☆ その650=可憐な貌の下に隠された本性。
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「綺麗でしょう。 そして綺麗なだけじゃない、なんとも言えない婬美な魔力に満ちている。 玩ばれるために据えられた玩具の哀しみは心を打ちますよ。 それにこの憂いのある何ともそそる表情。」
細木は唯一動きの許された首を深々と折って胸に埋めている咲織の頤を掴んで引き起こす。 仲居の前に曝された咲織の愛らしい唇は哀しみと怒りにわなわなと震えている。
声を殺したうなじにくっきりと縦筋が浮かぶ程に身を懲らした。
「横から見ていたのでは、この婬美さは分かりませんよ。」
細木は咲織の細い肩をがっしと掴み、まるで商品を客に見せる様にぐるりと仲居達の方へ回した。 大きく割裂かれた白い柔肌の中心に一筆点した紅が仲居達の視線を集める。 ひゃぁと悲鳴に似た呆れ声を飲み込む仲居達の声に咲織の胸元から首筋までが朱に染まった。
『あぁ、もうお終い。 なんて言う恥晒し。 ご主人様に合わせる顔がない。 どうして、心臓が止まらないの。 このまま止まってしまえばいいのに。』
普通の人生なら一生他人に見られることなどあろう筈も無い秘花さえ晒された恥ずかしさと哀しみに凍え歯の根が合わずがくがくと音を立てる。 長い睫毛を伏せて瞳を閉じても剥き出しにされた紅い粘膜に蔑んだ視線が突き刺さるのを感じて、咲織はかぁっと躯が燃えるのを感じた。
「このお嬢さんはこんな風に縛められて、人目に曝されても、ほら、濡れているでしょう。 このお嬢さんは人に見て貰うためにつるつるに脱毛しているからよく見えるでしょ。」
細木は意地悪く言い募る。
「まぁ。」
細木の期待に合わせる様に仲居達は呆れ返った蔑みの感嘆を咲織に浴びせ、あり得ないとでも言うように互いに驚きの顔を見遣った。
その声に咲織の心臓がばくばくと脈打つ。 唇を噛み締めた歯ががくがくと震える。
全身に冷水を浴びせられた羞恥の中にあって、見詰められているであろう花弁の奥がむずむずと疼くのを訝った。 その疼きは咲織の想いとは逆に、羞恥に血が躯を駆けめぐる度にどくどくと音を立てて大きくなっていった。
「驚かれましたか。 これがまぞ奴麗なんです。 このお嬢さんは決して平然としている訳じゃないんですよ。 多分、あなたが想像しているより遙かにこの人は慎み深いんです。 今も心臓が飛び出しそうな程に恥ずかしがっている筈です。 でも、その恥ずかしさに躯は燃え、さらなる加虐を求めて濡らすんです。 面白いでしょう。 そんな婬らな本性をこんなに可憐で上品な顔に隠しているんですから。」
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