昔から馬鹿と煙は高いところが好きと言いますが、例に違わず、私も高いところに無駄にロマンを感じてしまう部類の人種でして、富士登山はその最たるもの。

 

それに、富士山は良いです。

 

 

みかんうさぎが2年生の頃も二人で富士登山にチャレンジしたのですが、また体力が足らず、途中で下山するという悔しい思いをしました。

 

今年はゆずネザーランド・ドワーフも連れて3人でチャレンジ!!

 

前回は最短ルートである富士宮口を朝一から登り、夕方までに下ってくる日程を立てていたのですが、登りは良くても下りが子供にはかなり厳しい道のりだったため、今回は下りが楽な吉田口を選択しました。

 

一日目は余裕をもって麓に9時頃に到着し、シャトルバスで5合目にアプローチ。

標高3,000mにある山小屋を目指します。

 

時間に余裕があるため、5合目でしっかりと高地順応を行い、6合目、7合目と登っていきます。7合目に差し掛かるくらいまでは、それほど空気の薄さも厳しくないため、高山病の症状もなく、登っていきます。

 

7合目から先はやはり空気が薄くなってくるため、ペースを落とし、休みながら進みます。

一日目ということもあり、余裕をもって山小屋には15時前に到着。

 

雄大な雲海をゆっくり眺めたり、広間でうにゃうにゃ遊んだりして時間を過ごします。

 

それにしても山小屋のごはんはおいしい!普通のハンバーグなのになんでこんなおいしいの!?とみかんもゆずも感激の様子。

 

これも富士登山の醍醐味。

 

富士山の空は刻一刻と変わり、眼下に山々を見下ろしたと思えば、一面雲海になったり、夕暮れ時には雲海と空の雲の間に虹色の夕焼けが見えたり。

 

夜になれば高地ならではの満点の星空と、眼下には街の夜景が楽しめます。

 

 

娘たちと景色を楽しんだあと山小屋で就寝。

興奮とハウスダストで中々眠れなかったようですが、それでもやっぱり子供。ぐっすり就寝して明日に備えます。

 

 

山小屋の朝は早く、同部屋の人たちはほとんどが夜明け前に出立。

ガタガタと音が響いて私はほとんど寝られず。ヤベーキツイー。

 

それでも、ご来光は見ないと!ということで3時過ぎには起きて夜明けに向かう空をずっと眺めていました。

 

みかんとゆずも3時半には起こし、一緒にご来光を見てから出立。

 

出発してすぐ、みかんは胸がちょっと苦しいと訴えだします。恐らく昨日のハウスダストと高山病の合わせ技。

 

休み休み歩を進めていき、8合目に到達。8合目からはもう完全に空気の薄さとの闘い。

つづら折りを1つ2つ進むごとに休憩をしつつ、なんとか坂を這い上がります。

 

日頃勉強メインで、運動はそれほどやっていないみかんにとって、この状況はかなり辛い様子。高山病の症状と戦いながら登っていきます。

対して、学校のクラスでも選抜に選ばれるほどのゆずはみかんより余裕があるみたい。

 

満身創痍になりながら9合目に到達し、頂上を目前に見据えながら少しずつ、少しずつ。

 

一歩一歩を踏みしめて進んでいきます。

 

絶対に諦めない。それが大事なんだと、何度もみかんとゆずに話しながら。

 

9合目を通過して頭痛や吐き気など、高山病の症状も強くなっていく中でそれでも進み続け、ついに山頂の鳥居へ!

 

 

必死で頑張ったみかん。自分も辛いのに姉を励ましがながらがんばったゆず。

 

 

三人で手をつなぎ、鳥居をくぐりました。

 

 

へたり込みながら、涙を流すみかんの姿がそこにはありました。

2年前、がんばりにがんばって9合目まで行ったのに、そこで諦めたみかん。

 

涙を流すみかんを見て、私も目頭が熱くなりました。

 

本当によくがんばったね。ここまで来られて本当に良かった。

 

 

 

山頂では、金剛杖に刻印をもらったり、お土産を買ったりするものの、高山病の症状が抜けず、夕方まで時間も限られた中で、食事をしてからすぐに下りだしました。

 

 

吉田口の下りは砂走が永遠と続きます。

すでに満身創痍なみかんとゆずには中々厳しい道のり。

 

みかんが弱音を吐くとゆずが励まし、ゆずが危ないことをしそうになるとみかんが諫めたり、限界な状況でもお互いを気遣える2人。

 

しかし、みかんの高山病の症状はどうしても良くならず、厳しい状況が続きます。

ゆずは、そんなみかんを見てか、決して弱音を吐かず、寄り添いながら進んでいきます。

 

私も、何としても日暮れまでには5合目まで下らなければならないという命題を抱えて、2人を励ましながら下っていきます。

 

自分のペースで登山が出来ないのは想像よりずっとキツイ作業でしたが弱音は吐いていられません。

 

7合目あたりで、他の登山者に助けを求めている人が。傍らにはうずくまっている子供。どうやら子供が高山病で動けなくなってしまったということでした。

 

他の登山者の方が対処していたので、声だけかけて前に進みます。

 

なんとか下らないと、私たちもこの状況になってしまうと思いゾッとしました。

 

その後も必死で下り、何度もへたり込みながら、なんとか午後6時頃に5合目に到着。

 

午前4時過ぎから14時間の工程をなんとか乗り切りました。

 

シャトルバスに乗り込むなり眠り込む二人。

 

駐車場で自家用車に乗り換え、家まで帰宅しました。

 

 

これから2年半。受験という山は恐らく富士山よりずっと長く、そして厳しいでしょう。

小2のとき挫折してしまった富士山登頂を、なんとしても今、成功させたかった。

 

みかんの頑張りでそれがなんとか成し遂げられました。

 

ゆずもみかんに十分対抗できる体力があることが分かってかなり自信が付いたでしょう。

 

ふつうの小学生にとって、富士登山はかなり厳しい経験ですが、得るものは本当に大きいと思います。

 

みかん、ゆず、本当によくがんばったね照れ