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カカの天下593「まげまげ」

 むにゃむにゃ……? カカです。

 ふと振り返ればちょんまげ軍団。こ、これは!

『アイーン!』coach メンズ

「一瞬で展開がわかるけど、それはさすがにまずいでしょ」

 さすがにいくら私でもツッコミを入れます。でもこれ私のせ
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coach メンズ バッグいじゃないよ? いつぞやみたいにズラリと並んだちょんまげ軍団のせいなんだからね。

『許してちょんまげ!』

「うるさいよ! おまえら少しは自重しろ。僕も怒るぞ?」

 おお、この声は!

「トメ兄、いや、トメじい!」

『じい!』

『ジイ』

『爺!』

『G!』

『ジジイ!』

『ババァ?』

『ジジババ!』

「ええい、やかましい!!」

 我らが精鋭たち、今回は前回にも増してでしゃばっております。

「とにかく殿、状況はおわかりで?」

「うん。また夢なんだね」

「はい、今回もカカ殿様の好きなようにできます」

「トメじい、歌って」

「G! G! 僕はG! トメトメGG僕はG――ってなんだこれは!」

「トメじいセンスないね」

「夢の中の僕のセンスはおまえ次第なんだぞ!」

『ツッコミジジイ!』

「やかましいと言うに!!」

 いいぞちょんまげ軍団。

「はぁ……お殿様? あなたには現実のトメという人物像があるでしょう。それを壊すような命令をしても無理がありますよ。本来ボケはあなたなのですから」

『ボケ殿様!』

 うっさいぞちょんまげ軍団。

「そんなにボケてるつもりはないんだけどなぁ。思うままに行動してるだけで……お?」

 なんか軍団の一角に、外人のちょんまげがいる。

「ねぇねぇ。そこのあんたら、何?」

 膝を付いていた二人の金髪のちょんまげはバッと立ち上がった。どこかで見たような――

「ヘイ、聞いたかいマイケル? 俺たちのことを何かと聞かれちまったYO!」

「聞いたよジョーイ。我らが主は僕らのことをすっかり忘れているみたいだNE!」

「詳しくは331話あたりに載ってるぜ! おもい出しておなら出してブッブッブーだぜ!」

「オゥ! その表現は下品すぎてブッブッブーで×だと思わないかい?」

「そんなこと言ったらクイズ番組は全部おなら大会さ!」

「HAHAHA! こいつぁやられたぜ! 座布団じゃなくてブーブークッション一枚だ!」

 この特徴のありすぎるノリ、思い出した。サカイさんが生み出して以降、私の中にひっそりと住みついたエセ外人どもだ。

「おかげで殿様の頭の中がおならでいっぱいさ!」

「HAHAHA! それじゃまるで俺たちがおならみたいじゃないか! もっとも? ブッと一発かましても俺たちは出ていかないがな!」

「おならと一緒に固体が出たら女の子としては困るだろうしな!」

「いいから出てけおまえら!!」

 なんだかこの二人が登場しただけで私の出番がかなり食われる気がするのでさっさと追い出す。

「出て行けってさ、ジョーイ?」

「オゥ、マイケル。それはやはり、お尻からかい?」

「消滅しろ!!」

 お、本当に消えた。でもやっぱりどこかに残ってるんだろうなぁ……

「……なぁ、カカ殿。ちょっと臭くないか?」

「やめてよトメじい。本当におならになったなんて考えたくもない」

「さっきからおならおならとうるさいがな、ちょんまげ全員でおならで合唱とか勘弁な」

 う、そう言われてみるとやってみたいような……でも……

「臭いの嫌だからやめとく」

「うんうん、それでいい」

 というわけで、黙っててねちょんまげ軍団。

『殿様の、おなーらー!』

「私だってやらないよ!?」

 言うこと聞くのか聞かないのか、どっちなのさあんたら!

『お姫様の、おなーりー!』

「だから私は――あれ? 姫? おなーりー?」

 私がいるでっかい和室の襖が開く。するとそこからは……十二単を着たサエちゃんが!

「おお、我が姫よ!」

「突発的に登場したわりにはすんなり受け止めるのな、カカ殿」

「私がサエちゃんを拒むわけなかろう」

「それもそうだが。しかし衣装は豪華だし、サエちゃんもさぞ美化されてるだろうと思ったら……そのままだな」

「サエちゃんはそのままで誰よりも可愛いのさ。それに十二単、社会の資料集に載ってたの見て、いっぺん着せてみたかったんだよね」

 着飾りまくって輝きまくってるサエちゃんはこちらに静々と歩いてくる。

 だがしかし、それを遮る者たちがいた!

「サエ姫様! 聞いてください!」

「どうか、どうか私たちをカカ殿様の悪政からお助けください!」

 なんだとぅ?

「カカ殿様は家臣と農民の扱いがひどすぎます!」

「仕事に残業はないものの!」

 ん、多分トメ兄の仕事を基準にしてるのかな。

「暇があれば殿様を褒め称えよと!」

「暇があれば殿様にお菓子を貢げと!」

「暇があれば漫才をしろと!」

「暇があればトメ様を斬れと!」

「暇がないのにこれらをしなかった場合は打ち首なのです! あまりにひどいと思いませんか!」

 そりゃひどい。どうなってんだ私の頭の中は。

「お助けを、サエ姫様!」

 さーどうする私の嫁。

「そんなこと言われてもー、それ指示したの全部私だしー」

 みんな絶句。さすがだ私の嫁。

「と、トメじい様お助けを!」

「なぜに暇つぶしで斬られまくってた僕がおまえら助けなきゃあかんの」

 それもそうだ。

「いくら斬ってもトメじい様死なないじゃないですか!」

「仕方ないだろ、カカの中じゃ僕が死ぬのはありえないことになってるんだから」

「うん、だから何度殺してもいいんだよ」

「……なんか納得いかんが」

 いいじゃん。私の中じゃ、絶対にいなくならない存在なのさ、トメ兄は。

「ねーねーカカ殿ちゃん」

「おお、新しい呼び方だ。なに? サエ姫ちゃん」

「サユカちゃん皇帝が攫われたらしいよー。続く」



 むくり、と身体を起こす。

「……え、続くの?」

 思わず呟く私なのでした。

 そして寝癖はもちろんちょんまげ風味でした。



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 最近運動会話が続いていたので、ここらでまったく関係ない話を入れてみました。

 え? カカ殿が気に入ったのかって?

 ハイ。