2011年02月28日(月)

★ 『恋とニュースのつくり方』

テーマ:【ラブコメ/ ロマコメ】
2010年。アメリカ。"MORNING GLORY".
  ロジャー・ミッシェル監督。
 アメリカ版の菅野美穂っぽい(年齢も同じ)、レイチェル・マクアダムス出演の映画が最近増えてきたが、
 ティム・ロビンスやマイケル・ぺーニャと共演した『それぞれの空に』で、演技の基礎がしっかりしている役者はやはりすばらしいと思っていたが、 『シャーロック・ホームズ』では思わせぶりなキャラクターの割に出番が少なくて多少失望したりもしたが、今年公開予定の続編での活躍に期待したい。
 『きみに読む物語』のときは、それほど興味を感じなかった俳優だったが、なぜか最近は気になる女優となった。
 やはり、『それぞれの空に』での熱演が印象が強かったせいかも知れない。

 多少は空回りしながらも、全力投球で仕事に打ち込む、ときには落ち込んだり浮き沈みもやや激しい。これはレイチェル・マクアダムスのこれまでの俳優キャリアそのものに近く、この映画の主人公ベッキー役はレイチェル・マクアダムス以外には考えられないほどの当たり役に見えた。
 (実際はキャサリン・ハイグルが演じても、リース・ウィザースプーンが演じても、クリステン・ベルが演じても、ミシェル・モナハンが演じても、それなりにきれいにまとまった映画にはなっていたとも思う。)

 監督のロジャー・ミッシェルはロマンティック・コメディの名手と言われている人物だが、製作スタッフに、なぜかJ・J・エイブラムスなどの『LOST』のチームと、『プラダを着た悪魔』のチームが混じり合った混合チームとなっている。

 映画の宿敵であるテレビ業界の悪しき部分や、ばかばかしい部分、ダメな部分を強調した、「やっぱり娯楽産業の王様は映画だよ!」という裏テーマもありそうに見えないこともないが、悪意は感じられない。テレビ業界でも仕事をしている人々が参加しているせいで思い切ったブラックな笑いが作れなかったのか。
 もともとロジャー・ミッシェル監督が悪意などを取り込むことを好まない善意の人である影響が大きいのだろう。

 基本的な物語の流れは、脚本家が同じであるせいで、『プラダを着た悪魔』と似ているが、あまりに破綻がなさ過ぎるような気がする。
 予告編を見て思い描いた、「こういう作品なのだろう。」という予想からはみ出す部分などまったくない、と言っても良いほどにバランスの良い、きっちりと出来の良い映画だったが、
 この映画はこれでいいのだ。ハリソン・フォードは相変わらず、いつものハリソン・フォードだし、ダイアン・キートンはアッパーな元ミスコンの女王の役で、これもいつものダイアン・キートンの範ちゅうに収まっている。
 しかし、実在の俳優、レイチェル・マクアダムスも私生活ではこういう人ではないのか、と思わせるベッキーの思わず応援したくなるキャラクターが素晴らしいので、結果的にはレイチェル・マクアダムスがこの映画の質を向上させ、作品におおらかさと輝きを与えた。
 この種のコメディとしては上の中(あるいは上の下)くらいのレベルにはあるのではないか、と思った。
 音楽はジョス・ストーンや、ニュートン・フォークナー、ナターシャ・ベティングフィールドなど、案外あたりさわりのない普通の平凡な楽曲が使われている。この映画には似合っている。(50セントことカーティス・ジャクソンが出るお笑いシーンもあった。)
     IMDb           公式サイト(日本)
映画の感想文日記-morningglory5
 大不況時代にラブコメを作るには、どうすれば良いのか、というヒントをこの映画はたくさん含んでいるような印象がある。
 『噂のモーガン夫妻』や、『セックス・アンド・ザ・シティ2』が時代に適合しない古くさいもの、過去の遺物と化した今、こういう映画こそが求められているに違いない。
 職探しに苦労し、やっと手に入れた仕事が自分の思い描いていたものと大きくかけ離れていたショックは、多かれ少なかれ誰もが経験する試練でもあり、その苦難を演じるレイチェル・マクアダムスは2010年代のキャリア女性の偶像となる可能性も秘めている、という点も菅野美穂と重なっている。
映画の感想文日記-morningglory3
 いつの間にか名脇役となった『ニューヨーカーの青い鳥』のジェフ・ゴールドブラムが視聴率至上主義のいやみな上司を演じる。名脇役だけに、ただ者ではない存在感はただよわせていた。
映画の感想文日記-morningglory7
 ベッキーがテレビを天職とする契機になった、伝説の報道キャスター、マイク(ハリソン・フォード)を持ち前の熱意と押し出しの良さで(ぎこちないながらもプレゼンテーション能力は高い)、彼女がプロデューサーを務める朝の情報番組に就任させるが、プライドの高いマイクはまったくやる気を見せない。
 NHKの『クローズアップ現代』のキャスター、国谷裕子が、フリーになったとして、TBSの『はなまるマーケット』の司会をやらされたような心境だろう。
映画の感想文日記-morningglory4
 21世紀のロック・ハドソン、ことパトリック・ウィルソンとの恋のエピソードもあったが、パトリック・ウィルソンの出番やせりふに工夫が足りないのか、あまり目立たず、印象も薄い。
 短い割にはめまぐるしい展開のドラマなので、犠牲になる配役も出てくるのは仕方のないことではあった。
映画の感想文日記-morningglory1
 視聴率は低迷し、番組打ち切りが打診されてから、ベッキーは思いきった手段に出て、視聴率回復大作戦を開始する。目的のためには手段を選ばないメチャクチャさが笑いを誘いはするが、日本の民放テレビ局はこういうことをすでにやってもいるので、それほどの意外さは感じなかった。
 テレビ局は堕落したメディアだということは、日本人の多くが知っている前提条件でもあるので、意外とアメリカのほうが、まだテレビはまともに機能している部分もあるのかもしれない、と思ったりもした。
映画の感想文日記-morningglory6
 最後の方でマイクがベッキーにアドバイスする言葉が、テレビ業界で生きることのむなしさを的確に言い表しており、やはりテレビはダメなメディアなのだ、ひまがあったら映画を見るに限る、と思ったことだった。
 最初から最後まで、レイチェル・マクアダムスの魅力につきる映画、レイチェル・マクアダムスのファンは必見の映画だが、そうでない人も、この映画を見たら、一挙にレイチェル・マクアダムスのファンになってしまうに違いない(はず)。
 「モーニング・グローリー(朝顔)」というタイトル(オアシスのセカンドアルバムと同じ)通りの楽しいひとときと、明日からの生活への希望と活力を手に入れることができる素晴らしい映画であり、物語が薄っぺらで浅はかなどと文句を言ったりすると、せっかくの製作スタッフの善意が台無しになるので、禁句とするべきだろう。
 たいした映画ではないが、大した映画でもあるのは観客の心の持ちようにゆだねられている。
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