オロカモノポテチ / 人類救済 | 5000VOLTもの電撃を受けるとシビれます

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自分がビリビリと刺激的電撃を受けたCDやレコードなどの音を中心に、レビューっぽい感じで綴っていきます。よろしくです。

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オロカモノポテチ、2009年3発発売の1stアルバム「人類救済」。ダースレイダー主催の3 on 3 MC BATTLEで、丸、磯友と組んだ「おばあちゃん子MCs」での2007年度チャンピオンをはじめとして、様々なMCバトルの現場で名前を売っていった若手といったイメージかな。そういや、2004だか2005の恵比寿みるくでやってたUMBの予選にも出てて、柏のリズマノイドに負けてた記憶がある。

音源としては、Eccyの「ユウフク」にサイプレス上野と一緒に参加してたのくらいしか聴いた事なかったんだけど、その曲ではバトルで見せるフリーキーなポテチを感じなかったのだが、今作は如何に。

1曲目「人類救済」は、安孫子真哉、チン中村、村井守といった、銀杏BOYZの面々が全面参加。っても、銀杏BOYZって聴いた事ない。GOING STEADY(だっけ?)の人達がやっているバンドという認識だけあるけど、そっちも聴いた事ない。この曲を聴く限りじゃ、攻めたてるようなギターが印象的なゴリゴリのハードロックでけっこうツボなので、銀杏BOYZのアルバムも聴いてみたくなった。ポテチのラップは… 演奏に負けてるねコレ。

2曲目「あの娘に1mmでもちょっかいかけたら殺す」は面白いタイトルの曲だけどそれだけ。プロデュースはEccyだけど、特に…って感じ。3曲目「僕はラッパー」はFragmentの手による曲で、これは良い!攻撃的なビートは抜き差しの加減がバツグンであり、ポテチのラップもノっている。フックも含め、バトルで見せてたような魅力がよく出ているんじゃね?4曲目「マトリョーシカ」も、続いてFragment作。Eccyの「ユウフク」を聴いた時も感じたのだが、こういう方向性はポテチには向いてない気がする。でもこういうビートでこういうラップをやりたがるよね。

5曲目「オロカモノポテチは情けない」はDJ YUI作で、アルバムのハイライト!軽快な上モノと的確に入るホーン、テンポよく進行するラップ。絶対こっち路線の方が良いと思うよマジで。何度もリピートして聴いちゃう中毒性もある。6曲目「蝉」はEstudios Mooreのプロデュース曲。ノスタルジックなビートに、「蝉食った、蝉食った、生の蝉を食った」と奇っ怪なフックが妙にマッチしている。

全8曲。
1、3、5曲目は良かったが、それ以外はどうにもしっくりこなかった。8曲で6人ものトラックメーカーに発注し、1作目からアルバムにバラエティを持たせようとしたのは好感が持てるが、結果とっちらかった印象になってしまった。バトルという即興の場であれだけ観客をロックできる実力はあるのだから、自分の長所を踏まえた曲作りが出来れば更に化けると思う。他のMCにないものを十分に持ってるしね。今後も期待してるゼ!

とりあえず今回はマイク3本、いや、3000VOLT。