春分の日の今日、東京では雪が降りました。

 

割合よくあるんですよね。3月も終わりかけの春の雪。

 

私が生まれたのも、その通りの大雪の日で、父は「深雪」と名付けるつもりだったそう。まあ50年前の岩手ですから、今より雪は多く、且つ長く降っていたわけで。珍しくもなく。

 

それが、少し離れた近所で(おかしな言い方ですが)、2月に生まれた女児に既に付けられていると知り、同じ学年になるのに、字も読みも同じ名ではマズイだろうと、取り止め。

 

一旦思いついた名を捨てて考え直すというのは、意外と大変だったらしく。

仕方なく?祖母と父とで、父の名から一文字取った名を考えたとか。

 

付けられた今の名は、どちらかと言うと、おとなしい名前。

名前のイメージとして、華やかな、賢そうな、明るい、上品な、優しそう等々、様々ある中で、おとなしくて柔らかい感じ。

 

「深雪(みゆき)」という名前だったら、今とは違う人生だったでしょうねえ…。

 

20代前半くらいまで、たまに名前の話が出ると、何となくそう思いました。

今の名前だから、こういう性格で、こういう生き方をしているのだろうなと。

 

 

娘から貰ったチョコレート。猫です。

 

 

ようやく、ドラマ「平成細雪」を見ました。

鶴子、幸子、雪子、妙子。

 

谷崎らしい命名だと、昔も今も思います。性格の分かりやすい指標。

今、どなたかが同じような小説を書くとして、名前はどう変わるのでしょうね?

 

とまあ、名前はともかく、なのですが。

 

前に「ちかえもん」の時にも書きましたが、高岡早紀さんが好きなんです。

この「平成細雪」の幸子役も、良かったです~。満足。

 

で、それ以上に満足だったのが、伊藤歩さんが演じた雪子でね。

 

ちなみに谷崎の「細雪」。全部しっかりとは読んでおりません。カジリ読み。中学・高校時代、図書館で暇をつぶす時、バラバラと鼠みたいにかじって。…だって長いんだもの。

 

今、開いたら最初から読まないとダメ。どこを読んでどこを読んでないか見当つかず。

 

 

女優さんの美しさだけで言ったら、映画(1983年)の方が格上。申し訳ないですが。

岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子。

 

「細雪」は、映画もですが何度も舞台で上演されていますから、観た人それぞれ、その人その時で好みがあるでしょうね。それで良いのだと、そういうものだと思います。

 

伊藤歩さんの雪子は、それなりに昭和ではなく、「平成」らしい演出だったような?

 

1983年版映画の雪子は、ただ綺麗な印象しかなく。石坂浩二演じる次女幸子の夫、つまり義兄との微妙な関係とやらも、当時18の私には何だかなあ~で面白くも思えず。

 

平成の雪子は、綺麗だけど何を考えているか分からないような陰湿な雪子ではなく、ちょっとした表情で気持ちの奥底を垣間見せる技術があって。

 

気をもんでいる姉の幸子は気の毒ですが、台詞にある通り、幸子は勘が鈍くてね。

見ている観客の方が、舞台同様、「あー、分かるよー」という感じ。

 

年齢も今の時代に合わせて、30代半ばの設定。原作では20代半ばじゃなかったかな?

 

吉永小百合さんの雪子は、その点でも「え?」と思ったんですよ、私。

 

今wikiその他で調べたら、雪子は24歳。撮影当時、吉永さんは37歳。そりゃ違和感あるわー。

 

もちろん37とは思えないほどお綺麗だったんですが、妙子役の古手川祐子さんが23歳、鶴子・岸恵子さんが50歳、幸子・佐久間良子さんが43歳。(公開年から1歳引いて)

 

ちょっとどうよ?と思っても仕方なく。如何せん私は18だったもので。鶴子と幸子が近くて、雪子と妙子が近い、姉妹二人ずつと思って読んでいましたから。

 

そういう違和感がずーっとあった、1983年版映画「細雪」。

 

今回の「平成細雪」が払拭してくれました。あー、スッキリ。

 

中村ゆりさんの妙子は、四女なりの寂しさと苦しさをよく表していたし。

中山美穂さんの鶴子は、さすがトップアイドルを張った人は迫力が違うわー!でしたし。

 

四人の中では、次女幸子に共感する部分が多い私。若草物語のジョーと同じ。

 

私自身は長女なので、勿論、鶴子の部分も大きいんですが、家族から離れて親戚や友達間になると、何故か求められる形が次女っぽく。それで慣れた感もあり。

 

高岡早紀さんが快活&巧に演じていて。映画版の、夫と雪子の仲を嫉妬とか無いのも有難く。で、雪子に問い質すシーンとか妙子を怒るシーンとか、本領発揮。

 

四姉妹それぞれ、原作より、女のいやらしさ控えめな描き方でしたね。まさに平成版。

 

 

返す返すも1983年当時、佐久間良子さんと岸恵子さんは美しかったー!

 

舞台をご覧になった方は、そちらと比較しながら見たのではないかしら?

舞台での着物は、それは素晴らしいそうですから、今回、着物は舞台に軍配。

 

 

それにしてもラストシーンの秋の洋服姿より、やっぱり春の着物姿!綺麗でした~。

 

細雪ごっこをする余裕なんて無いですが、今年のお花見は着物で行こうかな?です。

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。

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