2010年01月22日(金)

★ 『フェーズ7』

テーマ:【ホラー/ スリラー】
2009年。フランス。"MUTANTS".
  デヴィッド・モーレイ監督・脚本。
 角川エンタテインメントが発売する「危機的状況!クライシス・シリーズ」のフランス製ゾンビ映画。インフルエンザの流行でよく聞く階層区分になったフェーズという言葉が使われている。(原題は違う)。
 世界保健機関(WHO)の区分によると、フェーズ7は感染が爆発的に拡大するフェーズ6から回復した状態をあらわすようだが、この映画ではゾンビ・ウィルスが拡大して人間が死滅しかかった状況をあらわしている。
 出来事はゾンビ映画の決まりごとどおりに進行する。

 フランスはゼロ年代のホラー映画界の前衛だったことが10年代に突入した今では明らかになったが、このかなり低予算の作品でも、ロケーションの見事さも手伝って、センスの良いところを見せている。
 ゾンビ映画の形式を借りた愛の物語になっているところがフランスらしいような気がするが、考えてみればすぐれたゾンビ映画は愛についての問いかけのような作品が多いのだった。
 この『フェーズ7』も、主人公の恋人である男がゾンビ化する以外は夫婦の愛情物語みたいなものだった。工夫を凝らしてある場面もあったが、いまひとつ物足りなさもあって、B級スリラーのレベルにとどまってしまった。
 絶望感と救いのなさがギャング映画の逃亡ものにちょっと似た雰囲気があった。

 主役のソニアを演じるエレーヌ・ド・フジュロール(ジャック・リヴェット監督の『恋ごころ』にも出演していた舞台出身らしい演技派女優)のほぼひとり舞台で、他のキャストもキャリアのしっかりした俳優が集められていて、期待しないで見たら、意外と面白かった。
IMDb
映画の感想文日記-mutants
 ほとんどの人間がゾンビ化してしまった状況で、救急救命士のソニアと夫のマルコ(『あるいは裏切りのいう名の犬』や『マルセイユの決着(おとしまえ)』に出演していたフランシス・ルノー)は、軍がコントロールしているらしい避難区域を目指して雪山を救急車で走りつづける。
 雪と氷におおわれて灰色がかった風景と、色味をおさえて白と黒だけのモノクロ映画に近い撮影が雰囲気を盛り上げていた。
 元は病院か学校かホテルか何かだったらしい巨大でがらんとした建物内を逃げ回るだけなので、予算はジョージ・A・ロメロの『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と同じくらいだろう。
 途中でちょこちょこ登場してきては襲われて死んでゆく人々も、型にはまったものだったが面白いキャラクターがあった。
 ウィルスに感染してしまった夫とともに生きようと決意しながら、やがてあきらめ、夫に安らかな死を与えるまでの旅路を描いた物語。
フェーズ7 [DVD]/エレーヌ・ド・フジュロール,フランシス・ルノー,ディダ・ディアファ
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