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視点:ベルル
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★:旦那様の制服

私はベルルロット・グラシス。

今日はサフラナがお洗濯するみたい。
私もお手伝いすると言ったけれど、これはダメだって言われたわ。
魔法の洗濯機を使うのが、なかなかややこしいのですって。

だから、魔法の洗濯機のある洗い場まで、私のお洋服と旦那様のお洋服を持って行くお手伝いをしているの。



大きな洗濯籠を持って、洋服タンスのあるお部屋へやってきた。

洋服タンスのお部屋は、私と旦那様の寝室のすぐ隣にあるのだけど、沢山のお洋服と、大きな鏡のparker 万年筆
シャープペン
シャープペンシル
ある、誇りっぽい匂いのする小さなお部屋で、私はここがとっても好き。

だって旦那様に買ってもらったお洋服が沢山あるんだもの。
最初は旦那様のお母様のドレスを着させてもらっていたけれど、今では私のお洋服が、何着もあるのよ。

私が黄色が好きなものだから、黄色のドレスがとても多いの。

「んー……サフラナの言っていたお洋服はこれかしら」

サフラナに言われた旦那様のお洋服を探していると、何だかとってもワクワクする。
このお洋服、旦那様が良く着ているわ、とか、お出かけ用のお洋服だわ、とか。
あと、お仕事の為の制服が何着かあるの。

白い裾の長いローブよ。
この制服を着ている旦那様は、いつもよりとても魔法使いっぽいの。
魔法使いだから当然なのだけれど。

「……」

私は少し気になって、旦那様のローブをハンガーから外して、鏡の前で羽織ってみた。

「まあ、ぶかぶか」

袖も裾も長くって、引きずってしまうわ。
鏡を見ていると、それが良く分かるの。

私って本当に小さいのね。

「ふふ、でも魔法使いみたいかしら。私も旦那様みたいに、沢山の魔法が使えたらなあ」

側に立てかけてあった、細長い突っ張り棒を手にもって、旦那様の真似をする。
良く分からない模様を宙に描いてみる真似。

でも当然、何にも起きなかったわ。

「旦那様、このお洋服を着てお仕事をしているのよね。いったいどんな事をしているのかしら。きっと、私には難しい事よね」

以前一度だけ、旦那様のお仕事先へお弁当を届けに行った事があるのだけど、王宮の“研究室”と言う所は、このお洋服を着た人たちが沢山居たわ。
オリヴィアさんも、そう。

あの時はみんなとっても忙しそうで、順番で仮眠を取っていたの。
旦那様もそう。夜の間は起きて、お仕事をしていたんですって。そして、朝方に眠って、お昼に私がお弁当を持って来た時に、目を覚ましたの。

あの時の旦那様、私が王宮に来た事をとても驚いていたわね。

「……」

ぎゅっと、そのお洋服を握って引き寄せ、大きく息を吸うと、お薬や薬草の匂いがする。
少し苦くて、でも爽やかでツンとした匂い。
旦那様の匂いだわ。

「……うう~」

何だか、何だか今すぐ、旦那様に会いたくなって、胸が苦しくなって、パタンとその場に座り込んだ。
ああ、今日は早く帰って来るかしら。

「お洗濯したら、この薬草の匂いも取れちゃうのかしら。何だか残念ね」

しぶしぶ、旦那様の制服を脱いで、洗濯籠の中へぽいっ。

残念だけど、お洗濯しないと、旦那様がこれから気持ちよくお仕事出来ないもの。
きっとサフラナが待っているから、私は急いで自分のお洋服や、旦那様のシャツなんかを洗濯籠に入れて、洗い場まで持って行った。








「ねえ、旦那様。今日サフラナのお洗濯のお手伝いをしたのよ」

旦那様がお仕事から帰って来たので、私は今日の報告をした。

「偉いじゃないか」

旦那様は白いローブを脱ぎながら、私を褒めてくれた。
私はというと、旦那様が椅子にかけたローブがとても気になる。

「ねえ、旦那様……旦那様のローブ、私も着てみていい?」

「……え。別に、良いけど……大きいよ。それに、今日は匂いのキツい薬草を扱ったから……」

「この匂いはプエハッカ草の匂いでしょう? 大丈夫よ、私、この匂い好きだもの」

「そうかい?」

旦那様は少し戸惑いつつも、ローブを持って、私に羽織らせてくれた。
まだ旦那様の温もりが残っていて、ふわりと薬草の香りが漂って来る。

これはとっても素敵!

「見て、旦那様! 私も魔法使いよ!!」

やっぱりとても大きくて長いローブ。裾は床についてしまって、引きずってしまうわ。
長いローブの袖をひらひらとさせて、旦那様にその姿を見てもらったのだけど、旦那様は少しばかり笑った後、口元を押さえて顔を背けちゃった。

おかしな姿だったかしら。

「旦那様、私、似合わないかしら……」

テロンとした袖を見つめながら、おずおずと聞いてみた。
旦那様は「い、いや……」と口ごもって、また私の方をちらりと見た後、顔を背けた。

しかしすぐに咳払いして、私の方に向き直る。

「何と言うか、やっぱり大きいな。着られている感じで、面白いよ」

「着られている?」

着られているとは、どういう事かしら。でもきっと、褒め言葉では無いわね。
私はむうっと頰を膨らませた。

「どうせ私は小さいもの。旦那様の大きなローブに、着れられちゃってるわ」

「おや、意味が分かったのかい」

「何となく分かるわっ」

両手を広げて、怒ってみたけど、旦那様は笑って私の頭を撫でるばかり。
きっと子供扱いしているのだわ。

だけど、旦那様に頭を撫でられると、ついつい嬉しくて大人しくなっちゃうの。
私って、仕方の無い子供ね。

「いやいや、良く似合っているよベルル。偉大な魔法使いの様だ」

「……ほんと? 旦那様みたいに?」

「いや僕はそれほど偉大じゃないけど」

旦那様は私をゆっくりと抱き締めてくれたわ。
私も旦那様の腰に腕を回して、ぎゅーっと抱き締める。

「まあでも、偉大と言うより、“可愛い”かな。可愛い魔法使いだ」

「可愛い?」

「うん」

「可愛いと思った?」

「うんうん」

「な、なら、旦那様は私にキスしなくてはならないわ。だって、前に言ったでしょう? 可愛いと思ったら、私にキスしてくれるって」

「……」

長い袖を振って、私は旦那様におねだりした。
旦那様はパチパチと瞬きして、驚いていた様だけど。
私が必死になって言ったから、屈んで、頰に触れて、ちゃんとキスしてくれたわ。

「うう……旦那様……」

私は自分からおねだりしたのに、すっかり顔を赤くして、旦那様の胸にコテン。
旦那様は私の背中を撫でながら、何も言わずに居たわ。

だけど、チラリと旦那様を見上げると、旦那様も少しだけ顔を赤くしていたの。
お揃いだわ、と思って、私はまたぎゅーっと、旦那様を抱き締めた。

旦那様が大好き。
この気持ちが伝わると良いなと思いながら。
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