RED AND GREEN編10

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オープン日が決まりました。

K君によると、ケーキ屋さんのオープンは大々的にするのが業界の慣習との事でした。
新聞折り込みチラシをたくさん配り、オープン3日間は焼き菓子のプレゼントを付けて、とにかく最初にお客様に認知してもらう事が重要だと教えてもらいました。

オープンが決まり数日前から準備が大変でした。備品類の種類もたい焼き店とは比較にならないほど多く、焼き菓子の包装作業も慣れないうちは苦労しました。やるべき細かい作業が恐ろしくありました。
前日、前々日は夜中まで作業が終わらなかった記憶があります。

K君に最初からここまでハードにしなくても良いのではないの?と聞いたら、「クリスマスの時はこんなものではないです。その時の練習の意味もあるんです。」という答えでした。



その前に大事な事を書き忘れていました。

ケーキ屋は接客のオペレーションがたい焼き店だけでなく、他の飲食店と比べても難しいと思います。
オープン前に、K君の紹介でK君の兄弟子に当たるSさんのお店で、一週間ほど私とスタッフの女の子で研修をさせてもらいました。

甘く考えていた訳ではなかったのですが、これが想像以上に大変でした。

私も百貨店で接客にはある程度慣れていましたし、たい焼き店の経験もあります。
すぐに出来るようになるだろうと思っていました。

研修が始まってすぐに気付きました。難しい..!

まずケーキそのものが繊細で、箱に詰めるだけでも神経を使います。
またケーキは一つの形だけでなく、丸形や三角形、四角形、様々で、大きさも違います。

注文を受けるとそれを箱に詰めていきますが、瞬間的にそれに合う大きさの箱を選んでパズルのように入れていきます。
箱が大きいと隙間が出来てケーキがズレやすくなって崩れてしまいますし、小さいと入りません。

その時はショップのお手伝い程度の仕事だけでしたがケーキの原材料や味の知識、焼き菓子の包装のやり方、誕生日ケーキの予約の受け方、覚える事が多く大変でした。

この時初めて、ケーキ屋という仕事の大変さの一端に触れました。

Sさんには感謝しています。Sさんの店のケーキは本当に美味しく、今でも時々食べたくなって買いにいきます。


続く

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