西二階町本店編4

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遊示堂西二階町本店の、前の道路を挟んで向かいのお店はT薬局さんでした。(現在は休業中)
T薬局さんは戦前からお店が続く老舗でした。

オープン当初、右も左も分かっていないような私でしたが、商店街の決まりなど、いろいろ教えてもらいました。初めの頃は眼鏡の奥の眼光が鋭く、ちょっと怖そうな人だな、と思っていましたが、優しく接して頂きました。

現在の遊示堂では開店前にお店の前だけでなく、周辺も丁寧に掃除するようにしていますが、この習慣はTさんに教えられたものです。オープン当初、お店の前をちょこっと掃き掃除だけしていた私に、「それではあかんよ」と注意してくれました。

お話すると、意識が高い方だったので、遊示堂が東京まで進出した事を知ったらすごく褒めてくれていたただろうな、と思うのですが、お若くして病気の為に他界されてしまいました。残念でなりません。


売り上げの方は2ヶ月過ぎて5月に入っても勢いは衰えず忙しい毎日が続きました。
6月になって梅雨に入るとさすがに少し暇になって来ましたが、お隣のブティックのオーナーから、「もうすぐゆかた祭りがあるよ」と教えてもらいました。ゆかた祭りとは姫路の伝統的な大きなお祭りで、西二階町のすぐ近くにある長壁神社周辺で行われます。
当時は現在のものよりも規模が大きくて、お祭り時に出店する屋台の数は当時西日本一多いと言われていました。

また忙しくなるな、と楽しみにしていましたが、ここで思いがけない事が起きます。



ゆかた祭りの一週間前くらいでしょうか。女性スタッフと二人でお店を営業していると、窓からいかつい雰囲気の二人組の男の人が、スタッフに絡んで来たのです。いちゃもんをつけてくる感じです。
「お前の店な、ゆかた祭りの時は閉めておけよ」とかも言われました。
一体何者なんだろうと、ちょっと怖かったんですが、精一杯強がって、「そんな事は出来ません」と言い合いになりました。
その場はそれで帰って行きましたが、またその後から来て、「店を開けるんなら祭り期間中はたい焼きの値段を150円にせえ」と言って来たのです。

そこで、ああ屋台の関係の人か、と分かりました。屋台の中にも何軒かたい焼き屋さんがあり、そこは150円で売っていた訳です。

しかし遊示堂は当時80円。他の店が売れなくなると考えたみたいでした。


続く
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