元親「今回はサム・クックに関する小ネタが溜まってきたということもあり、夏休み企画として再び司会者さんを呼んで小ネタ特集にしました。ということで、司会者さんよろしくお願いします(笑)」
司会者「分かりました。いつも総括でやっている小ネタ情報ですね。今年はブログ記事が少ないということで半年の総括には触れずに逃げるということですね、分かります」
元親「いやいや、まぁ、はっきり言うとそうなんですけど。。。暑いですからねぇ今年は(^_^;)そんなこんなでトップ画像はサービス・ショットということで、クール・ダウンしたサム・クックの裸体にしてみました」
司会者「確かにサム・クックが脱ぐのが分かるほど今年の夏は暑かったです」
元親「ですよね、ですよね、それに加えオリンピックの熱さですよ!日本勢のメダル・ラッシュで毎日興奮しながら応援していましたね!」
司会者「はい」
元親「あれ?もっとテンション上げていきましょうよ!で、ですね、なかでもサム・クック・ファンの間で盛り上がったのが陸上競技の日本代表で出場していたケンブリッジ飛鳥くん!」
司会者「イケメンということで急に注目されるようになりましたよね。で、彼がサム・クックのファンとかでしょうか?」
元親「何を言ってるんですか!顔ですよ顔!日本人のお母さんとジャマイカ人のお父さんのハーフなんですけど、日本代表にサム・クックが混じってると言われているくらいサムに似ていると評判なんですよ!」
司会者「なるほど、意識して見てませんでしたが、よく見るとだんだんサム・クックに見えてきますね」
元親「でしょ(笑)そう思って見るようになるともうサムにしか見えなくなって、日本を応援してるのかサムを応援してるのか分からなくなってくるんです。最後の400mリレーの時にゴールした瞬間は感動で涙が自然にこぼれ落ちましたね。ウイニング・ランで日本の国旗を羽織ってる姿なんか見るとサムが日本の国旗を、なんて見間違えるほど嬉しくって嬉しくって(笑)」
司会者「あの瞬間はほんとに興奮しました。そういえばアブコもサム・クックの伝記映画化に苦労してるようですからサム・クック役に彼を推薦してはいかがでしょう?」
元親「それは良いですね(笑)しかしケンブリッジくんは次回の東京オリンピックに向けての練習が忙しいでしょうし、引退する年齢になるまでは無理でしょうね」
司会者「となると彼はまだ23才ということですから10年くらいは無理でしょうか。10年後にサムが亡くなった年齢になるので丁度良さそうですけど、もう10年も待ってられないでしょうし」
元親「残念ですね。代わりにといってはなんですが、そのケンブリッジ飛鳥くんの鍛えられた腹筋をタイトルにしたような小説があるんです」
司会者「ほう、どのような?」
元親「『人生は彼女の腹筋』 駒沢 敏器 (著)(アマゾン・リンク)という本です」
司会者「彼の腹筋ではなくて彼女の腹筋ですか、しかも人生とは大きく出ましたね(笑)」
元親「著者の駒沢敏器さんは、惜しまれながらも2012年に51歳の若さで突然亡くなられた作家さんで、その駒沢さんが生前発表した作品をセレクトして出された短編集がこの本なんです。で、そのなかのひとつに表題の『人生は彼女の腹筋』があるわけなんですが、そこに隠れサミーがあったんです」
司会者「おお、小ネタ集では必ず出てくる隠れサミーですね(笑)」
元親「そうです、恒例のってやつです(笑)で、例によってその部分を抜粋してみました」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

思いを振り払うとパーティーの音が戻ってきた。
部屋の隅にクリスマス・ツリーがあり、最初に来たときと同じリズムで電飾が点滅していた。いまかかっているCDはサム・クックだ。
アメリカ人のトムだかスコットだかが向こうの方で、日本人の女性と曲に合わせて踊っていた。
背の低いその女性は、正体を失った自分をその男に見せつけるかのように、何の底もない踊り方をしていた。あの女は誰の知り合いで、いったいどこから来たのだろう。
僕はじっと目を凝らして部屋のなかを見渡した。いまこの時間と空気に完全に溶けこんでいる人間と、実はそうでない人間を見極めてみようと思った。溶けこんでいる人間と、実は溶けこんでない人間の、いったいどちらが幸福なのだろう。誰が時間とつながっていて、誰がつながっていないのだろう。
サム・クックの曲は次に進み、歌詞が耳に入ってきた。それを聞いて何組かのカップルが部屋のなかで踊りだした。

歴史のことなんてよく知らない
生物学も得意じゃない
科学の教科書もわからない
選択のフランス語の授業もいまひとつ
でもこれだけはわかってる
僕がきみを愛しているっていうこと
そしてきみも愛してくれたら
この世はどんなに素晴らしいかを

踊りやすくて懐かしい曲に、誰もが浸っているように見えた。あるいはこの曲がかかると、世界はそのように輝いて映った。ぼくはAなんかとれないけれど、とサムはうたう。でもきっと、とってみせるよ。そうすれば僕はきみの愛にふさわしくなれるから。

(『人生は彼女の腹筋』83~85p)

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司会者「昨年の総括(リンク)の時に紹介して頂いた桜井鈴茂さんが書かれた『どうしてこんなところに』の時はカーステレオから流れてくるサム・クックでしたが、今回はパーティー会場での『ワンダフル・ワールド』なんですね」
元親「村上春樹さんの小説でも『ワンダフル・ワールド』が出てきましたが、ここでも人気ですね。タイトルからして全くストーリーが読めないと思いますが、物語自体も伏線を張っている面白いストーリーだったので、是非読んでもらいたい小説です」
司会者「『ワンダフル・ワールド』で思い出したんですけど、今年のフジロックではトータス松本さんがJBとサム・クックの『ワンダフル・ワールド』を歌ってられたそうですね」
元親「そうだったようですね。"ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA"のゲストとして八代亜紀さんや仲井戸”CHABO”麗市さん、そして奥田民生さんと共に呼ばれていたようですが、トータスさんがソロのときは決まってサム・クックのリクエストがあるようなので、もう自ら先に選曲したんじゃないかと(笑)」
司会者「なかでも誰もが一度は聴いたことのある『ワンダフル・ワールド』を選ばれたわけですね」
元親「多分そうでしょう(笑)皆サム・クック、サム・クックうるさいから歌ってやる!みたいな(笑)でも大好きなサムの曲ですからね、気持ちよく歌われてたと思います。気持ちよく歌ってたといえば、フジロックではないですが、夏といえばフェスが多く、その移動中の車内で永原真夏ちゃんが歌っていたのも『ワンダフル・ワールド』だったんです。「サム・クックと歌うなう」というタイトルでインスタグラムに動画をあげてられました」

永原真夏「サム・クックと歌うなう」(上手く貼れてなくて観れないかもしれませんが。。。)

サムクックと歌うなう

Manatsu Nagaharaさん(@suika1ban)が投稿した動画 -



司会者「歌詞を誤魔化されてるところがまた可愛らしいですね(笑)」
元親「9月にはサム・クック好きな奇妙くんの天才バンドとも2マンライブがあるようなので、彼女にも注目です。それから、『ワンダフル・ワールド』を元ネタとして作られているであろう曲にこんなのも発見されました」

「ミスターブー・ギャンブル大将」主題歌


司会者「ミスターブーですか、懐かしいですね(笑)そう言われてみるとそんな感じが(笑)」
元親「何だか笑っちゃいますよね(笑)しかし、香港でもサム・クックがどのくらい知られているのか知りたいものです。サム・クックの『ワンダフル・ワールド』が元ネタかどうか分かりませんが、とりあえず人を楽しくさせる旋律というのは万国共通なんでしょう(笑)」
司会者「よく聴くと歌い出しだけって感じもしますが、元ネタはサム・クックであってほしいですね」
元親「『ワンダフル・ワールド』ではないですが、今度リリースされるノラ・ジョーンズの新曲の元ネタはサム・クックと言っても良さそうです」

Norah Jones – Carry On


司会者「どことなく『ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー』に似てますね」
元親「そうですよね。イントロのピアノもナイト・ビートに収録されている『ミーン・オールド・ワールド』にも聴こえるので、古典的なブルースのフレーズなんでしょうけど、彼女はサム・クックの『ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム』もカバーしているのでサムを意識していると言っても間違いではないでしょう」
司会者「どこかのインタビュー記事でサム・クックを模範にしましたという言葉が見当たればよいですね」
元親「またその辺りの記事もチェックしておきます。それから立て続けに紹介していきますが、サム・クックを模範にしているといえば、現代のサム・クックとして推しているデショーン・ワシントンさんも、初のシングルがリリースがされることになりました」

On That Road - Deshawn Washington


司会者「オーディション番組"The Voice"に出演されてからも活動されてたんですね。オールド・ソウルなバラードで良い曲じゃないですか」
元親「歌声も変わらずサム・クックしてますよね。これは正式な音源じゃないかもしれないのですが、これをきっかけにアルバムまで制作してくれればと楽しみにしています」
司会者「このタイプの曲がどれだけ受け入れられるか難しい部分もあると思いますが、是非メジャー・デビューして来日してもらいたいものですね」
元親「はい。その時は是が非でも足を運んで応援しに行こうと思います。あ、そうそう、模範というのかBEGINのボーカルの比嘉 栄昇さんが『僕が大好きなサム・クックの独特な歌いまわしを表現しました』と言ってられた『今宵B.Y.Gで』(アマゾン試聴)という曲があるんですが、歌いまわしだけでなく歌詞にもサム・クックを感じさせるところがありました」

『今宵B.Y.Gで』
まだまだ 始まったところ
今夜今夜 パーティーは終わらない
もっともっと 仲間を集めて
Having A Party

司会者「なるほど、ずばりですね(笑)ここにもサム・クック愛が(笑)」
元親「そうなんです(笑)だから例のサム・クック愛に溢れたオリジナル・コンピ・アルバム『サム・クックはそのままで』(リンク)に収録しようかと思っています(笑)」
司会者「というかその表題曲も早く加えてくださいね」
元親「そうでした(笑)ソングライティングは難しいですからね、時間がかかりそうです(^_^;)ソングライティングで思い出したんですが最近こんなCDを手に入れました」
司会者「グッチ裕三さん?(笑)テレビのものまね番組ではオールディーズを歌ってられますけど、まさかサム・クックをカバーしてるとか?」
元親「サム・クックのカバーはしていないんですけど」
司会者「ではサム・クック調の曲が収録されてるとか?」
元親「6曲入りのミニアルバムなんですけど、そういった曲は無かったです」
司会者「まさかジャケがサム・クックのライブ・アルバムに似ているとかそんなのじゃないですよね(笑)」
元親「じゃないです(笑)実はこの作詩・作曲者名を見てもらいたいんですが」


司会者「日本語タイトルで分からないですが、サム・クックの名前が記載されているってことはサムの曲じゃないんですか?」
元親「よく見てください。"SOME COOKIE"ですよ。サム・クッキー(笑)直訳すると『何枚かのクッキー』ってダシャレなんです(笑)」
司会者「なるほど(笑)グッチさんらしいですね(笑)」
元親「しかしそこにもサム・クックをシンガーとしてだけでなく、ソングライターとしてもリスペクトしていたりとサム・クック愛が感じられるんです」
司会者「ん~ん、そこにサム・クック愛ですかぁ(笑)しかしそれだけでこのアルバムを購入されたんですか?」
元親「はい」
司会者「それも凄いサム・クック愛ですね(笑)」
元親「。。。小ネタのためですから(笑)」
司会者「どうでしょう、そろそろその小ネタもこの辺で打ち止めでしょうか?」
元親「最後にサム・クックが紹介されている書籍が何冊か出てるのでその紹介でもしておこうかと」
司会者「お願いします」
元親「まずはピーター・バラカンさんの『ロックの英詞を読む──世界を変える歌』(アマゾン・リンク)。ここでは『ア・チェインジ・イズ・ゴナ・カム』が紹介されています。バラカンさんは、この曲がリリースされた時は、この曲がB面だった為にラジオから流れることがなく気がつかなかったとそうで、70年代に日本に来てからこの曲の存在を知ったと言ってられました。そしてサム・クックやジェームズ・ブラウンからビヨンセ、ディアンジェロまでを一望するソウル/ファンク/R&Bのガイド本 『SOUL definitive 1956-2016』河地依子著(アマゾン・リンク)や、ソウル黎明期から最盛期に活躍したアーティストによる、1957年から69年にかけてのR&BチャートNo.1ヒットを108曲選出した『No.1ヒットで知るソウルの歩み 1957-1969』ブルース&ソウル・レコーズ 増刊(アマゾン・リンク)などでも冒頭からサム・クックを紹介されています」
司会者「ここのところ立て続けにソウル関連のガイドブックが出てきましたね。こういう本をリクエストする声が多いのでしょうか?」
元親「そのような需要があるのか分かりませんが、そうであると喜ばしいですね。それをきっかけにサム・クックへの興味を持ってもらえるのであれば、サム・クックの伝記映画化への待望論があちらこちらで巻き起こると思うんですけど。。。そこまでの発展性はないですかね(笑)」
司会者「いや、そうであることを祈りましょう。小ネタでもちりも積もればなんとやらで」
元親「そうですね(笑)僕も数撃ちゃ当たるで小ネタを撃ち続けようと思います」
司会者「はい、是非大笑い出来るような小ネタを」
元親「最後はいつもの手厳しい司会者さんに戻りましたね(笑)分かりました、その時が来るまでまたお付き合いお願い致します」
司会者「はい、いつでもお呼びください。本日のサム・クックの小ネタ特集、ありがとうございました」
元親「こちらこそ、ありがとうございました」



























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トップ音源は言わずと知れたサム・クックがRCAに移籍してのファースト・シングルとなる「ティーンエイジ・ソナタ」。
この曲はピーター・ギュラルニックによるサム・クックの伝記では絶賛されているにも関わらず、ダニエル・ウルフによる伝記では酷評されているという、評価の分かれる曲だった。
ダニエル・ウルフの方では、「サムの歌は十分安定しているが、彼のトレード・マークである昴揚感を聴かせられる所はどこにもない」とし、サム本人のセリフにもあの曲はライヴではやらずお陀仏してもらうとまで言わせている。

果たして本当にそうだったのだろうか?

確かに、RCA移籍後に出された「チェイン・ギャング」などのサムの持ち込み曲でないスタンダードなどのカバー曲は、サムの持ち味を生かしきれてない曲もあることは認めるものの、この「ティーンエイジ・ソナタ」に関してはそれは違っているように思う。
新しくプロデューサーとなったヒューゴ&ルイジは、事前にサム・クックの声を研究し、サムの歌声だけでバック・グラウンドが浮かび上がるとまで言っているほどサムの歌声を彼らは理解していた。
サムが実際にヒューゴ&ルイジに嫌気がさし、先ほどのようなセリフを言ったとすればそれは契約を破談にすると言い出したマネージャーのジェス・ランドに気を使ったものだともとれるし、何より白人と黒人の垣根を越えて彼らとサムとの信頼関係は強く、破談になるどころか長い付き合いとなっていたほどだ。
サムのトレード・マークとなる昴揚感ですら、曲の中盤からラストにかけての盛り上がりで十分堪能でき、聴く度に鳥肌が立つ。
実際、僕の周囲から聞こえるこの曲を評価する声は多い。


サム・クックが歌う「ティーンエイジ・ソナタ」の魅力はその昴揚感だけでなく、声が割れる手前のギリギリのラインで歌われていることだ。
サンドペーパーのような少しザラついた声を好む僕にとっては、このあたりのサムの声は十分に熟された「仕上がった声」として位置付けている。
ハーレム・スクエア・クラブのライヴの時は割れていると言っていいほどザラついているが、その一歩手前の声がこの「ティーンエイジ・ソナタ」が録音された時のものといった感じ。

初めてヒューゴ&ルイジと出会い、そこでこの「ティーンエイジ・ソナタ」を歌うように言われたサムは、風邪をひいていた為に何度も声が割れ、彼らに「違う奴を連れてきた」と冗談を言わせるほどだったそうだ。
日を改めて4テイクという少ないテイク数で録音を終えたというが、その頃には風邪も治っていたはずなのに、録音した声はいつもよりザラついていた。
それは多分サムがRCAに移籍して新たなるスタートを切るべく気合を入れ、自宅で何度も練習を重ねた結果ではないかと思っている。
それによって作られた「仕上がった声」。

余談だが、トータス松本さんがサム・クックのアルバム「ツイスティン・ザ・ナイト・アウェイ」をフル・コピーしてみせた時に、表題曲でありトータスさん自身も思い入れが強いという「ツイスティン・ザ・ナイト・アウェイ」の曲だけは、他の曲と違って何度もテイク数を重ねたと言ってられたし、奇妙礼太郎くんもバンドであるアニメーションズのファースト・アルバムでは、名曲「イルミネーション」を声が出なくなるまで全身全霊で何十回とテイクを重ね叫び続けたという。
それらの録音された声も「ティーンエイジ・ソナタ」の時のサムの声のように、気合が表れ「仕上がった声」となり、聴くものを圧倒している。

前置きのつもりがすっかり熱くなり大好きなサム・クックの「ティーンエイジ・ソナタ」の自論が長くなってしまったが、今回紹介しようと思ったのが、70年代に5枚ほどシングルをリリースしているバリー・スミス(Barry Smith)が歌うその「ティーンエイジ・ソナタ」。

きっかけは"LOOKIN' FOR SOMETHIN' RARE"(リンク)で紹介されているのを見て、これは是非購入して聴いてみなくてはと思ったから。

最初にバリー・スミスのデビュー・シングルであり、ノーザン界隈では人気というこの「オンリー・ユー」の改作を聴いてみると、そのディープな声がツボにはまった。

Soul-Barry Smith-Only You


その「オンリー・ユー」の翌年となる73年に、同じ"GSF"レーベルからリリースされたのがこの「ティーンエイジ・ソナタ」。

Barry Smith - Teenage Sonata (GSF)73'


サム・クックのストリングス・バージョンとは又違った、クラリネット(フルートかな?)と哀愁ただようギターの音色が加わり、泣きのサザン・ディープ・バラードとなっている。
ホーンでオーケストレーションされたエンディングで朗々と歌い上げるバリー・スミスの声は抜けが良く、サムと同様に昴揚感をキープしている。

ただ、贅沢を言えばサムの時のような「仕上がった声」まではいってないように感じること。
バリー・スミスは、SHANEからも3枚のシングルを出しているようだが、彼の中で一番「仕上がった声」であったのは、先の「オンリー・ユー」の時ではないかと思う。

とはいえまだそれほど聴きこんでないので後々評価も変わるのかも(^_^;)
とにかく比較するのが申し訳ないくらいサム・クックの歌う「ティーンエイジ・ソナタ」が好きすぎるんですよ。
なんて、あまり勝手なことを言っていると怒られそうなのでまたこちらも「仕上がった耳」になってから出直そうと思います(笑)

































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The Harrison Brothers (ABC-Paramount ‎– ABC 90.938/France)
A1.I'll Be Standing By
A2.Beautiful Lies
B1.I Feel Good
B2.Are You Sincere

サム・クックの甘さを控え、塩辛さマシマシ、爆発力マシマシの二郎系サム・クック・フォロワーといえば、ボビーとジミーのハリソン兄弟。それぞれのソロでも十分マシマシであるのに、2人がタッグを組むと更に倍の濃厚でボリーミーな熱々のソウル・デュオに変貌するのは誰もが認めるところ。

前回の生写真と同様に急激な円高時にハントしたのがこのハリソン・ブラザーズのフランス盤。
2年前に見た佐野勝明さんの楽SOULブログ記事(リンク)に驚き、それ以来ウォントリストのトップにいたのがこの盤だったので、円高のタイミングでハント出来たのは非常にラッキーだった。

よくディープ・ソウルは「ボビー・ハリスに始まりボビー・ハリスに終わる」と言われるほど(言われない)、コレクターの始まりはボビー・ハリスのシングル・コンプリートを目指す人が多いほど人気だと聞く。
僕もその域まではいかないものの、常々ボビー・ハリスの音源をデジタル化して、オリジナルCDアルバムを作りたいと思っていた。
曲がりなりにも足りないものはYoutubeから拝借してと、CDが完成しようとした頃に、例のレニー・カーティスがジミー・ハリソンだった事件。
そうなるとハリソン・ブラザーズ名義の音源もそのCDに加えていた手前、ジミー・ハリソン関連の音源もそこに加えることとなり、レニー・カーティスとジェロニモ・アンド・ザ・アパッチーズも追加した。
それで、コンプリートと思っていたところに先程の楽SOULの記事で知った今回の盤の存在。
ディープ・ソウル・ヘブンのボビー・ハリスのページの補足欄にこのフランス盤のことが記されているのに、不覚にも気がつかなかった。
そのフランス盤にはアメリカ盤には無かったハリソン兄弟の写真がスリーブに印刷され、そしてアメリカ盤ではリリースされていない未聴の曲が2曲も収録されている。
結果、ハリソン・ブラザーズのコンプリートCDとして完成させるには、その未聴の2曲が必要になり、今日までオリジナルCDの製作は頓挫していた。

年代順に作ったCDの収録曲はこんな感じ。

★(Jim & Bob Harrison)
Please Don't Hurt Me / Country Boy (Clock 1035,71836)(Mercury ?)60,61
Here Is My Heart / Hand Clap Blues (Clock 71890)(Emit 101)62
Little Schoolgirl/Baby I Love You (Smash 1803)62
★(Geronimo And The Apaches)
Oh Yes Baby I Love You So / Too Late For Tears (Galiko 45-891) 63
★(Harrison Brothers)
Baby, I'm Coming Home To You / Standing On The Corner (Everlast 5028)63
Beautiful Lies / I'll Be Standing (ABC Para. 10593)64
I Feel Good / Are You Sincere (ABC-Paramount ‎– ABC 90.938/France)
Run For Your Life / same inst. (Babalou 1001) 65
★(Lenny Curtis)
Nothing Can Help You Now / Who You Gonna Run To (End E-1127)65
★(Harrison Brothers)
Ain't Love A Sweet Thing / Crying Won't Help You Now (Pearltone 8007/8)66
★(Bobby Harris)
We Can't Believe You're Gone / More On The Jerk (Atlantic 2270)65
★(Pat Lundy & Bobby Harris)
We Got A Thing Going On / I Really Love You (Heidi 111)65
★(Bobby Harris)
Password Is Love / That's When I'll Stop Loving You (Turntable 715)65
Ain't That Love / Lonely Intruder (Turntable 716)66
Sticky, Sticky / Mr. Success (Shout 203)66
The Love Of My Woman / Baby Come Back To Me (Shout 210)67
★(The Fabulous Fiestas)
One Hurt Deserves Another / Keep It In The Family (RCA 0364)71

復活した90年以降の作品はまた別でまとめるとして、ここでは70年代までの音源をコンプリートしてみた。
一枚のCDとしてまとめるには曲数が若干多いので、実際にはインスト曲や毛色の違う"Country Boy"などを省いている。あとコーラスで参加していたというBee Jay(Clock 1743/62)もここでは省かせて頂いた。

収録曲の中で下線のついている曲が、今回のフランス盤から追加した2曲。
未発表曲が無い限り、KENT や ACE でもここまでのハリソン兄弟のコンプリートCDは作れないと思う(笑)

折角なので、お中元代わりにその2曲のさわりだけYoutubeにアップしてみたので是非ご試聴を。

The Harrison Bros I Feel Good & Are You Sincere


佐野さんもブログ記事で言ってられたが、前者の"I Feel Good"は、悪くはないが二郎系のこの兄弟にしては濃厚さを控えた感じもする。しかし後者の"Are You Sincere"は、サム・クックの"That's Where It's At"や、"Bring It On Home to Me"を思わすようなディープ・バラードで、彼ららしさが味わえる佳曲だった。

この夏の暑さで冷たいものに走りがちですが、塩分と油が多めなハリソン兄弟の熱々のソウルを聴いて元気をもらってみるのも一考かと思います。






























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