2008年03月10日(月)

★ 『潜水服は蝶の夢を見る』

テーマ:【ヒューマン・ドラマ】
2007年。フランス。"LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON".
ジュリアン・シュナーベル監督。ジャン=ドミニク・ボビー原作。
 マチュー・アマルリック(Mathieu Amalric)という俳優が、特別な存在に思われてきたのは、確か、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ミュンヘン』を見たときに、謎の男ルイというチョイ役だったにも関わらず、
 その後、『ミュンヘン』は、マチュー・アマルリックが出演していた映画、としてだけ記憶に残っていることに気づいたあたりからだったかも知れない。
 ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』を見たときも、仮面をつけて出てきただけなのに、すぐにマチュー・アマルリックだとわかる存在感を発揮していた。
 もともと、『そして僕は恋をする』 (アルノー・デプレシャン監督)を見たときに、そのあまりの面白さと素晴らしさに圧倒された俳優だった。
 決定的だったのは、同じアルノー・デプレシャン監督による、『そして僕は恋をする』の続編、あるいはスピンオフ的な映画、『キングス&クイーン』 を見た瞬間に、マチュー・アマルリックの偉大さを思い知ったことだったように思う。
 そして、自分にとってマチュー・アマルリックという俳優は、俳優の中の俳優、「俳優の王様」となった。

 それだから、この『潜水服は蝶の夢を見る』という映画がすぐれているかどうかなど、実際のところはどうでも良かった。ただ単に、マチュー・アマルリックが演じていることだけで素晴らしい映画になっているに決まっている。
    IMDb         公式サイト(日本)
papillon4
 映画はジャン=ドミニク・ボビーという実在の人物が脳梗塞で全身麻痺に陥り、眼の瞬きだけで執筆したという原作(読んでいない)に基づいたものらしい。
 元ELLEの編集長だったという経歴からは想像できないが、文学に深い造詣を持っていた人物らしいことが、映画の中で断片的に示されている。
papillon6
 潜水服という形容からは、映画の中で主観的な映像として描かれていた息苦しさ以上の、想像を絶する苦しみがあったのかも知れない。
 しかし、ジャン=ドミニク・ボビーという人物は、周囲の人間に、本を執筆するという目的のためだったとは言え、人生におけるもっとも貴重で輝かしい時間として回想されることになるだろう想い出をプレゼントすることに成功する。
 その時間があまりに貴重な宝石のように思われたから、この映画が作られたのだろう。
papillon3
 マックス・フォン・シドーが演じる父親のひげを剃ってやるマチュー・アマルリックの数分間の場面だけで、この映画は十分に素晴らしい。この場面だけ独立した短編映画にしても良いほどに感動的なものがあった。
papillon2
 使われている音楽はヴェルヴェット・アンダーグラウンド、トム・ウェイツ、ジョー・ストラマー&メスカレロスなど、日本人好みの感じがあったが、
 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの安っぽいコピー・バンドみたいなウルトラ・オレンジ&エマニュエルというフランス人バンドの、『Don't Kiss Me Goddbye』という曲がみょうに気に入った。
papillon1
 マチュー・アマルリックの次回の出演作は『007』シリーズの悪役らしい。"I don't want be a star."という発言をするほどに、脚光を浴びることを嫌うマチュー・アマルリックだけに、ハリウッド映画では、チョイ役だけにとどまっているつもりなのだろう。
papillon5
潜水服は蝶の夢を見る/ジャン=ドミニック ボービー
¥1,680
Amazon.co.jp
潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】
¥3,652
Amazon.co.jp
AD
いいね!(1)  |  リブログ(0)

AD

Amebaおすすめキーワード

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

ランキング

  • 総合
  • 新登場
  • 急上昇
  • トレンド

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。