2006年。Fox. "BORAT: CULTURAL LEARNINGS OF AMERICA FOR MAKE BENEFIT GLORIOUS NATION OF KAZAKHSTAN".
ラリー・チャールズ監督。サシャ・バロン・コーエン製作・脚本・出演。
イギリス人のコメディアン、サシャ・バロン・コーエンが、ボラットという名前のカザフスタン国営テレビのレポーターという設定で、アメリカの東海岸から西海岸まで、ゲリラ撮影で、人々にひんしゅくを買いながら旅してまわったドキュメンタリー作品。

 アメリカ人の好きなはずの、下ネタと人種差別ネタで、会う人ごとにいたずらを仕掛けながら、その許容限度を超えたギャグで、アメリカ人はユーモアを理解するように見えて、実はユーモアを全く理解せず、攻撃的で保守的で差別意識のかたまりであることを明らかにしてしまった危険な作品。
 もっとも自由な街だと思われているニューヨークで、ボラットは、会う人ごとに、「近づいたらブッ殺すぞ。」とおどされ、あげくの果てに殴られる。実際、それくらいの反応を呼ぶくらいに気持ち悪いことをしているからなので、当然とも思われる。
 おそらく、日本人が同じことをやったら、間違いなく殺されていたのではないか、と思われる危険なイタズラを各地で仕掛けて回り、それを見てハラハラするのが映画の見どころになっている。
 ここまで命がけのギャグは、軽く『Jackass』 を上回っている。
 誰をも嫌な気分にさせるボラットというキャラクターになりきって、アメリカ横断の旅をするサシャ・バロン・コーエンという人のお笑い芸人魂には、ここまで徹底すれば、尊敬の気持ちが生まれるほどのものだった。
 やりすぎで、引く場面も多かったですが。
    公式サイト(日本)
IMDb
     MY SPACE(ボラット)
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共和党支持の南部の右翼的観客が集まるロデオ大会でアメリカ国歌をおちょくった歌を歌い、殺されそうになる。
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上流階級の人々との食事の席で、下ネタを使い、ドン引きされ、電話で売春婦まで呼び出して追い出される。
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心優しい売春婦とのエピソードは素晴らしい、しいたげられ、差別され続けてきた彼女の人生が浮かび上がる。
 と思ったら、彼女は俳優らしく、この場面は演出だった。しかし、もっともリアルなアメリカを感じる場面にも見えた。
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ストリートにたむろする黒人たちとも打ち解ける。もっとも差別され、危険だと思われている人々が、実は心優しく、気取った白人が、偽善的で、もっとも危険だというアメリカの本来の姿が明らかにされてゆく。
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『ベイウォッチ』というテレビ番組を見てパメラ・アンダーソンに取りつかれたボラットは、サイン会で彼女を拉致・誘拐しようとする。
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現在いくつもの訴訟が進行中らしい。訴えられて当然のようなことばかりやっているので、最初からそれは計算に入っていたものとは思われる。
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Original Soundtrack
Borat