ハドソン川の奇跡(原題名:SULLY '16年10月 MOVIX京都) | Que amor con amor se paga

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'09年1月の米国USエア1549便航空機事故『機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡』の映画化。

当時のニュースこちら



うううむ、実際の話、手記、映画と、途中まで合っているけど途中から違う話も珍しいな…。

仕事が忙しかった+ トム・ハンクスの映画つーだけで観る気が失せた(おいこら)、イーストウッドだから、 『ハンクス嫌いだけど、見てもエエか(なげやり)→ポイント溜まったからそれで観よう(おい)』で
延々と書いていなかったレビューですwwww

アーロン・エッカート、フケたなぁ~(いい杉)、10年ぐらい前は好みだったのにな~、オッチャンチャンじゃん…。

文句たらたら言いまくった所で、予告編こちら、あらすじいってみる。



時は'09年1月15日

USエア1549便(エアバスA320)は、機長チェズリー・"サリー"・サレンバーガー(トム・ハンクス)と、 副操縦士ジェフ・スカイルズ(アーロン・エッカート)の手により、NYラガーディア航空からシャーロットを経由し、シアトルに向かうはずだった。

しかし離陸後僅か95秒後。
大型の渡り鳥・カナダ雁がエンジンに巻き込まれ、バードストライクを起こし、両エンジンが停止してしまう。

管制官のパトリック(パッチ・ダラ)は、ラガーディアに引き返すか、ニュージャージー州のデターボロ空港に行くか、 どちらかを選択してくれと、サリーに伝えるが、パトリットの指示を聞くと、機体損傷の末の大惨事になると判断したサリーは、 南南西に向かった。

ハドソン川に水上着水するとサリーがアナウンスすると、機内はパニック状態に陥るが、 CAのドリーン(モリーン・ヘイガン)、シーラ(ジェーンハガード)、ドナ(アン・キューザック)らが、毅然とした対応で乗客をなだめた。

サリーが操縦するエアバスは、氷点下6度、水温2度のハドソン川に水上着陸する。
ヘリ2機、水上タクシーや観光船、消防隊により、乗客らは助けられ、機長は最後まで残り、乗客乗務員全員の安全を確かめた後に救出された為、 いちやく時の人となった。

しかし数時間後、サリーと副機長のジェフは、事故調査委員会に召喚される。

事故当日に機長の健康状態に問題はなかったのかと詰め寄る委員(マイク・オマリー)もいれば、左エンジンはアイドリング状態だったと主張するものまで現れた
また空港に戻る時間はあったのでは、と書き立てるヤジ馬根性の記者(カムロン・ティール、インディ・クマール)らも居た。

さらにサリーとジェフは、米国国家運輸安全委員会に召喚され、両エンジンが故障していたとしてもシュミレーションの結果、 空港に戻る事は出来ただろう、という、疑惑までかけられていた。
事実を伝えているにも関わらず、濡れ衣を着せられるサリー。
サリーは、事故当時の救出作業を思い出しながら、自分の判断が間違っていなかったか考え直していた…

以下ネタバレです

映画は、サリーが操縦する航空機が制御不能に陥り、NYの摩天楼に突っ込み大惨事を起こす。が、それはサリーが見た幻だった…
という所から話は始まる。

それからサリーが、USエアに乗り、エアバスの事故から間一髪乗客乗務員全員の命を救う腕を見せ、その後に事故調査委員会に呼ばれ、 冤罪を着せられ、晴らすまでを描くのが、この話。
まぁ実際の話+原作で、サリーは冤罪をかけられていたわけではないし、事故直後は、ブッシュから電話があり、 オバマさんから晩餐会に呼ばれたり、見知らぬ人から激励の手紙を山のように貰ったという事なのだけど、 、この辺りはイーストウッドの脚色なんだろうなぁと思います。

原作や実話と合っている点は、映画の中に時々入ってくるサリーの回想シーン。
冒頭の部分の回想や、どうやって自分はあの大惨事から乗客を救出したかという記憶が、サリーは何度もフラッシュバックし、 PTSDを患ったという点や、それでサリーの妻が心配するシーンはあっていると思います。

今回の映画の試写会で、当時の乗客2名が居た事が発覚(驚愕)。
ゴマカシ利きませんもんねぇ(涙)

でもって、サリーが一度は英雄視されながらも、事故調査委員会の手により犯罪者扱いされるという由縁は、 汚い話なのですが、保険が一番の要因なのではないかと。

機長の判断ミスという事だと、保険会社の支出が変わるので、なんとしても機長に罪を着せたい航空会社のやらしい根性もあるんじゃないでしょうか。
後は、コンピューターが空港に帰れたかもしれないという結果をはじき出してしまった為に、つじつまを合わせる為に、シュミレーションをやったとも 考えられます。

サリーは、空軍時代に、一瞬の戸惑いで命を落とした、大惨事を引き起こした同僚たちを目の当りにしてきた。
だからこそ、データがどうの、シュミレーションがどうのという頭でっかちな調査委員会の言い分には納得出来ない。
そしてついに、調査委員会が、シュミレーションをする際に、パイロットたちに

事前に練習をさせていた事が発覚(驚愕)

それじゃぁ『事前に事故が起こるって判ってるシュミレーションを何度もやってるqqq』=インチキになるじゃぁないっすか。
その上で、サリーが、実際あの時の事故発生から208秒以内で反応したことを委員会に言及すると。

どの空港に戻ったとしても、シュミレーション上、建屋や桟橋(ラガーディアのケース)に激突して生存者0という事が判明。
あれだけギャーギャー言っていた左エンジンはどうなったの?というと、やっぱり故障してました。というオチ

結局事故調査委員会は、自らの非を認めた…という所+エンディングには、実際の当時の事故の様子を映し出して終わる…という。

アーロン・エッカートが女性の安全委員会の人から 『そうだなあ、(同じことをするなら暑い)7月にやるかな』と答えたのは、バードストライクが未だ何の対策も練られていない 事故原因の一つである事への皮肉だと思いました。

原題名はシンプルに『サリー』
こちらはモノホンのサレンガーバー元機長、劇中でサリーは

あれは奇跡ではない仕事でやったまでの事だ

…と邦題名否定してるワケです。仕事に『奇跡』や『運』なんてありえない。
『積み重ねの結果』というのが彼の持論なんだろうなと。
…体を張って誇れる仕事しないとこの言葉は言えない世の中になりましたな…。ある意味サリーは『大都会』や『西部警察』あたりを 思わせる昭和なおじさんだったかもしれないですねぇ。
パイロットの奇跡ともいえる操縦で危機を乗り切った航空機映画にデンゼルの『フライト』がありますが、 あちらは、『パイロットで腕は一流といえども人間としてゲスで弱い』という所を描いたシロモノ

腕さえ良くて、結果オーライであればいいものではないよ、 という所をグサリと付いてくれているので、個人的には『フライト』の方が好きです。
ハンクスのこの映画は、主人公+彼を信じる人が絵に描いたように『いい人杉』+極端に事故調査委員会が悪者に描かれている辺り、 西部劇みたいな映画の人間関係なので、ホントかなぁ~とか思っちゃうんですよね。