5000VOLTもの電撃を受けるとシビれます

自分がビリビリと刺激的電撃を受けたCDやレコードなどの音を中心に、レビューっぽい感じで綴っていきます。よろしくです。


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03年9月発売の、キエるマキュウの3rdアルバム「THE PEEP SHOW (SUPER FREAK)」。まず、これまでのマキュウの各作品に賞賛を送ってきたが、それらを凌駕するほどの内容に驚かされる。今までの彼らがリスナーとの距離感を意識的に保っていたのに対し、今作ではかなり近くに寄ってきたような感覚と言いますか、自分達のやっている事を解りやすくしてくれたのだ。ただポップになったって意味じゃないよ、トラックもRAPも今ままでの延長線上にあるのだけど確実にグレードアップしている。特にトラックとMAGICのRAPが。これはもう、リリース毎に進化を遂げるモンスターグループと言っても過言ではない。

このアルバムは初回限定のみインスト盤との2枚組だったんだけど、リリース後すぐに購入してから俺はインスト盤ばっかり聴いてた。いや、2人のRAPが嫌いなわけではないですよ決して。むしろ好きなんだけど、余りにもインスト盤がオマケの領域を超えた出来だったので、会社とか店とか、日本語RAPを流しにくい場所でのリスニングにインスト盤をプレイしているうちに、それが1枚のアルバムだと認識してしまったのだろう。実はRAP入りの方をちゃんと聴いたのは、アルバム発売後 何年か経ってからだった。

しかしその聴き方は非常に正しかったと今は思える。1曲が終わると、次の曲のイントロが頭に浮かぶほどこのアルバムを聴き込んだ俺に取っては、インストアルバムにRAPが入ったような感覚で本盤に接する事が出来たからだ。このブログを呼んでいるような黒い兄弟ならば、お気に入りのインストアルバム(HIP HOPに限らず)の1枚や2枚くらいあるだろう。そのアルバム全曲に、自分の好きなラッパーのRAPが入っているなんて想像するだけで生唾モンだろ?

1曲目「トップランナー」は、出だしからのワンループがずっと頭に残る。全曲そういう感覚で聴いてるので、この先はこの言葉は言わないけど、それにしてもこの曲にRAPが乗ると面白い。フックの「ビジネスCLASSのバカな奴らさ」というラインは、アルバム発売当時に結成された、ZEEBRAと今井了介のプロデュースユニット「ファーストクラス」を揶揄していると俺は思っている。確かに、時代感覚ゼロで、自分達の信じるHIP HOPを模索しつつも前に進んできたマキュウと、現行USシーンのトレンドも巧みに取り入れるZEEBRAとじゃ、全くHIP HOP像は違うのだろう。1曲目から攻撃モードです。

2曲目「勘違いブラザーズ」はネタ感の強いトラック。3曲目「スーパーフリーク」は、レゲエのCHOP STICKが参加してたんだね。インストしか聴いてなかったので、ゲスト陣も全く知らなかった。しかもこれは、女性ヴォーカルの箇所にRAPが入ってるとは思ってもいなかったな。リリックのヒドさは健在だけど(笑)

4曲目「4 BIG SHIT」はオールドスクール調のドラムメインのトラックで、これは仕事中に脳内フリースタイルしやすくて好き。DABOと岡山のYOUTHが参加したこの曲の内容は、思いっきりディスソング。DABOのヴァースは丸々、MSCの漢に対してのアンサーであり、MAGICはまたもZEEBRAが攻撃対象っぽい。しかし「ありのまま、そのまま、昔のままのオマエじゃ駄目なのか」というラインに、多少なりとも愛を感じる。最後のヴァースのCQはビートに乗れてない気もするが、ベテランの彼が急にどうしたのだろう?

続く5曲目「レシーブ」も、もうMAGICのヴァースがZEEBRAに向けられている気がしてならない。「わずかな自由がキミの最終権利さ」なんて、ギドラの復活アルバム「最終兵器」と掛けているようにしか聴こえないし。しかし、曲中で何回も「応答ドーゾ、応答ドーゾ、こちらキエるマキュウ、応答ドーゾ」と繰り返しているが、ZEEBRAからアンサーが出たという話は聞いた事がない。追い込まれながらもD.Lに返したケーダブを見習って欲しいものだ。あと、この曲のラスト間際のフェードアウト辺りからのチョップ乱打は何でしょう?ツボイ氏でしょうね。

7曲目「サムガールズ」は、俺のケータイの着信音。それくらいこの音は好きだし、ギャル受けも良い。ピアノが綺麗過ぎてメロメロになるし、ビートの抜き差しも絶妙!MAGICのトラックセンスに脱帽です。ゲスト参加のKASHI DA HANDSOMEも、2ndの「DO THE HANDSOME」を彷彿とさせる相性の良さ!外さないな~。MAGICのヴァースの「ロミオが馬鹿かどうかって事は、どうでもいいのさこのドラマ」は俺的パンチライン。アルバムから唯一のシングルのB面だったんだけど、12インチは必携!

8曲目「FADE AWAY」もピアノループが印象的なトラックだけど、ドラムが強めでちょっと攻撃的。しかしこれ、BIG-Oが参加してたのかよ。リリックの深みがマキュウの2人とダンチじゃないですか。デビュー当時の変態リリックのOSUMIだったら凄くマッチしたんだろうけど、2003年のBIG-Oですよ、笑うしかない。「汚く美しいこの戦場、行き場のない思いが炎上、俺が今ここでライム献上」って…。初めてリリック書いた高校生かよ!9曲目「透明な目」は、元ネタ解んないけど良質のスウィートソウルからだと思う。これもネタ感が強くて好き。MAGICの「相手を喜ばすのがプロならばオレはアマ」や、CQの「純情であればある程、人生というものは悲劇だ」のラインがツボを刺激する。

10曲目「ミシシッピー」は、色気のあるピアノの旋律に対しての、ブレイク時のネタとスクラッチの溶け込み具合が良い。MAGICのヴァースの「オレは地下鉄で声かけられ…」から、「酔ってんだ良い気分だうるさいな、よー兄さん金は持ってんのか?、ああ少しなだがオマエにやる金はねー、そうか良い気分だな…オイ!」のラインは生々しい。続く「ブルッちまってもオマエに負けられねー、5,6人に囲まれフクロにされ、殴られ蹴られ前歯を折られ、倒されながら考えた、頭を守んなきゃ、生きるんだ!」も、多少なりとも暴力という側面も併せ持つ夜のストリートを歩いてた男子ならば解るだろう。11曲目「非常口」は、昨日レビューした「失恋ヘビー級」で軽くお披露目されてた曲。あれもインストだったし、オレが聴いてたのもインスト盤だったので、この曲が一番、RAPが乗っている事に驚きを感じる。

12曲目「ドリーマー」は、シングル曲。このビートと音空間は、マキュウの魅力を伝えるのには非常に解りやすい曲だろう。スクラッチネタの音がいきなり大音量になるトコなんて、普通やんないっしょ!しかもスクラッチネタがHACかよ!懐かしいな。13曲目「COMING SOON…」はアウトロで、最後はボーナストラックの「殺しの序曲 」が収録されている。これは、SUPER 7(マキュウの3人、RHYMESTERの3人、KOHEI JAPAN)という7人組の曲。マキュウもライムスターもKOHEIも好きだけど、これは化学反応を起こせなかった。確かパンクラスの選手の応援歌だったような。

全14曲。
最後のボートラが必要だったとは思えないが、完成度が高過ぎるアルバムだ。こんなに長いレビューになったのは初めてですよ。モチロン2枚組を購入し、インスト盤から聴く事を激しくオススメする。

但し、このアルバムでやりきった感があったのか、これまでコンスタントに作品をリリースしていたマキュウがもう5年も音沙汰がないのが悲しい。しかし これがラストアルバムだとは思いたくないし、まだまだこの世界観でのHIP HOPファンタジーを魅せてほしいと切に願う。

殿堂入りのマイク5本、いや、5000VOLT。




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