中央園芸のブログ

(株)中央園芸の庭づくりの様子や、日々の出来事


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こんばんは、押田です。

9月も半ばになり、かなり涼しくなってまいりました。

 

先月お盆明け、弊社「雑木の庭モデル庭園」の剪定をしました。

コナラを主木としてヤマザクラ、シラカシ、ヤマモミジ、アオダモ、ナツハゼ・・・

近隣の雑木林に生育する木々を植栽した、「雑木の庭」の剪定です。

 

植栽して3年半、目立った害虫も発生せず、穏やかな成育を見せています。

 

剪定とは、風と光を通すこと・・・

枝が風になびくところで剪定するという、風の剪定を行いました。

程よく風と光が通る、心地よい庭になりました。

 

 

 

こちらは、2か月前の7月11日、「オッシー農場(仮名)」!

仕事に追われながらも、ようやく時間が取れ、

とても暑い日でしたが、大豆の種を撒きました。

 

畑は大きく畝(うね)をつくり、地形の落差をつけました。

大豆を撒いた後は、乾燥防止のため、枯れ草を敷きました。

 

大豆を撒く時期が遅すぎたか・・・

暑くなりすぎたか・・・

 

そんな不安がありましたが、7月23日、大豆は何とか芽を出してくれました!

 

 

 

 

そして1か月半後の8月31日。

大豆はとても元気に成長していました!

 

埼玉県北部の酷暑の気候にも耐え、見事な成育です。

 

こちらの大豆は無農薬、無肥料。

そして、草の管理は根っこから抜かずに草が風になびくところで刈るという、

風の草刈りをしているだけ。

 

僕は野菜作りは全くの素人ですが、葉の色つやも良い。

 

先程の庭の管理も樹木消毒は一切していませんが、目立った害虫は出ません。

 

何かコツがあるのですか?

とよく聞かれるようになりました。

 

 

 

僕も今まで色々と試行錯誤をしてきましたが、

現在は

空気と水の流れがとても大事だということが、わかってきました。

 

 

 

それを学んでいるのが、

 

 

 

 

 

 

山梨県上野原市に拠点を置く、

杜の園芸の主催する、【大地の再生講座】です。

 

僕も、この講座で学んでから、

 

なぜ樹木の調子が悪いのか?

庭の水はけを良くするには・・・

雑草を楽に管理するには・・・

荒れた竹林を何とかしたい・・・

 

など、今までは

 

どうしたらよいのか?

原因は何なのか?

そして、どうすれば改善できるか?

 

本当にわからないことだらけでしたが、

この講座に行ってみて、ようやく謎が解けたような気がしてきました。

 

 

杜の園芸の矢野智徳さんとスタッフが、様々なフィールドでの問題や悩みを解消していくというワークショップ。

北海道から沖縄まで、今や全国各地で開催されている講座です。

 

 

私もこの講座には何度か参加してきましたが、

そんなフィールドをいくつか紹介したいと思います。

 

岐阜県、美濃市の樋ヶ洞(ひがほら)地区にある、古民家宿「陽がほら」。

 

裏山には荒れた山林や竹林が迫る、全部で6軒の小さな集落です。

 

田舎ではよくある光景です。

 

 

古民家、裏庭のスペース。

前の持ち主さんが、裏山の土砂崩れや石垣が崩れるのを警戒したのだろうか、

地面を強固にしようとコンクリートを打った。

 

建物裏は、じめじめと湿気がこもり、風も抜けないような居心地の悪い空間。

このままでは、建物の柱も腐ってしまう、という状況の中での、「大地の再生講座」の開催。

4月19日のこと。

 

 

湿気がこもる原因は、良かれと思い打設したコンクリートだと判断。

このコンクリートが、大地の呼吸を止めてしまっている。

 

 

重機を入れ、奥から排水桝とコンクリートを剥がしていきます。

 

その後、石垣に沿って横溝を掘り、透水管を入れる。

付近の林は風の剪定をし、風を通す。

 

その剪定枝や間引いた竹の枝、炭を溝の中に入れる。

砕いたコンクリートガラも廃棄処分するのではなく、この現場ですべて組み込んでいく。

 

剪定枝や炭などの有機物と、コンクリートガラなどの無機物をバランスよく混ぜる。

使用する材料は、極力持ち込まず、現場で出たものは外に持ち出さない。

 

 

近隣で安く仕入れたというウッドチップやスギ皮を敷き、改善作業は終了。

 

半日程度の作業でしたが、同じ場所に立ってみると、明らかに違う。

 

じめじめと居心地の悪かったこのスペースが、

程よく空気の動く、心地よい空間に変わりました。

 

 

 

そして、裏庭から通した水脈(横溝)は建物の横から、前まで繋げ、

 

コナラ、ヤマザクラ、赤芽ソロ、ヤマボウシ、エゴノキ、シラカシ、ナツハゼ、ヒサカキ・・・

 

家屋を守るように、適所に植栽をして、

 

 

木々に囲まれた、雰囲気の良い古民家宿に生まれ変わりました!

 

植栽のメインは、樹命の長いエドヒガンザクラ

この集落のシンボルとなるよう、古民家の入り口、正面に植えました。

 

10年後、50年後そして数百年後、どんな景色になっているのか?

どんな大木に成長しているか?

 

夢は膨らみます・・・。

 

 

 

 

 

 

 

他にも、

 

 

日本中でよく見られる荒れた竹林をどうするか、という現場。

 

このような竹林をすべて切り開いて、処分するのでは、あまりにも作業が膨大過ぎます。

費用も人手もかかりすぎてしまう。

 

兵庫県淡路島での、鬱蒼とした竹林の環境改善作業。

 

 

人が最小限の手を入れて、竹林内の環境をプラスに導いていく作業。

重機を入れ、溝を掘り、まずは風の通り道をつくります。

 

そして炭を撒き、

 

透水管を通し、

 

付近の枯れた竹や間引いた竹の枝葉を敷き詰めていきます。

あるものを使う、捨てるものは何もありません。

 

 

そして、竹林内に風と光を通していきます。

 

 

竹林が荒れるのは、水脈の詰まりが原因です。

 

竹林内に空気と水の流れを確保し、水脈の詰まり解消してあげることで、

暴れていた竹林は、やがて穏やかになっていく。

 

 

 

 

 

続いて、7月4日、群馬県水上での大地の再生講座。

高さ2m以上もあるヨシの群落の草刈り作業。

 

草は地際から平らに刈るのが一般的です。

しかし、地際から刈られた草は反発し、元の高さに戻ろうと勢いよく草丈を伸ばします。

1~2か月もすれば、元の高さに戻り、再び草刈りをする、ということがよくあると思います。

 

地際から刈らずに、草の腰の折れるところ、風に揺れるポイントで草を刈る。

 

ある程度の高さを維持しながら草を刈ることで、草の根は細根化し、成長も穏やかになり、草丈は安定します。さらに細根化した草の根っこは土壌を耕し、水もよく吸う。

これを風の草刈りと呼んでいます。

 

 

今回は地上から1.3mほど(胸くらい)の高さで刈り払いました。

 

 

8月24日、再び水上での講座。

ヨシの群落の成育は落ち着き、穏やかな表情を見せていました。

 

 

 

2回目の草刈りは、わずかに徒長した草を、のこぎり鎌を使って刈るという軽作業で済みます。

この風の草刈りは地際で草を刈るより、労力が3分の1程度になるといいます。

 

 

 

 

こちらは9月8日、山梨県大月市ピラミッドリトリートセンターでの大地の再生講座。

 

 ここは大地に水脈を通し、1~2週間に一回ほど根気よく風の草刈りを繰り返してきたフィールド。

風の草刈りを繰り返していくとどうなるか。

 

 

 

穏やかに丸く刈りこまれたこの草の連なりは、背後の山並みが借景となり、美しい景色をつくる。草の造形だけでも美しい風景は作れる、それはとても衝撃的な風景でした。

この光景は、まるでツツジの刈りこみで有名な、京都の正伝寺庭園(小堀遠州作)か、

もしくは詩仙堂か。

大げさかもしれませんが、僕はそんな風に見えました。

 

いくら草地といっても、ただ平らに刈るのではなく、地形に沿って、風の道をつくりながら草を刈る。

そして、それを繰り返すことで土壌は耕され、草の種類も入れ変わる。

イネ科の猫じゃらし(エノコロクサ)ばかりだったこの草地も、柔らかいツユクサに変わりつつあります。

 

 

 

 

 

最後に紹介するフィールドは、宮城県気仙沼市。

 

 

東日本大震災の復興事業として建設された、巨大な防潮堤。

 

 

コンクリートで覆われた、河川の護岸。

この護岸工事は海まで続くという。

 

 

そんな、気仙沼市、前浜地区での大地の再生講座。

現在置かれている状況を受け入れつつも、前浜地区の中を流れる小川の環境整備を始めていく。

 

いつものように草を刈り、溝を掘り、水脈を通す作業を行う。

 

 

心地よい風が通る、あの頃の川のせせらぎを取り戻したい!

地元の方も交えての、気仙沼での大地の再生講座。

 

「このコンクリートの壁が、この地域にどんな影響を及ぼすのか。

ここに生きる植物たちの表情や風景の変化が答えを教えてくれるはず。」

 

「それからでも遅くはない、まだ間に合う。」と矢野氏は語ったという。

 

 

 

 

 

 

自然再生士や環境再生医・・・。

造園業界でも、ここ数年でこのような新しい分野の資格も増えてきました。

 

日常的にも今までに経験したことのない天候が続き、

各地で土砂崩れが起き、山々の木々は次々に枯れていく・・・。

 

ここ数十年で明らかに環境が変わりました。

そんな変化に気づきながらも何をしていいのかわからない。

 

一人で何とかしようと思っても、何から手をつけていいのか、途方に暮れてしまう・・・。

 

 

でもまだ間に合うかもしれません!

 

 

日本では古くから、結(ゆい)の作業という風習がありました。

 

一人で行うには多大な費用と労力が必要な作業でも、

助け合いながら、みんなで協力して作業を行う。

 

 

 

大地の再生講座は、自然が主役。

だから初対面でもすぐに打ち解けてしまう。

 

 

そして、みんなで一緒にご飯を食べ、

 

 

 

 

楽しく汗を流し、作業をする。

 

 

 

 

困ったときは助け合えばいい。

 

 

 

現場での作業の後は、皆で感想をシェア、学びと親睦を深めていく。

参加者たちは、講座で学び、それぞれの地元に戻り、それぞれの現場で実践を重ねていく。

 

 

 

 

 

 

長くなりました・・・。

 

未来のため、少しでも多くの美しい自然を残していけるように・・・。

 

造園や農業、林業のプロでなくても、できることはたくさんあります。

お子さんやもちろん女性でも。

それが結の作業です。

 

 

そんな体験ができる事、多くの同志たちが全国にいること、とても誇りに思います。

 

おそらく僕は今後も、

庭をつくったり・・・

環境を改善したり・・・

 

この講座で学んだ手法を駆使し、一生涯をかけて実践していくでしょう。

 

そんな大地の再生講座、是非多くの方に参加体験していただきたいと思います。

 

 

9月16日、17日は再び気仙沼での講座が開催されます。

また、埼玉、熊谷付近でも講座の開催を予定しています。

 

全国スケジュールはこちら

https://www.facebook.com/events/635542419944766/

 

 

また、快く美しい写真を提供していただきました、写真家の森山雅智さん、京都の増茂匠くん

ありがとうございました。

 

 

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