2003年 韓国


オールド・ボーイ


【出演】

チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン

【あらすじ】

妻と幼い娘を持ち、ごくありふれた生活を送っていたサラリーマン、オ・デス。彼はある雨の日にいきなり誘拐され、狭い部屋に監禁されてしまう。理由も知らされないまま監禁は続き、その間食べる物は与えられたが、外を見ることもできず、できるのはTVを見ることだけ。やがて1年が過ぎた頃、ニュースで妻が殺されたことを知る。そして自分が容疑者になっていることも…。



超衝撃の結末!!



(常時ネタバレ発信中)



会社の同僚に面白いから観て!と言われて観ました。


カンヌでグランプリをとっただけある作品。 あの衝撃の結末に思わず、「えぇー!」 独り言を言ったぐらいですから。 カンのいい方はもしかしたら途中でタネが分かってしまうかも知れませんが、今回私は決め手となったシーンを観るまでサッパリ分からなかったので余計に驚きました。 そして更に苦しみや悲しみが襲ってきました。


これは観る前に結末を知ってしまうともったいないので、ここから先はダメですよー。



デスは監禁生活を続ける中で壁に穴を開け始めるんですが・・・外に出た時にナゼかトランクケースの中に詰め込まれた状態で出てくるのです。 そのうえ身なりもちゃんとしてるじゃないですか。 何で?何で?どーして?とさっそく疑問が浮上するのです。


そして、ミドという女の子と出会い彼女の協力を得ながら、一体誰が何のために自分を監禁したのか探っていくという話。 早い段階で自分を監禁した男に会うことになるんですが、その男は 「ナゼ自分が監禁されたのか知りたいだろう?」 と言い、自分に復讐するのはそのあとだと言い、デスも理由を知る為に更に過去を探ります。


ウジン。デスの高校の同窓生でした。

デスは全てを思い出し、ウジンに復讐しに行きます。


でもウジンは、”ナゼ監禁したのか” ではなく ”ナゼ解放したのか考えろ” と言うんです。 確かに15年も監禁したあとウジンの手によって解放させ、ここまで来させたのは何らかの意味があってのこと。 ここまで来たのに、まだ何かある雰囲気が漂います。


ウジンは実姉と関係を持っていたことをデスに知られ、それが原因で姉は自殺してしまったのです。 


でも監禁しただけじゃ、思い出させただけじゃウジンの復讐は終わらなかった。


デスが愛し合ったミドは、死んだと思っていたデスの娘だったのです。


ウジンはデスとミドに催眠術をかけていて、全て、全てウジンの思惑通りにことが進んでいたというわけです。 知らなかったとはいえ、実の娘と関係を持ってしまったのです。

ウジンは自分は姉と全てを知ったうえで愛し合っていたんだと、でもお前らはどうだ?と言ってデスを追い込みます。 追い込んで追い込んで、もう自分のやることはやったんでしょうか、最後には自滅しました、ウジン。 


物語の中で、キーポイントになる紫色の袋や箱が出てくるんですが、いつもそこにヒントが隠されているんです。 最後の決め手になった箱の中身はデスの家族写真でした。 めくるたびに子供が大きくなっていくと、それがミドだったというわけです。 あまりにも衝撃的すぎました。 こんなに驚いたのは久しぶりです。


ウジンと姉の密会を目撃したのはデスだったけれど、広めたのは違う人だったのに・・・15年という長い年月を復讐するためにだけ生きたんですよね、ウジンは。 ミドを4歳のころから保護し、ある程度の年齢になるまで待ったんでしょうね。 そうさせるために。


気になったのは、最後結局ミドは知らないままなんですが、デスは催眠術師に記憶を消してもらうんですよ。 ミドのことやウジンのことも。 それってズルイんじゃないの?と思ったのは私だけでしょうか。 そしてミドと暮らしていくんですよ、何だそれ。 しかも催眠術師が救ってやろうと思わせた言葉は、最初の頃のシーンで自殺しようとしていた男が言った言葉だったんです。 それをきっと本能的に覚えていたから書いたんだと思うんですよ。 自分の言葉じゃない他人の言葉で助けられたわけです。 ずっるーいと思いました。


それにしても・・・問題作じゃないかってぐらい凄かったですね、ほんと。 えぐいシーンも韓国映画ならではで多いので何度も目をふせましたが・・。 凄いんですけど、哀しい。 哀しいんだけど、凄い。

結末を知ったあとで、あのデスとミドが愛し合ったシーンを思い返すとゾッとします。