インビクタス/負けざる者たち
テーマ:2010年日付:2010/3/07
タイトル:インビクタス/負けざる者たち | INVICTUS
監督:Clint Eastwood
劇場:TOHOシネマズ小田原 PREMIER
パンフレット:あり(\800)
評価:★★★
コメント:
史実を扱うのがお得意なイーストウッド監督ですが、今回は極力事実に基づくエピソードの積み重ねに腐心していた模様。その結果、どこか"実話"に映画力が打ち負かされてしまったかのような印象です。
「硫黄島からの手紙」や「チェンジリング」のように、実話を基に"映画"というエンタテインメント(=フィクション)を構築してきたこれまでの作品とは、何処か、何かが異なる。ネルソン・マンデラという偉大な人物の偉業と、彼が引き起こした"奇跡"をスクリーンに再現する為に、何かが犠牲になっているような気がしてならない。
その「何か」とは、映画としてのリアリズム。
「その瞬間、国中が一つになった・・・・」1995年のラグビーWカップで、開催国である南アフリカで起きたドラマは、事実なのでしょう。この出来過ぎの試合結果に付随した人々の変化も熱狂も、確かにその通りだったのでしょう。
観る側もこれが事実なんだと判っていて、マンデラ氏の偉業も彼の不屈の精神もここで描かれた通りなんだと判っていて、それでも尚降りかかる映画としての空々しさ。個人的にリスペクトしてやまないこの監督の作品にして拭い去れない居心地の悪さ。ホントにこんなに一つになれてたの・・・・?という穿った観方に・・・・
マンデラ氏をリスペクトするあまり、彼と彼が導いた幸福な一瞬の素晴らしさを何のてらいもなく賛美するあまり、いつものクールな視点が曇ってしまったかのような気がします。妻と娘とのエピソードも、ここだけ宙に浮いたようでプライベートな一面の描写としても中途半端。
期待が大きかった分、反動で残念だった面ばかりのコメントになってしまいましたが、そんな悪い作品じゃないです。作品のテンポはいつも通り、何より監督の視線自体がいつも通り共感できるものですから。
パンフはやや大判(右はチラシ)






