清志郎だから生前にそのことを尋ねていれば「そうだよ」と返してくれるはずだ。

そのことに気づくと急に手のひらを返すように『パパの歌』を称賛したくなってきた(笑)

 

と、そのサム・クックをオマージュしたという『パパの歌』のツイートをきっかけに、そういえば誰もが知っているであろう日本のヒット曲の中に、他にもサムの曲をオマージュしたものがあったよなと、アメフト脳を一旦横に置いてサム・クック脳から二つほど拾い集めてみた。

 

まずはこの曲。

 

ジャンル的にもサム・クックとは遠いと思っていて全く意識していなかったゆず。

しかしテレビやラジオでこの『友達の唄』を何度か耳にしてるうち、そのイントロからあるサム・クックの曲が浮かんできた。

それがこれ、『ハヴィング・ア・パーティー』。

 

 

今日は昨日の悲しみも 明日への不安も 全てしまって

夢見て笑っていようよ

生きてるってことが 何より素晴らしいって 分かる気がするから

朝まで笑っていようよ

 

イントロは間違いなく『ハヴィング・ア・パーティー』からだと思うし、歌詞からもパーティーを続けるってこういうことだよねって思わせてくれる共通点がある。

太陽の笑顔と称されるサム・クックのように、笑いながら『友達の唄』を歌う北川悠仁を見ていると、人生ってそう悪くないもんだよと言っているような楽しさが同時に伝わってきた。

 

ちなみに、この『ハヴィング・ア・パーティー』の流れからいくともう一曲、矢沢永吉の『PURE GOLD』(Youtubeリンク)もそうだ。

「ホームにナイト・トレイン 財産はトランクとギターだけ♪」なんて、まるで「The cokes are in the icebox, The popcorn's on the table♪」って感じで(笑)

永ちゃんの曲の中でもこの曲が好きなわけがサム繋がりだったと判明(笑)

 

 

最後はサム・クック好きでも知られる甲本ヒロトの↑THE HIGH-LOWS↓(ザ・ハイロウズ)から『日曜日よりの使者』。

 

 

『パパの歌』と同じくCMやテレビ番組のテーマ曲に使われただけに、こちらもロック・ファンだけでなく広く知られたヒット曲となった。

この曲も当時はブルーハーツの頃からの流れであった8ビートなロックともブルース・バラードとも違う曲で、彼らのスタイルからは異質に感じていた覚えがある。

しかし、どこか馴染みがある曲調と歌詞によって、何とも言えない幸福感に満たされ癒されていた。

その馴染のある曲調というものが何だったのか最近になってようやく気づくことができた。

以前から気づいてられた方も多いと思うが、よく聴くとこれはそう、教会で歌われるゴスペル・ソング。

それもあの『アメイジング・グレイス』の引用ではないかと言われている。

 

しかし、昼間のパパはちょっと違う、いや、僕の見解はちょっと違う。

僕からの答えはこれ、サム・クックがソウル・スターラーズ時代に歌った『ワンダフル』。

 

 

終始ゆったりと歌われている『アメイジング・グレイス』に比べ、こちらの『ワンダフル』は途中から『パパの歌』の時と同様にテンポアップしていく。

これはハイロウズの『日曜日よりの使者』にも見られる展開で、ヒロトがそのテイストを手本にしたのではないかと考えられる。

 

このままどこか遠く 連れてってくれないか

君は 君こそは 日曜日よりの使者

 

ヒロトが自殺をも考えていた頃にテレビから流れてきたダウンタウンの番組で大笑いして救われ、そこからこの曲が生まれたという逸話があるように、歌詞からは生きる勇気をもらえる。

やはり元がゴスペルなだけに、その日曜日よりの使者に救いを求めているような歌詞。

この日曜日よりの使者というのは逸話からすればダウンタウンの松ちゃんになるんだろうけど、サム・クックのファンとして勝手な解釈をすれば、日曜日よりの使者はサムとも言えそうだ。

 

振り返ってここまで取り上げてきた『パパの歌』であり、『友達の唄』であり、『日曜日よりの使者』のそのどれもが生きる勇気をもらえる人生の応援歌になっていることに気づく。

それぞれ本当のオマージュは何なのかは分からないものの、サム・クックの短い歌手人生の中で、人々の救世主となって伝えようとしてきた人生の楽しさが、現代の日本のヒット曲の中にも息づいていると考えただけでも嬉しく思えた。

 

 

今回も色々と勝手な解釈をしてみましたが、何か辛いことがあったとしても、ふとした時にテレビやラジオからこれらのヒット曲が流れてきたら、サム・クックのことも思い浮かべ、「フッ」っと笑ってまた歩き出せそうな気がします(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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全く進展がみられないサム・クックの伝記映画化に対し、いつまでも待ちますよと言ってはみたものの、さすがにそのことを話題に出さず一年を過ごすというのも辛いものがあり、今までちょい役として登場してきたサム・クック役を振り返りつつ、今後のサム・クック役について再び司会者さんを呼んで討論してみようと思います。

 

 

司会者「ちょいネタ談議から間がないですが、お呼び頂き感謝しております」

 

元親「このサム・クックの伝記映画化にちなんだ話題はゆっくりお話ししたかったですからね」

 

司会者「やはりまだまだ待たされるのでしょうか?」

 

元親「そのようですね。アブコ公式も非公式も、更に映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』で登場する予定だったラルフ・トレスヴァントのサム・クック役まで期待を裏切られてますし」

 

司会者「以前はドラマ"The Playboy Club"で登場するはずだったラファエル・サディークのサム・クック役も幻に終わったこともありましたね」

 

元親「もう期待を裏切られっぱなしで振り返るのも嫌になりました(笑)」

 

司会者「サムが亡くなってからの年月をみれば呪われているレベルですね」

 

元親「はい。取り扱うのさえ怖くなってきました(笑)それでも今までちょい役としてサム・クックが登場して形となって残っている作品もあるので、今回はそれらの映像を取り上げて、サム・クックのプチ伝記映画なんて感じで観ていきましょう」

 

司会者「なるほど、楽しみですね」

 

元親「取り上げるのは以前にも紹介したことのある"ALI" , "Little Richard" , "The Buddy Holly Story"の3作品なんですが、ご覧になられたことはありますか?」

 

 

司会者「"ALI"のオープニング・シーンは話題になっていたので何度か観たことはあるんですが、他の作品はまだです」

 

元親「確かに"ALI"のハーレム・スクエア・クラブの再現はサム・クックのファンの間では話題になりました。なんといっても始まって9分という長丁場で、ストーリーのバックでサム・クックが歌ってるわけですからね」

 

司会者「尋常じゃないですね」

 

元親「その9分間だけだとアリとサムとどちらが主役か分からないくらいです」

 

 

司会者「主役のアリ役だったウィル・スミスをくってしまうほどの存在感を見せたサム・クック役は確かディオンヌ・ワーウィックの息子さんでしたよね」

 

元親「そうです。歌手のデヴィッド・エリオットさん。お母さんのディオンヌ・ワーウィックはサムとも以前共演したことがあって、ロックン・ロールじゃないと観客に野次られて落ち込んでた時に、サムがビートだけがロックン・ロールじゃない、君も僕が『ユー・センド・ミー』で勝ち取ったようにできるとサムに励まされたことがありました」

 

司会者「そんなことがあったんですね」

 

元親「なので息子がサム・クック役に決まった時は、彼女もきっと当時のサムについて語り聞かせ、アドバイスしていたんじゃないかと思います」

 

司会者「なるほど、あの名演の裏にはそんな経緯があったのかもしれませんね」

 

元親「結局、ストーリー自体には何の関わりもなくオープニングのパフォーマンスだけの登場なんですけどね(笑)」

 

司会者「確かに、もったいないです(笑)」

 

 

"The Buddy Holly Story"

元親「オープニングをサム・クックが飾ったのが"ALI"なら、中盤のストーリーに絡んできたのが"The Buddy Holly Story"でした」

 

 

元親「サム・クックが登場するシーンをアップロードしたのが上の映像です。そのシーンを簡単に説明すると、ラジオの声から黒人と間違われたバディ・ホリー率いるクリケッツが黒人観衆の多いアポロ・シアターに出演することが決まり、サムの後で歌うバディ・ホリーをサムは励まし、最初は怪訝そうな顔で観ていた黒人観衆を魅了するんです。その後、宿泊先に困っていたバディ・ホリー達を黒人専用のホテルに連れて行き、白人の宿泊を断る支配人をサムが説得して、彼らはそのホテルに泊まることができる、というところで終わります」

 

司会者「それは実際にあった出来事なんでしょうか?」

 

元親「そのようですね。しかし、この時のサム・クック役はポール・ムーニーというコメディアン俳優なんですが、サムはステージ上で投げキッスはしてないと思います」

 

司会者「映像を観ましたがポールさんサービス満点ですね(笑)」

 

元親「ステージに女性コーラスを3人揃えてるところはサム・クックというよりマーヴィン・ゲイですし」

 

司会者「華やかさを伝えようとしたのでしょうか?」

 

元親「サム・クックはそれらを必要とせずとも華やかですけどね。それでもポール・ムーニーの紳士的な演技には好感がもてました」

 

司会者「はい、短い登場でしたが後半のホテルのシーンではもうすっかりサム・クックに見えてきました」

 

元親「それと前半のバディ・ホリー達がアポロの控室から階段を下りてステージに向かう途中で聴こえてくる『ユー・センド・ミー』は、サム・クックの登場を期待させるには十分な演出だったと思います」

 

司会者「実際のバディ・ホリーもサムが白人聴衆の多いコパで成功したように、黒人聴衆をモノにできたのはさぞかし嬉しかったでしょうね」

 

元親「最後の映像はテレビ映画として2000年に放送された"Little Richard"なんですが、最近になってやっとその中で登場するサム・クック役を確認することができました。やはり想像していたとおり、サムとの関わりとして良く知られている『サム・クックとリトル・リチャードのイギリス・ツアー(リンク)』の時の出来事が使われていました」

 

司会者「あれは確かゴスペルに傾倒したリトル・リチャードが悪魔の音楽といったロックン・ロールを歌うか歌わないかというツアーでしたね」

 

元親「そうです。サム・クックにとっても重要な海外ツアーでしたから、相当気合の入ったツアーだったと思います。だから映画の中でも一番最後のクライマックス・シーンとして使われていました」

 

司会者「となるとかなり時間を割いたシーンだったんでしょうね」

 

元親「いえ、5分ほどです」

 

司会者「ええ!? かなり省略されてるじゃないですか」

 

元親「このツアーを企画したドン・アーデンがリトル・リチャード説得するシーンからの映像を下に貼り付けていますが、そのシーンを覗けば実際は4分くらいしかありません」

 

Little Richard Movie 2000 (Sam Cooke Role)

 

司会者「ほんとだ、サム・クックの扱いが雑すぎますね」

 

元親「それに、ここでのサム・クック役は俳優のコンロー・ブルックスが担当しているんですが、カツラをかぶってるのが丸わかりですし、大げさなパフォーマンスとチャラ男っぽい演技には落胆しました」

 

司会者「実際のサム・クックも良く喋って笑う大らかな性格だからありじゃないですか?」

 

元親「そうですけどちょっとこれはふざけすぎてると思いませんか?というかこのシーンだけでもツッコミどころがあり過ぎるんですよ」

 

司会者「たとえば?」

 

元親「このステージはドンカスターから始まってますが、リトル・リチャードが倒れこんで"Tutti Frutti"を歌いながら起き上るという演出はマンスフィールドのステージからなんですよ。それにリトル・リチャードが先に持ち歌にしていた"Send Me Some Lovin'"を彼の前で歌うなんて考えられないし、サムがあの曲をカバーしたのはこのツアーの後ですからね」

 

司会者「確かにそうかもしれませんが、この映画を観ているリトル・リチャードのファンを喜ばせる演出だったかもしれませんから、そのくらいはありじゃないですか(笑)」

 

元親「サム・クック・ファンの気持ちはどうしてくれるんですか」

 

司会者「まぁまぁ(笑)とはいえどの映画もサム・クックがキーマンとして扱われているわけですからそこは喜ばないと。それにしてもこの短い時間の尺は何故なんでしょうかね?TV映画ということで編集の最後のほうで時間が足らなくなって巻きがかかったんでしょうか?」

 

元親「あまり長い時間を使うとカツラだってことがバレるからじゃないですか」

 

司会者「そこですか(笑)サム・クック役のクオリティが耐えられないと(笑)」

 

元親「TV映画だからクオリティが落ちると言いたくないのですが、どの映画のサム・クック役を見ても、サムを演じるには相当な努力が必要となり苦労したと思います。JBやリトル・リチャードを演じるほうがある意味分かりやすいキャラクターなので楽なんじゃないかと。だからこそ長時間サムを演じることに役者が耐えられなくて、監督も仕方なくサム役の出演シーンを短くしているんだと思います」

 

司会者「かなりサム・クックを上に見た解釈ですね(笑)」

 

元親「当たり前じゃないですか」

 

司会者「そうなるとサム・クックが主役となる伝記映画化のサム役に選ばれた方は相当な苦労を強いられますね」

 

元親「とりあえずサム・クック役の基準として容姿が似てる似ていないに関わらず、その役者さんにサム・クック愛があるかどうかが第一だと思っています。愛を感じない役者さんにカツラなんか被って演じてほしくはないです」

 

司会者「カツラにこだわりますね(笑)」

 

元親「以前、サム・クック役に選ばれていたレイ・ラベンダーに、映画"RAY"でレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスがこんな助言をしていました」

 

「聞いてください。サム・クックは、私の大好きなアーティストです。そしてあなたはサム・クックとして変わってもらえると信じています。私はあなたに彼であってもらいたい。私はあなたに彼のように歩いてもらいたい。私はあなたに彼のように話してもらいたい。そして彼がどんな人物であったかを理解し、私はあなたにも彼と同じように考えて演じてもらいたいです」

 

司会者「すごく深く重い言葉ですね」

 

元親「この言葉は僕もこれからサム・クックを演じる役者さんに同じように伝えたい気持ちです。そんなふうに助言できるジェイミー・フォックスはレイ・チャールズを演じるときに、同じように自分に言い聞かせ、レイ・チャールズを研究し、彼を愛し、レイ・チャールズになりきったと思います」

 

司会者「確かにアカデミー主演男優賞を取って当然のような名演でしたね」

 

元親「それを思うと、今回取り上げたサム・クック役はB級、いやZ級のレベルと言って良いかもしれません」

 

司会者「そこまで言うとサム・クックを演じてくれた役者さん達に失礼じゃないですか?サム・クックを演じる難しさを分かっているならもう少し敬意を表さないと」

 

元親「そうでした、すみません。なかなかオフィシャルのアブコの伝記映画化が進まないものでつい熱くなってしまいました。ただ、僕としてはオフィシャル以外であれば、どんなに駄作と言われるようなZ級のサム・クックの伝記映画でも歓迎なんです。『なんじゃこれぇ、くだらねぇ(笑)』ってツッこみを入れるのも楽しいですし、ブログの記事にもできますからね、非公式でもドンドン制作してほしいです(笑)」

 

司会者「そこに愛はいらないんですか?」

 

元親「はい、いりません。ジョーズのヒットにあやかったZ級のサメ映画は数多くあるので、なんならサム・クックがサメに生まれ変わって人を襲うというホラー映画でもイイくらいです」

 

司会者「サメ・クックですか、また無茶苦茶な(笑)サメ映画くらいサムの需要があればいくらでもZ級が出てきそうですけど、それほどの声は上がりませんからねぇ・・・」

 

元親「この際なんでもあやかりましょう!『シン・サム・クック』とか『君の名は、サム・クック』とか!」

 

司会者「そろそろ終わりにしましょうか、話が変な方向に行ってるようなので」

 

元親「いや、面白そうなんですけどねぇ、巨大化したサム・クックが日本を襲って来たり、サム・クックと誰かが時空を超えて入れ替わったり・・・」

 

司会者「本日はありがとうございました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【Four Tops Live (1966)】
1. Introduction
2. It's The Same Old Song
3. It's Not Unusual
4. Baby I Need Your Loving
5. Reach Out I'll Be There
6. I'll Turn To Stone
7. I Left My Heart In San Francisco
8. You Can't Hurry Love
9. Ask The Lonely
10. Climb Ev'ry Mountain
11. The Girl From Ipanema
12. If I Had A Hammer
13. I Can't Help Myself
14. I Like Everything About You

常々ハーレム・スクエア・クラブのライヴ・アルバムを超える、いや超えるのは無理だとしてもそれと対等なライヴ・アルバムは無いものかと探していたりする。。。


先日、ツイッター上で「イパネマの娘」の話題が出て、そういえばサム・クックもコパ公演を行った64年に、サムはこの曲がお気に入りでコパで歌う予定にしていたが結局上手くいかず、ボツとなっていたことを思い出した。

実際にサム・クックがコパで「イパネマの娘」を演っていたら、どんな感じになっていただろうか聴いてみたかったものだと呟いていたところ、それを疑似体験できる音源があることを教えて頂いた。
2014年に国内の廉価盤としてCD化された、フォー・トップスのライヴ・アルバムがそれ。

確かに11曲目に「イパネマの娘"The Girl From Ipanema"」が収録されていて、そのあとには何とサム・クックもコパで歌った「天使のハンマー"If I Had A Hammer"」が。
ひょっとするとサムが演ろうとしていたセトリの順もこうだったのではと思わせる。

しかし、このライヴ・アルバムで注目すべきは山下達郎がモータウンで一番好きな声と言った、サム・クックがハーレム・スクエア・クラブで魅せたようなリーヴァイ・スタッブス(Levi Stubbs)のシャウター・ヴォイス。
このシャウター・ヴォイスで印象に残っているライヴ・アルバムでは、『歓喜に沸く自由の聖地アップタウン(チャーリー・トーマス) 』(リンク)で紹介していた"Saturday Night At The Uptown"での、ドリフターズのチャーリー・トーマスや、ヴァイブレーションズのパフォーマンスであったり、同じ66年のモータウンからのテンプテーションズのライヴ"Temptations Live! 1966"でのデヴィッド・ラフィンなどが好きだ。

Temptations Live! 1966


同時代のモータウンのライヴ・アルバムとしてそのテンプテーションズを比較してみると、フォー・トップスの方はリーヴァイのリードで終始しているのとは違い、テンプテーションズの方はデヴィッド・ラフィン一辺倒とはいかず他のメンバーにリードを譲り、その間にクールダウンして、デヴィッド・ラフィンの番がくれば再びそこで爆発させるというような流れになっている。

メロディアスに聴かせるスモーキー・ロビンソンのソングライティング中心のテンプテーションズのライヴと、リズミカルなH-D-Hのソングライティング中心のフォー・トップスと、同じモータウンでも色合いが少し違い、トータルでみたシャウティングの熱さでいえばフォー・トップスの方が感じられるのかもと、勝手な感想。

そんななか、聴いてみたかったものとしては、映画「ワンダラーズ」で"Do You Love Me"が挿入歌で使われていたコントゥアーズのビリー・ゴードンをリードとしたライヴ・アルバム。
きっと熱々のライヴだったと思われるが、ヒット曲が少なかったせいなのかコントゥアーズのライヴ・アルバムがリリースされなかったのが残念だ。

Contours Do You Love Me Live, 1963

(さすがにこのテンションで終始続けるのは無理そうだがw)

それはさておき、一人でリードを務めるリーヴァイ・スタッブスが熱いとはいえ、やはりどこがでクールダウンしないといけない。
今回のライヴ・アルバムの中でいえば、丁度中盤のカバーがそこになる。
僕らの世代にはフィル・コリンズのカバーでもお馴染みの8曲目「恋はあせらず"You Can't Hurry Love"」以外の7曲目から12曲目までのスタンダードは、リーヴァイにとってジョークを交えたリラックスなムード漂うクール・ダウンの時間だったように聴こえる。

そう考えてこのライヴ・アルバムを見てみると、前半と後半のH-D-Hソング集をサム・クックのハーレム・スクエア・クラブ、中盤の「思い出のサンフランシスコ"I Left My Heart In San Francisco"」から「天使のハンマー」までがコパのライヴと見立てることができそうだ。

サム・クックがコパのライヴの後から亡くなるまでに行われたアトランティック・シティのクラブ・ハーレムでのライヴが、まさにそんなハーレム・スクエア・クラブとコパを混合したようなライヴだったと聞く。
それに近いライヴを66年にフォー・トップスが新たに実現してくれてライヴ・アルバムという形で残してくれていたと思うと嬉しい。

リーヴァイ・スタッブス自身サム・クックの唱法をそこまで意識してはいなかったと思うが、64年にリリースされたサムのコパのライヴ・アルバムは必ず聴いていただろうから、ここでの「天使のハンマー」のコール&レスポンスは意識していたはずだ。

その盛り上がりのままラストで歌われる"I Can't Help Myself"で、ここに訪れていたマーヴィン・ゲイとダイアナ・ロスをステージに上げての大合唱。
まざまざとサム・クックがいなくなった当時のモータウンの勢いを感じさせられた。

更に僕がサム・クックと重ねるものとしてグッときたのが、最後のアンコールで歌われた"I Like Everything About You"だ。
この曲をソングライティングし自ら歌ったH-D-Hの一人、エディ・ホーランド(Eddie Holland)のテナー・ヴォイスのバージョンも大好きだが、何よりこの曲はモータウンの中の"Having A Party"としてとらえていただけに、シャウターなリーヴァイ・スタッブスの声で歌われていることが、ハーレム・スクエア・クラブのラストの再現のようで嬉しさが倍増した。

Levi Stubbs/4tops "I Like Everything About You" Live


では、冒頭で言っていたハーレム・スクエア・クラブと対等なライヴ・アルバムだったのかと問われると、全てにおいて「はい」とは言えなかったりする。

そもそもトータルで同じような感動を味わえるライヴ・アルバムを見つけようなんてこと自体が無理なのかもしれないが、改めて何がハーレム・スクエア・クラブと他のライヴ・アルバムと違うのか考えるきっかけになった。

ハーレム・スクエア・クラブよりビートの効いたロック・コンサートのライヴ・アルバムなんかいくらでもあるし、演奏だけのグルーヴでトランス状態にもっていかれるものもあれば、歌の上手さを際立たせたもの、激しくシャウトしまくっているもの、巧みなMCによる笑いで盛り上げているものだってある。

ただ一つだけそれらのライヴ・アルバムとハーレム・スクエア・クラブとの違いをあげるとすれば、最初から最後までが繋がった物語になっていることだと思う。
サム・クックは説教というメッセージで会衆に訴えかけるゴスペルの集会のセットに、今まで誰もしようとしなかった明るいポップさを加えて、そこにストーリー性を持たせた。
ジェームス・ブラウンはそのポップさをファンク・グルーヴに変え、ダンスとシャウトで観客をものにしてきた。しかしそんなJBですらサム・クックのようにショー全体でストーリーを語ることは出来なかったと思う。

だからサム・クックのライヴ・アルバムは。。。あれ?フォー・トップスのライヴ・アルバム紹介のつもりがいつのまにかハーレム・スクエア・クラブを称賛する記事に(笑)

そもそもサム・クックを崇拝している者がとやかく言ってはいけないですね、すみません(^_^;)

































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