メリー・サンガさんと3人の子ども達(担当高増哲郎)
2010-03-18 18:23:28
テーマ:今、支援が必要なチャイルド
大都市ができれば必ずくっついてくるスラム。
その存在は知っていましたが、
写真あるいは遠くから眺めるだけの世界でした。
今回、チャイルドドクターの宮田さんに
案内してもらい、初めて入りました。
私は、メリー・サンガ・ナシミンさん(お母さん)
の家を訪ねさせてもらいました。
写真でメリーさんに抱かれているのが
サンドラ・サンガ・ランギアちゃん(2歳)、
青のシャツを着ている子が
ラローラ・サンガ・ナウイレちゃん(3歳)です。
他に、訪問した時には学校に行っていた
アイザック・サンガ・ウワンジャラくん、
それからお父さんの
ポール・サンガ・タムクさんがいます。
ナイロビのミツンバというスラムに、
6畳ほどの部屋に家族5人で暮らしています。
私も実際に部屋に入れてもらい、
お母さんのメリーさんに
スラムでの暮らしの話を聞かせてもらいました。
スラムでの暮らしはやはり厳しいものでした。
まず、5人で6畳など、
狭すぎて今の日本では考えられません。
ベッドも1つしかなく、
子どもたちは皆、床に寝ています。
また現在、お父さんは事情があって働いておらず、
メリーさんの家の収入は、
メリーさんが土曜日に
洗濯の仕事をしてもらえるお金だけです。
それがどのくらいかは聞いていないのですが、
一ヶ月に必要なお金は
家賃が1000Ksh、
食費が800Ksh
アイザックくんの授業料が500Kshで、
その他、飲み水には浄化剤が必要で
10Ksh等、雑費も当然あります。
※(3月11日現在、1ケニア・シリング =約1.18円)
それらを洗濯の仕事だけで支払うことは難しく、
家賃を払えないときは待ってもらっています。
そのようにお金がない時は、
ウジというとうもろこしの粉を
水に溶かしたものを飲んで飢えをしのぎます。
本当にギリギリの生活です。
こんな状況で、
サンドラちゃんが肺炎になりました。
肺炎の薬を2種類買うのに
2500Kshが必要です。
どうやってそのお金を支払うのでしょう?
さらに2週間の入院が必要だったそうです。
その間、サンドラちゃんを
放っておくわけにもいかないので
お母さんは仕事ができません。
どうやってそのお金を支払うのでしょう?
どう考えても無理です。
その日生きていくのでも厳しいのに、
子どもが病気にでもなれば、
無理無理無理のスパイラルに陥ってしまいます。
お金がなければ
放っておくしかないのが現状のようです。
そうした状況の子ども達を援助しているのが
チャイルドドクターです。
支援者が日本から
毎月1000円(800Ksh)を保険金として支払い、
子どもたちは治療が無料で受けられるようになります。
子どもたちが治療を受けた時には、
支援者に“ありがとうの”メッセージが届きます。
サンドラちゃんの場合は
チャイルドドクターに支援してもらい、
助かったそうです。
しかし、今このミツンバスラムにいる
約500人の子どもに対して
支援者は280人程度だそうです。
支援が受けられない
子どももいることになります。
支援が根本的な解決にならないとしても、
そこで彼らに“自立を目指そう”
とかって言ったって無理な話です。
チャイルドドクターの支援は必要です。
ところで、こんなギリギリの状況でも、
お母さんは息子のアイザックくんを
なんとか学校に行かせているのです。
苦しくとも、教育を非常に
大切にしていることに驚きました。
また、ここに来る前に私が抱いていた
スラムのイメージは劣悪な環境の中、
みんな暗い顔して暮らしているような景色でした。
しかし、実際にスラムに入ってみて
まず感じたのは、そこに住む人は
別に絶望の淵にいるというわけではないことでした。
日本人の私にも笑顔で声を掛け、
あいさつしてくれますし、子どもたちは
すんごい笑顔で“ジャパニーズ!!”などと叫びながら、
手を振ってくれます。
ラジオ等で音楽を聞いたりして
楽しんでいる人もいます
(もちろん元気のない人もいます)。
一日の、それもたった1時間かそこら行って
話を聞いた程度でしかありませんが、
毎日を生きていくのが精一杯か、
それも難しい状況だとしても、
それでも一生懸命働き、
みんな絶望することなく生き抜いている強さを感じました。
そして、そんな彼らが大好きで、
彼らの状況を改善したいと本気で頑張っている人達が
いることも知りました。
これから私がどんな仕事をするのかは
まだ未定ですが、何をするにしても、
苦しい生活を強いられている人々がいること、
それでも一生懸命生活していること、
またそんな人々を良い方に向かって欲しいと
奮闘している人達がいることを忘れずに、
自分なりにやっていこうと思います。
高増哲郎 (九州大学理学部)







