Congratulations!

テーマ:
ドイツでレコーディング-Studio2010

ドイツはもうすっかり冬です。
今朝の気温はマイナス8℃。
う~ん、なかなかのつらさです・・・。

でも、そんな寒さも吹き飛ぶうれしいニュースが届きました。

トーマス・ファイ氏の設立した
マンハイマーモーツァルトオーケストラが
ヘンスラー・クラシックより発売のアントニオ・サリエリのCD、

「Overtüren und Bühnenmusiken」

でグラミー賞、「Best Orchestral Performance」
部門にノミネートされました。

マリス・ヤンソンス/ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団、
ピエール・ブーレーズ/シカゴ交響楽団
に並んでのノミネート。

わたしは録音テクニック、デジタル編集を担当しました。
録音プロデュースは同じスタジオの先輩、
エカート・シュタイガー氏。
何年も一緒にやってきた仲間との仕事だったので、
とてもうれしいです。


そしておめでとう、ファイさん、
ブラヴォー、
音譜マンハイマーモーツァルトオーケストラ音譜


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バイロイトで録音

ドイツでレコーディング-Stein1

今日はシュタイングレーバー社の
コンサートホールに来ています。

ワーグナーの創設したバイロイト音楽祭でも有名なこの街に
シュタイングレーバー(Steingraeber & Söhne)社の
ピアノ工場があります。


ドイツでレコーディング-Stein2

日本ではあまり知られていないメーカーかもしれませんが、
1820年から続く伝統あるメーカーで、
今日でも「手作り」にこだわって生産されており、
非常に完成度の高い素晴らしいピアノです。


ドイツでレコーディング-Stein3

何台も並べられたE-272。
弾き放題、選び放題音譜


ドイツでレコーディング-Stein5

今回は社長と調律師のトーマスさんと共に、
ハルトムート・ヘルさんの録音でした。
ドイツリートの録音だったのですが、
ヘルさんの音楽、演奏、音色、
すべて素晴らしかったです。

今後、レコーディングをしていく上で、
大切なことをたくさん教えていただきました。


ドイツでレコーディング

上の写真で見て頂けるように、
譜面立てのはしの部分が切ってあります。

これは演奏者が自身の演奏がよく聴こえるために
意図的に施されたものです。

その他、メカニックにも様々な
スタイングレーバー社独自の工夫が見られました。

工場の中も見学して回りましたが、
とても興味深いものでした。

今回はスタイングレーバー社のコンサートグランドピアノ
E-272での録音でした。

音色がとても多彩で素晴らしいピアノです。
日本ではあまり見る機会がなくて残念。


ドイツでレコーディング-Stein4

また、いつか一緒に録音ができるといいね。


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今回は最近したお仕事の紹介です。

ドイツでレコーディング-beethoven2

ドイツのハイルブロンという街で
ベートーヴェン・フェスティバルが開催されました。

これはベートーヴェンのツィクルスで、
交響曲すべて演奏しようという催しでした。
わたしがこの記事を書いているということはもちろん、
録音されたってことです。(笑)
コンサート自体は今年の6月にすでに行われていたのですが、
編集が今月までかかってやっと完成しました。

実は、去年にこのお仕事が決まってから、
とっても楽しみにしていたんです。
特別にベートーヴェンが大好きというわけではなくて、
(嫌いという意味では決してありませんw)
ベートーベンの交響曲全曲録音なんて
なかなかできるもんじゃないし、やりがいがあります。

ミーハー、と言われればそれまでかもしれませんが・・・。

会場はかなり広かった。
2500人ぐらい入るらしいです。
コンサートは満席で大盛況でした♪


ドイツでレコーディング-beethoven1

全部で5枚組のCDボックスになるのですが、
私の担当は第7番、8番、9番とすべてのマスタリング。
第7番は日本では何かと話題だし、
もともとカルロス・クライバーの指揮した録音が大好き
なこともあって、楽しく編集させていただきました。

第9番に関しては、言わずと知れた
有名な曲だし、大編成だし、
なんといっても今のCDが74分録音可能なのは
この作品が一枚に収まるようにという基準になった
作品ということもあり、この仕事をしているからには
やはり一度は録音してみたい名曲のひとつでした。

各編成ごと、作品ごとに違った経験が必要で、
ひとえにどのような録音が難しいとは言えないのですが、
オーケストラと合唱とソリストと
うまく共存しなくてはいけない本作品の録音は
やはり簡単ではないといえるのではないでしょうか。

有名な第4楽章も良いけれど、わたしは第2楽章が好き。
あの躍動感が堪りません。
録音中も鳥肌ものでした。

しかも今回はサラウンドの録音なのでミックス作業は
更に貴重な体験でした。


ドイツでレコーディング-beethoven3

ほぼ徹夜なんて日も多かったけど、それでもやっぱり楽しかったな。

仕事帰りに夕焼けをパチリ!!
こうしてみるとやはりこの村、田舎・・・。
でも平和・・・。

最近、日本ではいろいろあるけれど、
世界の人々が助け合って、
平和な世界が訪れることを願います。
 
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前回の記事の続きです。

録音初日。
皆さんキャンピングカーでスタジオに到着。
すごく気さくな方々です。
ドイツで音楽家に出会うたび、頻繁に思うことなのですが、
みんなキャラが濃い・・・。
羨ましいぞ。

録音が始まると???
普段している録音とは少し勝手が違います。
というか違いすぎやしませんか?
ねえ、親方・・・。

まずは記憶から曲を引っ張り出すところから録音スタートです。
すげーー。
譜面なんてものはなし。
曲の構成もコーダに行くのもすべてアイコンタクト。
このアイコンタクトが決まるとマジでかっこいい。
絶妙の一体感で曲が完成します。

んんん??
しかし、やや精度に難ありか・・・?
たまによくわからない未開の土地に着地してません?
ああ~、
もう眼だけでなく体全体使って合図しちゃう??

という冗談はさておき、(笑)
演奏する時にお互いを見るという事も大事だと思いました。
ということでもちろんオーバーダブ(演奏者が録音した他の演奏者の
演奏を聞きながらばらばらに音を重ねていく録音方法)
ではなく全員揃って一発録音です。

ミスなんて、勘違いなんて録音してれば多々あること。
たまに変になってもみんなで大爆笑して、また次にのテーク取って・・・。
テンション上がる・・・。

「ここは、こうだっけ?」

なんて言い合いながら伝統のサウンドを蘇らせていくのです。

ソロギターリストのヘンスヒェさんも、

「全体の雰囲気が大事なんだ。音楽はそれでいい。
多少のミスなんてどうってことないんだ。」

と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
これも普段とはまた勝手が違った事なのですが、
今回の場合はまさにその通りかも。
「ミスが気にならないぐらい大事な物があるんだなぁ。」
と痛感する演奏でした。
ブラボー!!!

初日の録音が終わってから少し?時間を共有させていただいたのですが、
彼らにとって音楽は本当に生活そのものといった感じでした。
なんせ録音が終わってからも楽器を離さないんですもの・・・。
いろいろな飲み物(笑)・・・とたばこと共に盛り上がりながら
ギターを弾いていたかと思うと、今度はピアノに向かう。

「そうそう、これを覚えてる?」

ってどんどん曲が出てくる。
更に音楽を楽しんでます。

夜中の2時回っても・・・。
まだまだ出るのね・・・。
げ、元気!!!っすね。
こっちはすでに限界。



だめだ・・・
もう、布団がスタジオに来い・・・。



今日はもうお祭りの様でした。
スタジオがたばこの煙で曇ってます・・。

「録音の時にそれ弾いときなよ!」とか、
「明日の録音はスタジオでなく廊下でしようか?」

なんて冗談言い合いながら止まりません。

文化面でも精神面でも新しい扉を開いた感じでした。
まさしくカルチャーショック。
貴重な体験をさせていただきました。
これでしたかった夢がひとつ叶いました。






ちなみに・・・。
もしもうひとつ夢が叶うとしたら、
「明日、楽しみで寝れない。あせる
なんてらしくなく、かわいい遠足前の子供みたいなこと言ってた自分に、

「そんなこといってっから、限界が来て家に帰れず、
 会社にお泊りすることになるんだぞ!!」

っていってやりたい・・・。
でも楽しかったね。
おやすみなさい。星






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ドイツでレコーディング


おはようございます。晴れ
多少、変なテンションながら、
まだ半分開いてない目をこすりながら仕事場に着きました。
今日が楽しみで前日あまり眠れなかった・・・。

というのは今日は「ヘンスヒェ・ヴァイス・カルテット」
とお仕事です。
ジャンルで言うなら、「Zigeunermusik」、
ロマ民族の音楽の録音です。
ロマ音楽といってもあまりピンと来ないかもしれません。
日本でなじみのある言葉?に置き換えるとジプシー音楽です。
ヨーロッパでは街角で耳にしたりするのですが、
実に多彩でとても変化に富んでおり、
個人的に素敵だなあと思う音楽です。

リストの「ハンガリー狂詩曲」
ブラームスの「ハンガリー舞曲」
サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」
ラヴェルの「ツィガーヌ」

といったぐあいにロマン派の作曲家も
ロマ音楽に影響をを受けています。


今回の録音はそれらとはまた少し違ってモダンな感じ。
テンポの激しい曲が多めです。
彼らの音楽はWikipediaでは、
「Zigeunerjazz」(ジプシージャズ)と紹介されていました。


この録音スタジオにやってきてまだ間もない頃、
一枚の「Musik Deutscher Zigeuner」(ドイツのロマ音楽)
というCDに出会いました。
そのCDをかけながら踊るドイツ人スタッフを見たとき、

「すげー音譜、こっちの人はテンション上がると本当に踊るんだ。」

みたいな驚きがありました。
しかし、その音楽と光景が妙に印象深くて、
自由で何か羨ましさを感じた思い出があります。

それ以来、「一度でいいからこの音楽を録音してみたい。」
と思っていました。


ヘンスヒェ、やっと来た・・・。
うれし~。



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